173 / 180
5章
決戦
しおりを挟む
★エリゼ視点
トヨナカの街をピーちゃんに旋回してもらう。
元々、しっかりとした城塞都市ってわけではなかったけど、それなりの壁があったのに、城壁なんかはボロボロになっている。
ルイさんの家に直接、ピーちゃんで乗り付けると、旋回していた時から気がついていたのか、見覚えのある人達が直ぐに集まってくる。
「お姉様!」
パスルが一番に抱きついてきた。
レオンやルイさん、エリザベスさんだけではなく、白百合隊の子や、騎士連中までいた。
「どうして、町の人間が大集合してるのよ」
「お姉様の指示に従っただけです。ああ。お姉様の匂いの奥、モモ様の匂いも感じます」
「私ら、獣人よりも鼻がいい子なんだね」
エリザベスさんが関心しているけど、ポイントがずれているのでやめてほしい。ここは引く場面ですよ。
「エリゼ、父上の所に来てもらってもいいか」
「はい。ガンジュさんもこちらにいるんですか?」
「タイミングが良いのか悪いのか、ユウ殿のところから帰って、首都に戻る前にここに滞在していんだ」
ルイさんに案内され、家にお邪魔する。パスルまでなんで着いてきてるの?
ベットに寝かされているガンジュさんが、私が来たことに気がつくと、奥さんらしき人の手を借りて、起き上がる。体に傷は見られないけど、弱っているのはわかる。
「エリゼも来てくれたのか。君らの仲間が助けに来てくれて助かったよ。ただ無断で国境を越えるのはいただけないな。結果は良いが、後で正式に怒られてくれ」
無断で国境を越えた? パスルがサムズアップしている。やりやがったね。
「流石はお姉様です。責任は自分が持つから、柔軟に動けと言ってくれたおかげなんです」
「エリゼのおかげで沢山の民が助かった。感謝している」
ルイさんもガンジュさんも喜んでくれてるし、そんな都合の良いことを言った記憶なんてないけど、まぁ受け止めておくとしよう。
責任を取るのが私の仕事なんだろう。後でパスルには文句を言うけどね。
「やっぱり情報の封鎖がされてたんですか?」
「そのようだ。今のユウが誘拐されたらしいな。彼が人質となってくれたおかげでダイチやソラも無事だった。感謝している、今度は我々が彼を助ける番だ。エリゼ、君に部隊を任せたい」
「ルイさんがいるじゃないですか。私も勿論、助けには行きますけど……」
「父上も動けないし、今は俺も離れるわけにはいかない。だからこそ、戦士達をエリゼに任せたい」
「でも、私は人族なんですよ。納得するでしょうか?」
「問題はありませんよ! お姉様の素晴らしさは私がしっかりと伝えておきました。モモ様のついでに」
ついでにね。パスルが自信満々なのは少し怖い。
モモに渡されたスマホを設置して、お風呂や食事をいただく。
部屋は個室なんて当然、用意はできなかったけど、せめてパスルとは別の部屋にして欲しかった。
「今夜は寝かせませんからね、お姉様」
「「きゃー!」」
パスルのセリフに白百合の連中が盛り上がってるのを無視して眠りにつく。
トヨナカの街の状況は悪かったけど、幸いにして人的被害はそこまでではなかったらしい。
パスルからの話だと、怪しい動きをしている軍と呼べる規模の連中の動きを察知して、トヨナカの街を襲ったタイミングで挟撃したらしい。
指揮官を倒した後はチリジリになって、ソード家の領都を掠めるように北東に逃げていったそうだ。
そもそも、トヨナカに被害が出る前に対処できなかったのか、聞いたけど戦力的に難しかったので、適切なタイミングで効果的に攻撃をしたとのことだ。
私の腕枕に満足そうな顔をしている変人ではあるけど、やっぱり有能なんだなと実感はできた。この子がいたおかげで被害が最小限になった。ひと段落したお礼を改めて言おう。
トヨナカ以外からも戦士、兵士たちが集められて、かなりの大所帯になった。
パスルの宣伝の効果とモモや父のおかげもあってか、リーダーが人族だと言うのに士気はめちゃくちゃ高い。
「聞きなさい! エリゼお姉様から話があります!」
簡易的な壇上に立って、集まってくれた人を見渡す。
圧倒的に獣人は多いけど、騎士連中や、王坂にいた人族も少なからず志願してくれた。総勢で5000は集まったのではないだろうか。
「皆んな、集まってくれてありがとう。長いスピーチをするつもりはないの、私達を助けてくれた森の賢者に恩を返すために力を貸してほしい」
「「おおー!」」
「行くぞ野郎ども! お姉様についてきなさい!」
「「うおおぉ!」」
私よりも断然、パスルの方が扇動をするの上手くない?
ソード家に立ち寄り、騎士連中を更に補充して、道中の別の貴族連中からも兵士を募り、最終的には2万近くの軍隊となった。
人が多くなったのと雪もあったので、到着まで時間がかかってしまい、最終的には春先、雪が溶け始めていた。
要塞から一番近い、王国寄りの城を連合軍の集合地点として、各国の要人が集まっている。
まさか、王様まで来ているとは、感覚が麻痺しているけど、ハルもカレン様も来ているみたいだし、当然と言えばそうか。
「エリゼさん、お久しぶりですね」
「ソーズさん、お久しぶりです。ビクドの代表はソーズさんなんですか?」
「僕もいるよ。ソーズは戦う方が専門だしね」
「ショーンさんもお元気そうでよかったです」
ビクドからはショーンさんとソーズさんが代表者として来ているんだ。
ソーズさん達と会議室に向かうと、錚々たる面々がいて少し気後してしまう。
各国の将軍に王族。さくらさんが、ワインを片手に偉そうにしている姿を見るとやっぱり、偉いんだなぁって改めて実感してしまう。隣には居心地が悪そうにモモが座っている。
私は誰の側にいるべきか、王国の人間なわけだし、王様の側に立った方がいいかな?
あ、父上、いたんですね。
「エリゼ、こっち」
モモが手招きしてくれたが、そっちにはあまり行きたくない。
全員の視線が私に向く。ハイエルフ様に呼ばれたからには行かないわけにはいかない。
「モモ、どうして私までこっちに呼ぶのよ」
「だって、強面のおじさんばかりで、怖いんだもん」
モモにかかれば、各国の御偉いさんもただのおじさんさらしい。
「それでは会議を開始するぞ」
さくらさんの号令で、会議が始まる。随分と酒臭いけど大丈夫なのかな。
トヨナカの街をピーちゃんに旋回してもらう。
元々、しっかりとした城塞都市ってわけではなかったけど、それなりの壁があったのに、城壁なんかはボロボロになっている。
ルイさんの家に直接、ピーちゃんで乗り付けると、旋回していた時から気がついていたのか、見覚えのある人達が直ぐに集まってくる。
「お姉様!」
パスルが一番に抱きついてきた。
レオンやルイさん、エリザベスさんだけではなく、白百合隊の子や、騎士連中までいた。
「どうして、町の人間が大集合してるのよ」
「お姉様の指示に従っただけです。ああ。お姉様の匂いの奥、モモ様の匂いも感じます」
「私ら、獣人よりも鼻がいい子なんだね」
エリザベスさんが関心しているけど、ポイントがずれているのでやめてほしい。ここは引く場面ですよ。
「エリゼ、父上の所に来てもらってもいいか」
「はい。ガンジュさんもこちらにいるんですか?」
「タイミングが良いのか悪いのか、ユウ殿のところから帰って、首都に戻る前にここに滞在していんだ」
ルイさんに案内され、家にお邪魔する。パスルまでなんで着いてきてるの?
ベットに寝かされているガンジュさんが、私が来たことに気がつくと、奥さんらしき人の手を借りて、起き上がる。体に傷は見られないけど、弱っているのはわかる。
「エリゼも来てくれたのか。君らの仲間が助けに来てくれて助かったよ。ただ無断で国境を越えるのはいただけないな。結果は良いが、後で正式に怒られてくれ」
無断で国境を越えた? パスルがサムズアップしている。やりやがったね。
「流石はお姉様です。責任は自分が持つから、柔軟に動けと言ってくれたおかげなんです」
「エリゼのおかげで沢山の民が助かった。感謝している」
ルイさんもガンジュさんも喜んでくれてるし、そんな都合の良いことを言った記憶なんてないけど、まぁ受け止めておくとしよう。
責任を取るのが私の仕事なんだろう。後でパスルには文句を言うけどね。
「やっぱり情報の封鎖がされてたんですか?」
「そのようだ。今のユウが誘拐されたらしいな。彼が人質となってくれたおかげでダイチやソラも無事だった。感謝している、今度は我々が彼を助ける番だ。エリゼ、君に部隊を任せたい」
「ルイさんがいるじゃないですか。私も勿論、助けには行きますけど……」
「父上も動けないし、今は俺も離れるわけにはいかない。だからこそ、戦士達をエリゼに任せたい」
「でも、私は人族なんですよ。納得するでしょうか?」
「問題はありませんよ! お姉様の素晴らしさは私がしっかりと伝えておきました。モモ様のついでに」
ついでにね。パスルが自信満々なのは少し怖い。
モモに渡されたスマホを設置して、お風呂や食事をいただく。
部屋は個室なんて当然、用意はできなかったけど、せめてパスルとは別の部屋にして欲しかった。
「今夜は寝かせませんからね、お姉様」
「「きゃー!」」
パスルのセリフに白百合の連中が盛り上がってるのを無視して眠りにつく。
トヨナカの街の状況は悪かったけど、幸いにして人的被害はそこまでではなかったらしい。
パスルからの話だと、怪しい動きをしている軍と呼べる規模の連中の動きを察知して、トヨナカの街を襲ったタイミングで挟撃したらしい。
指揮官を倒した後はチリジリになって、ソード家の領都を掠めるように北東に逃げていったそうだ。
そもそも、トヨナカに被害が出る前に対処できなかったのか、聞いたけど戦力的に難しかったので、適切なタイミングで効果的に攻撃をしたとのことだ。
私の腕枕に満足そうな顔をしている変人ではあるけど、やっぱり有能なんだなと実感はできた。この子がいたおかげで被害が最小限になった。ひと段落したお礼を改めて言おう。
トヨナカ以外からも戦士、兵士たちが集められて、かなりの大所帯になった。
パスルの宣伝の効果とモモや父のおかげもあってか、リーダーが人族だと言うのに士気はめちゃくちゃ高い。
「聞きなさい! エリゼお姉様から話があります!」
簡易的な壇上に立って、集まってくれた人を見渡す。
圧倒的に獣人は多いけど、騎士連中や、王坂にいた人族も少なからず志願してくれた。総勢で5000は集まったのではないだろうか。
「皆んな、集まってくれてありがとう。長いスピーチをするつもりはないの、私達を助けてくれた森の賢者に恩を返すために力を貸してほしい」
「「おおー!」」
「行くぞ野郎ども! お姉様についてきなさい!」
「「うおおぉ!」」
私よりも断然、パスルの方が扇動をするの上手くない?
ソード家に立ち寄り、騎士連中を更に補充して、道中の別の貴族連中からも兵士を募り、最終的には2万近くの軍隊となった。
人が多くなったのと雪もあったので、到着まで時間がかかってしまい、最終的には春先、雪が溶け始めていた。
要塞から一番近い、王国寄りの城を連合軍の集合地点として、各国の要人が集まっている。
まさか、王様まで来ているとは、感覚が麻痺しているけど、ハルもカレン様も来ているみたいだし、当然と言えばそうか。
「エリゼさん、お久しぶりですね」
「ソーズさん、お久しぶりです。ビクドの代表はソーズさんなんですか?」
「僕もいるよ。ソーズは戦う方が専門だしね」
「ショーンさんもお元気そうでよかったです」
ビクドからはショーンさんとソーズさんが代表者として来ているんだ。
ソーズさん達と会議室に向かうと、錚々たる面々がいて少し気後してしまう。
各国の将軍に王族。さくらさんが、ワインを片手に偉そうにしている姿を見るとやっぱり、偉いんだなぁって改めて実感してしまう。隣には居心地が悪そうにモモが座っている。
私は誰の側にいるべきか、王国の人間なわけだし、王様の側に立った方がいいかな?
あ、父上、いたんですね。
「エリゼ、こっち」
モモが手招きしてくれたが、そっちにはあまり行きたくない。
全員の視線が私に向く。ハイエルフ様に呼ばれたからには行かないわけにはいかない。
「モモ、どうして私までこっちに呼ぶのよ」
「だって、強面のおじさんばかりで、怖いんだもん」
モモにかかれば、各国の御偉いさんもただのおじさんさらしい。
「それでは会議を開始するぞ」
さくらさんの号令で、会議が始まる。随分と酒臭いけど大丈夫なのかな。
93
お気に入りに追加
1,179
あなたにおすすめの小説
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる