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4章
未来
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★エリゼ視点
結婚式やイベント事が一通り終わると、モモは実家に預けているサイラ君を迎えにいくと行ってしまった。
久しぶりに一緒に帰らないかと誘われた。私もイールに会いたかったし、帰りたいとも思ったけど、これから忙しくなるので、断ることになってしまった。
ソード家はルークが新しい当主になってこれからが忙しくなるだろうけど、私自身もこれから開拓して村、町を作る準備進めないと行けない。
ルークと開拓する土地を話し合い、人員についてもどのくらいの規模て作るのか相談を進める。
仕事に溢れている人や農奴の人達を中心に500人ほど集めてもらう、一気に連れては移動できないので中継地点にある街の外にキャンプを作ってもらい、順次集めて騎士団を率いて土地の開拓に向かう。
「それで、騎士団からどのくらい志望者がいたの?」
せめて直属の部下である50人は志願してくれてると嬉しいな。
「困ったことに、希望者が多すぎて選抜している。希望者を全員出しては騎士団として機能しなくなってしまうからね。これだけの人が集まったのは姉さんの行動は皆んなが見て、認めているってこどだよ」
少し気恥ずかしいけど、人員について集まったのであればよかった。
それでも篩にかけることになると思う。私が求めるのは沢山の種族の人達が暮らしていけるような町だ、農奴だけでなく、獣人など人族以外を嫌う人もいるかもしれない。
結局のところ、100名ほどの騎士を連れていけることになった。
選抜については、パーティーメンバーも手伝ってくれて、レオンは哨戒任務が得意な者を、エリンには魔法が得意な者をまとめてもらった。
パスルは陰で怪しげな連中を取りまとめていた。たぶんだけど、モモが好きな連中だとは思う。
リリアさんやルルイゼ、家族とは簡単に別れを済ました。
「ルルイゼも子供が生まれたら教えてよね。リリアさんもルークのことお願いね」
「エリゼお姉様もお気をつけて、子供が生まれたら手紙を出します」
「ルークのこと、しっかりと支えます」
頼りなる妹達がいる、ルークも心配はないだろう。
「れじゃあ、行ってくるね」
騎士団を率いて、現状では1番辺境にある街へ向かう。
開拓が成功すれば、新しい町が1番の辺境の町になる。
まだ全員が集まってはいないが住民となる人達は既に集まり始めているらしく、数日中には全員が集まる見通しとのことだ。
いきなり600人ほどの人員を街の規模で受け入れることも難しいので、今は郊外でキャンプを設営してもらっている。
「まずは炊き出しをしないとね。部隊長を集めて」
「はい! お姉様!」
パスルが作った、10名の白百合隊という女性だけの部隊の子が基本的には私の副官の役割を果たしてくれている。
隊の連中はお姉様、妹ということらしく、姉妹のような結束意識を持つようにとのコンセプトらしい。
個人的にもむさ苦しい男が横にいるよりは可愛い子がいてくれた方が嬉しいからいいけど。
「レオンの部隊は大型の食い出が多い魔獣を探して、できるだけ討伐が難しい奴ね。エリンは魔導隊と土木の得意なの引っ張って環境を整えて、不衛生な状態だし、テントも足りてない。パスルは白百合の子達を連れて怪我人を見て回って」
1人の騎士が質問をしてくる。
「テントが足りてないとは、農奴達の分も我々が用意するんですか?」
「そうよ。これから一緒に開拓をする仲間だもの。まずは話を聞いてもらいたいとこだけど、お腹が減ってたら貴方も話なんて入ってこないでしょ。不満はある?」
「不満はありません! ただエリゼ様の下で働けることを光栄に思います」
騎士団の連中からは不満が出るかと思ったけど、誰一人として不満を口にするものはなく、テキパキと動いてくれた。
人選についてはルークやルルイゼ当たりが絞り込んでくれたのだろうか。
「残った連中は、森の中で食べれそうな野草やキノコを探しに行くわよ。街の人たちが困らないようにできるだけ奥の危険なとこにね。ついでに魔物がいれば駆除をするから」
「エリゼ様もいらっしゃるんですか?」
「当然」
私が行くことについても、この人ならそうか。くらいの印象とはなってるみたいで、誰にも止められることはなかった。
少し遅くはなってしまったが、夕暮れ前には炊き出し用のご飯をとりあえず用意することができた。
炊き出し前にエリンの部隊が用意してくれた大浴場に男女分かれて入る。魔法が得意な連中を集めたので、作ることは難しくない。
普通であればこんな贅沢な魔法の使い方はしないが、使えるものは使う。それが我が隊の方針だ。
キャンプにもお風呂やトイレを別に設置して、環境は整えてもらっている。
事前に中古ではあるけど比較的に綺麗な服も用意していたので、お風呂に入ってもらい、服も配ったし、寝床も新しく用意した。そして最後にはお腹である。
兵士がいるとこに集まるのは怖がっている民もいたけど、良い匂いは抗えないのと、事前に配給がある話をしていたので集まりは上々だ。
飲めるものには一杯だけはあるが酒も振るわれる。
「皆んな、今回は開拓をするためによく集まってくれた。ささやかではあるが、食事も用意した。細かいことはまた後で話す。まずは腹一杯食べてくれ!」
私の号令で、食事が開始になるが、民と言っても農奴であるので、騎士が食べ終わってからの残飯をもらえるのか待ってる者しかいない。
「ほら、しっかりと食べなさい」
まだ少女、少年、10歳前後の獣人の子に私から食事を手渡す。
食べてもいいのか迷いながらも受け取ってくれた。
それを見て食べてもいいのかと、どんどんと列が長くなっていく。
「沢山ある! 焦らずにな!」
警戒している獣人の大人ななどにはレオンが積極的に話かけて、列に並ばせてくれたりもしたし、騎士達も人族の農奴だけでなく、警戒心の比較的薄い子供などに積極的にご飯を配ってくれる。
老若男女、種族も関係なく、笑顔でご飯を食べている。
全部上手くいくなんて思ってはいない。でもこれが私の見たかった光景なのかもしれない。
結婚式やイベント事が一通り終わると、モモは実家に預けているサイラ君を迎えにいくと行ってしまった。
久しぶりに一緒に帰らないかと誘われた。私もイールに会いたかったし、帰りたいとも思ったけど、これから忙しくなるので、断ることになってしまった。
ソード家はルークが新しい当主になってこれからが忙しくなるだろうけど、私自身もこれから開拓して村、町を作る準備進めないと行けない。
ルークと開拓する土地を話し合い、人員についてもどのくらいの規模て作るのか相談を進める。
仕事に溢れている人や農奴の人達を中心に500人ほど集めてもらう、一気に連れては移動できないので中継地点にある街の外にキャンプを作ってもらい、順次集めて騎士団を率いて土地の開拓に向かう。
「それで、騎士団からどのくらい志望者がいたの?」
せめて直属の部下である50人は志願してくれてると嬉しいな。
「困ったことに、希望者が多すぎて選抜している。希望者を全員出しては騎士団として機能しなくなってしまうからね。これだけの人が集まったのは姉さんの行動は皆んなが見て、認めているってこどだよ」
少し気恥ずかしいけど、人員について集まったのであればよかった。
それでも篩にかけることになると思う。私が求めるのは沢山の種族の人達が暮らしていけるような町だ、農奴だけでなく、獣人など人族以外を嫌う人もいるかもしれない。
結局のところ、100名ほどの騎士を連れていけることになった。
選抜については、パーティーメンバーも手伝ってくれて、レオンは哨戒任務が得意な者を、エリンには魔法が得意な者をまとめてもらった。
パスルは陰で怪しげな連中を取りまとめていた。たぶんだけど、モモが好きな連中だとは思う。
リリアさんやルルイゼ、家族とは簡単に別れを済ました。
「ルルイゼも子供が生まれたら教えてよね。リリアさんもルークのことお願いね」
「エリゼお姉様もお気をつけて、子供が生まれたら手紙を出します」
「ルークのこと、しっかりと支えます」
頼りなる妹達がいる、ルークも心配はないだろう。
「れじゃあ、行ってくるね」
騎士団を率いて、現状では1番辺境にある街へ向かう。
開拓が成功すれば、新しい町が1番の辺境の町になる。
まだ全員が集まってはいないが住民となる人達は既に集まり始めているらしく、数日中には全員が集まる見通しとのことだ。
いきなり600人ほどの人員を街の規模で受け入れることも難しいので、今は郊外でキャンプを設営してもらっている。
「まずは炊き出しをしないとね。部隊長を集めて」
「はい! お姉様!」
パスルが作った、10名の白百合隊という女性だけの部隊の子が基本的には私の副官の役割を果たしてくれている。
隊の連中はお姉様、妹ということらしく、姉妹のような結束意識を持つようにとのコンセプトらしい。
個人的にもむさ苦しい男が横にいるよりは可愛い子がいてくれた方が嬉しいからいいけど。
「レオンの部隊は大型の食い出が多い魔獣を探して、できるだけ討伐が難しい奴ね。エリンは魔導隊と土木の得意なの引っ張って環境を整えて、不衛生な状態だし、テントも足りてない。パスルは白百合の子達を連れて怪我人を見て回って」
1人の騎士が質問をしてくる。
「テントが足りてないとは、農奴達の分も我々が用意するんですか?」
「そうよ。これから一緒に開拓をする仲間だもの。まずは話を聞いてもらいたいとこだけど、お腹が減ってたら貴方も話なんて入ってこないでしょ。不満はある?」
「不満はありません! ただエリゼ様の下で働けることを光栄に思います」
騎士団の連中からは不満が出るかと思ったけど、誰一人として不満を口にするものはなく、テキパキと動いてくれた。
人選についてはルークやルルイゼ当たりが絞り込んでくれたのだろうか。
「残った連中は、森の中で食べれそうな野草やキノコを探しに行くわよ。街の人たちが困らないようにできるだけ奥の危険なとこにね。ついでに魔物がいれば駆除をするから」
「エリゼ様もいらっしゃるんですか?」
「当然」
私が行くことについても、この人ならそうか。くらいの印象とはなってるみたいで、誰にも止められることはなかった。
少し遅くはなってしまったが、夕暮れ前には炊き出し用のご飯をとりあえず用意することができた。
炊き出し前にエリンの部隊が用意してくれた大浴場に男女分かれて入る。魔法が得意な連中を集めたので、作ることは難しくない。
普通であればこんな贅沢な魔法の使い方はしないが、使えるものは使う。それが我が隊の方針だ。
キャンプにもお風呂やトイレを別に設置して、環境は整えてもらっている。
事前に中古ではあるけど比較的に綺麗な服も用意していたので、お風呂に入ってもらい、服も配ったし、寝床も新しく用意した。そして最後にはお腹である。
兵士がいるとこに集まるのは怖がっている民もいたけど、良い匂いは抗えないのと、事前に配給がある話をしていたので集まりは上々だ。
飲めるものには一杯だけはあるが酒も振るわれる。
「皆んな、今回は開拓をするためによく集まってくれた。ささやかではあるが、食事も用意した。細かいことはまた後で話す。まずは腹一杯食べてくれ!」
私の号令で、食事が開始になるが、民と言っても農奴であるので、騎士が食べ終わってからの残飯をもらえるのか待ってる者しかいない。
「ほら、しっかりと食べなさい」
まだ少女、少年、10歳前後の獣人の子に私から食事を手渡す。
食べてもいいのか迷いながらも受け取ってくれた。
それを見て食べてもいいのかと、どんどんと列が長くなっていく。
「沢山ある! 焦らずにな!」
警戒している獣人の大人ななどにはレオンが積極的に話かけて、列に並ばせてくれたりもしたし、騎士達も人族の農奴だけでなく、警戒心の比較的薄い子供などに積極的にご飯を配ってくれる。
老若男女、種族も関係なく、笑顔でご飯を食べている。
全部上手くいくなんて思ってはいない。でもこれが私の見たかった光景なのかもしれない。
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