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2章
小人
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ナスがここまで美味いと感じることができるとは、流石は妖精印の野菜は違う。
最近、少し不安なのがこの味に慣れてしまっては他が物足りなく感じてしまわないかどうか、考えることがある。うん、美味い。
「エリゼちゃん、どう?」
「美味い!」
ナスが苦手とか言ってたのに、嬉しそうに白米と麻婆茄子を交互に頬張っている。
わんぱくで何よりだ。
「お父さんの味付け、好き」
モモもニコニコで食べてくれる。ナスを強調するわけではなく、俺の味付けのことを褒めてくれる辺りモモの配慮は感じる。優しい子です。
「ちょっと、白いのが誰か連れてきたわよ」
「ちゃんと大福と呼びなさいな、誰か連れてきたって来客か?」
誰だろうか? まさかソーズさんが巨乳を連れてやってきたのか?
「男だったわよ」
そ、そっか。別に期待なんてしてなかったし!
「ご飯の途中だし、皆んなは食べててくれ。俺が様子を見てくるから」
「私も行く」
「モゴモゴ!」
「エリゼちゃんは食べてから話しなさい。わかった皆んなで様子を見に行こうか」
「にゃーん」
姉さんは来ないんですね。相変わらずマイペースだ。
玄関の灯りをつけて、大福が来るのをしばし待つ。1分もしないうちに足音と人影が見えてくる。
思ったよりも小さい人だな。中学生くらいの男の子? 薄い灰色の髪のイケメンだ。
白っぽい神官服と言えばいいだろうか、僧侶って感じの服装だ。聖国、ソーズさん関連の人かな?
「わん!」
「大福様、お帰りなさい」
モモにわしゃわしゃされて、大福がお腹を見せて喜んでいる。そんな最中にイケメン少年が片膝をついて頭を下げる。
「初めまして、聖国は浄階の位を頂戴しております、ショーンと申します」
絵になるなー! 俺はなんて対応するのが正なんだろうか?
「えっと、そう畏まらないでください。俺は悠と言います。ソーズさんのお知り合いですか?」
「はい、神5の1角を務めている者です。噂はかねがね、モモ様ともお会いできて感動です」
モモに近づくと、改めて跪いて手を差し出す。手を出した方がよいのか迷いながらモモが差し出した手を取り軽く握る。なんだろう、嫌らしさを感じないからか、嫌悪感はない。
「そちらのお嬢さんは?」
「私はエリゼ! モモのお姉ちゃんよ!」
モモが何言ってるんだこいつみたいな顔をしていたが、面倒なのかツッコミを入れるまでには至らなかった。空気を読んだのかショーン君が優しく微笑み、モモと同じようにかしこまった対応をする。エリゼちゃんがどこか満足気だ。
ショーン君ってどっかで聞いたことあるんだよなー。あれ? ソーズさんが話してた幼馴染?
「巨乳ではない方のソーズの幼馴染ですよ」
優しいイケメンボイスで俺にだけ聞こえる程度の声で教えてくれた。気が利くなー。
たしかに、小人が云々みたいなこと言ってたな。巨乳の幼馴染の話で頭がいっぱいだった。
「お、覚えてましたよ! 貴方がそうですか。ソーズさんと同い年には見えませんね」
「小人族はエルフと同じで、寿命が長く、同じ姿でいる期間が長いんですよ」
「お父さん、立ち話してないで、家の中で話したら?」
「お、そうだね。ショーンさん、遠慮なく上がってください」
「お邪魔します」
ソーズさんも基本的な礼儀は常識的だったけど、筋肉が絡むとアホの子になってしまうし、その点で言えばショーンさんは常識人枠なのかもしれない。
「立派な家ですね」
「ソーズさんがいた時よりもアップグレードされてますからね」
ショーンさんを席に案内したタイミングでモモが麻婆茄子とご飯、お味噌汁をおぼんに乗せて持ってきてくれる。流石はモモ、気が利くね。
モモの後ろから意気揚々とエリゼちゃんもビールが注がれたジョッキを持ってきてくれる。泡が7割なのがエリゼちゃんクオリティーである。
「あ、ありがとうございます」
エリゼちゃんがふふん! と自慢気に渡したボールをショーンさんが苦笑いで受け取る。
飲めないわけではないしね。後で俺が黄金比のビールを振る舞ってあげよう。
麻婆茄子を口にしたショーンさんは、口を手で抑えると、なんですかこれ? みたいな驚きの表情で俺に訴えかけてくる。ふふん! 美味しいでしょ!
「お父さん、エリゼさんみたいなドヤ顔しないでください」
「私、あんな顔してないけど」
あんな顔ってやめてよね!
「美味しいです! 驚きです。ソーズに聞いてはいましたがここまでとは」
「ショーンさんはいいタイミングで我が家に来てますよ。これは妖精王が手を加えた野菜ですからね」
「私が育てた!」
仁王立ちで現れた妖精に驚いているようで、今回の経緯であったり、ソーズさんを含めて関係者に手紙を出していることを説明し、改めショーンさんにも協力の要請を行う。
「妖精にはそんな力があったんですね。自分も見たのは初めてだったのですが、我々人間は自分達で首を絞めていたんですね」
若葉に頭を下げて、ショーンさんが謝罪する。人間に対しての警戒心が和らいだのか、姉さんがいることで強気になっているのか、ショーンさんの下げられた頭の上で踏ん反り返る若葉をデコピンで飛ばしてやった。
夜ご飯を食べ終わった後に、パジャマを用意してお風呂を勧める。うちの風呂は中々快適なのでこちらも食事と一緒で喜び、驚いてくれると嬉しい。
最近、少し不安なのがこの味に慣れてしまっては他が物足りなく感じてしまわないかどうか、考えることがある。うん、美味い。
「エリゼちゃん、どう?」
「美味い!」
ナスが苦手とか言ってたのに、嬉しそうに白米と麻婆茄子を交互に頬張っている。
わんぱくで何よりだ。
「お父さんの味付け、好き」
モモもニコニコで食べてくれる。ナスを強調するわけではなく、俺の味付けのことを褒めてくれる辺りモモの配慮は感じる。優しい子です。
「ちょっと、白いのが誰か連れてきたわよ」
「ちゃんと大福と呼びなさいな、誰か連れてきたって来客か?」
誰だろうか? まさかソーズさんが巨乳を連れてやってきたのか?
「男だったわよ」
そ、そっか。別に期待なんてしてなかったし!
「ご飯の途中だし、皆んなは食べててくれ。俺が様子を見てくるから」
「私も行く」
「モゴモゴ!」
「エリゼちゃんは食べてから話しなさい。わかった皆んなで様子を見に行こうか」
「にゃーん」
姉さんは来ないんですね。相変わらずマイペースだ。
玄関の灯りをつけて、大福が来るのをしばし待つ。1分もしないうちに足音と人影が見えてくる。
思ったよりも小さい人だな。中学生くらいの男の子? 薄い灰色の髪のイケメンだ。
白っぽい神官服と言えばいいだろうか、僧侶って感じの服装だ。聖国、ソーズさん関連の人かな?
「わん!」
「大福様、お帰りなさい」
モモにわしゃわしゃされて、大福がお腹を見せて喜んでいる。そんな最中にイケメン少年が片膝をついて頭を下げる。
「初めまして、聖国は浄階の位を頂戴しております、ショーンと申します」
絵になるなー! 俺はなんて対応するのが正なんだろうか?
「えっと、そう畏まらないでください。俺は悠と言います。ソーズさんのお知り合いですか?」
「はい、神5の1角を務めている者です。噂はかねがね、モモ様ともお会いできて感動です」
モモに近づくと、改めて跪いて手を差し出す。手を出した方がよいのか迷いながらモモが差し出した手を取り軽く握る。なんだろう、嫌らしさを感じないからか、嫌悪感はない。
「そちらのお嬢さんは?」
「私はエリゼ! モモのお姉ちゃんよ!」
モモが何言ってるんだこいつみたいな顔をしていたが、面倒なのかツッコミを入れるまでには至らなかった。空気を読んだのかショーン君が優しく微笑み、モモと同じようにかしこまった対応をする。エリゼちゃんがどこか満足気だ。
ショーン君ってどっかで聞いたことあるんだよなー。あれ? ソーズさんが話してた幼馴染?
「巨乳ではない方のソーズの幼馴染ですよ」
優しいイケメンボイスで俺にだけ聞こえる程度の声で教えてくれた。気が利くなー。
たしかに、小人が云々みたいなこと言ってたな。巨乳の幼馴染の話で頭がいっぱいだった。
「お、覚えてましたよ! 貴方がそうですか。ソーズさんと同い年には見えませんね」
「小人族はエルフと同じで、寿命が長く、同じ姿でいる期間が長いんですよ」
「お父さん、立ち話してないで、家の中で話したら?」
「お、そうだね。ショーンさん、遠慮なく上がってください」
「お邪魔します」
ソーズさんも基本的な礼儀は常識的だったけど、筋肉が絡むとアホの子になってしまうし、その点で言えばショーンさんは常識人枠なのかもしれない。
「立派な家ですね」
「ソーズさんがいた時よりもアップグレードされてますからね」
ショーンさんを席に案内したタイミングでモモが麻婆茄子とご飯、お味噌汁をおぼんに乗せて持ってきてくれる。流石はモモ、気が利くね。
モモの後ろから意気揚々とエリゼちゃんもビールが注がれたジョッキを持ってきてくれる。泡が7割なのがエリゼちゃんクオリティーである。
「あ、ありがとうございます」
エリゼちゃんがふふん! と自慢気に渡したボールをショーンさんが苦笑いで受け取る。
飲めないわけではないしね。後で俺が黄金比のビールを振る舞ってあげよう。
麻婆茄子を口にしたショーンさんは、口を手で抑えると、なんですかこれ? みたいな驚きの表情で俺に訴えかけてくる。ふふん! 美味しいでしょ!
「お父さん、エリゼさんみたいなドヤ顔しないでください」
「私、あんな顔してないけど」
あんな顔ってやめてよね!
「美味しいです! 驚きです。ソーズに聞いてはいましたがここまでとは」
「ショーンさんはいいタイミングで我が家に来てますよ。これは妖精王が手を加えた野菜ですからね」
「私が育てた!」
仁王立ちで現れた妖精に驚いているようで、今回の経緯であったり、ソーズさんを含めて関係者に手紙を出していることを説明し、改めショーンさんにも協力の要請を行う。
「妖精にはそんな力があったんですね。自分も見たのは初めてだったのですが、我々人間は自分達で首を絞めていたんですね」
若葉に頭を下げて、ショーンさんが謝罪する。人間に対しての警戒心が和らいだのか、姉さんがいることで強気になっているのか、ショーンさんの下げられた頭の上で踏ん反り返る若葉をデコピンで飛ばしてやった。
夜ご飯を食べ終わった後に、パジャマを用意してお風呂を勧める。うちの風呂は中々快適なのでこちらも食事と一緒で喜び、驚いてくれると嬉しい。
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