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2章
妖精王
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玄関前でキョトンとした顔で可愛らしい、子犬達が2人の美少女に抱かれている。
「モモもエリゼちゃんもお別れはその辺でいいでしょ」
元気でねぇええええって感情を爆発させているのはエリゼちゃんで、後少しだけってモフっているのはモモと対照的な表現ではあるけど、どちらも離れるのを惜しんでいるのは確かだ。
「帰り道もお気をつけて」
ガンジュさん、ルイさん夫婦と握手をして、大地と空の頭を軽く撫で回す。
少ないがお土産と大福の毛が詰まったお守りの小袋を渡して、一家が帰る姿を見送る。
「大地、空ぁ」
「行っちゃいましたね。エリゼさん、お仕事に戻りますよ!」
「せめてお姉ちゃんって呼んで! 今は大地と空の成分が足りてないの!」
「はいはい、行きますよエリゼお姉ちゃん」
「モモ、もっとちゃんと言ってよ!」
キャッキャと騒ぎながら動物達のお世話に行ってしまう。
なんだかなぁー。なんか、また仲良くなったか?
駆けて行く2人の背中を見て、また黄昏てしまう。いつかあの2人も……。
「にゃーん」
先のことを考えるよりも今のことを考えるように姉さんに怒られてしまった。
仕事、仕事。肉もストックも少なくなって来たから、解体しないといかんのだ。
解体した後には料理を作って売ってお金を増やさねば。なんだかんだでガンジュさん達がいたから遊ぶ方にシフトしていたから仕事モードに切り替えないと。
解体小屋に入って、ストックしていた魔物達を黙々と解体していく。
幸せムードから血生臭い展開となった。これが生きるってことだね。
ある程度解体を進めて、体をほぐしながら、外に出て深呼吸をする。新鮮な空気だなー。
ピーちゃんが外を飛び回っている。普段はモモと一緒にいることが多いのに珍しい。
「ぴー!」
「随分ご機嫌だなー」
解体小屋の屋根に止まると、ドヤ顔をした妖精さんがピーちゃんの上に乗っている。
自分で飛べるんだから、ピーちゃんに乗る必要性ないだろうに。ピーちゃんも嫌そうにしていないからいいけどさ。
ピーちゃんから降りると、パタパタと近寄ってきて、両手を腰に当てて参上! とでも言わんばかりのポーズをとる。はいはい、それでどのようなご用件ですかね?
親指で自分を刺してまたドヤ顔をする。いや、なんだよ。
「にゃーん」
「名前? まさかー」
姉さんの前でヘコヘコしながら流石は姐さんです! と三下ムーブをする妖精さん。
そうなのか、名前を決めてほしいのか。
さしずめ、名前を決めさせてやるからありがたく思えよというドヤ顔だったのかもしれない。
「髪も緑だし、若葉なんてどうだ?」
小さくて葉っぱみたいだし。黙っていれば綺麗だしね。
気に入ったのか、うんうんと頷いてくれる。名前が決まってよかったよ、後でモモ達にも共有しないとな。
今度はついて来い! カモン! と言わんばかりに腕を振ってまたピーちゃんに跨る。だから自分で飛びなさいよ。
家の裏に向かうようで、守りの木の前でまた腕組み、仁王立ちをしていた。ロボットアニメであったよな、なんとか立ちって、正にそれ。
「それでどうしたんだい?」
ん? なんかウィンドウに反応があった。
どうやら守りの木に守護者として設定を割り振れるみたいで、若葉だけ選択が可能になっている。これを設定することでどんな効果があるのだろうか?
「姉さん、大丈夫だと思いますか?」
一緒に来てくれていた姉さんに相談すると、あくびを1つして、大丈夫じゃないという興味なさそうな回答が返ってきた。
「行っておくが、暴れたり危害を加えるようなことがあれば出ていってもらうからな」
妖精さんは心外だ! と抗議してくる。
元が傍若無人な子だから心配だな。なんか急にパワーアップしたりしないよな?
恐る恐る、妖精さんを守りの木に設定する。
--ん? 変化なくない?
「キタキター! あたし、見参!」
「喋れるようになったのか!」
「あたしこそが、新妖精王若葉よ!」
妖精王? 色々なことが渋滞して理解が追いつかない。
「守りの木に設定したことで、妖精の王様になったのか?」
「そうよ! ひれ伏しなさい!」
「にゃーん」
「さーせん! 姐さん冗談じゃないですかぁ! 今日も黒い毛並みが美しい!」
行動だけでなく、言葉がついてくるとより、三下感が増すなぁ。
「それで、若葉は妖精王になったことでどんなことができるんだ?」
「眷属を増やせるわ!」
「なるほど。前に聞いた話では畑とかのお世話を過去にしていたとかも聞いたんだけど、手伝ってくれて、仲間も増やせるってことか?」
「まぁね! 人間なんて大っ嫌いだけど、姐さんに免じてここの範囲だったら手伝ってあげるわ!」
大っ嫌いの顔に憎しみがこもっている。
この子も沢山の苦労や嫌な思いをして来たんだろうか。まずは頭を下げるべきか。
「急に何よ!」
「人間が君らに酷い事をしたなら謝るよ。でも皆んなが皆んな同じ考えを持っているという訳ではないんだ。それはわかってほしい」
「まぁ、わかってるわよ」
彼女の大好きな花を育てたのはエリゼちゃんだし、ガンジュさん達も敬意を持った対応をしていた。若葉なりに理解をしている部分はあるんだろう。
「もし畑の管理とか手伝ってくれるなら、良好な関係でいたいと思ってる。改めてよろしくお願いしていいかな?」
「仕方ないわね!」
握手のつもりなのか伸ばした手の上にひらりと降り立つ。軽いし、見た目だけは可愛らしい。
妖精さん達の効果で畑にどんな効果があるのか楽しみではある。
「それで眷属ってどのくらいの頻度で増えるんだ?」
「10年に1人くらいの頻度かしら」
長命な種族ってのは時間感覚も違うなぁー。
「モモもエリゼちゃんもお別れはその辺でいいでしょ」
元気でねぇええええって感情を爆発させているのはエリゼちゃんで、後少しだけってモフっているのはモモと対照的な表現ではあるけど、どちらも離れるのを惜しんでいるのは確かだ。
「帰り道もお気をつけて」
ガンジュさん、ルイさん夫婦と握手をして、大地と空の頭を軽く撫で回す。
少ないがお土産と大福の毛が詰まったお守りの小袋を渡して、一家が帰る姿を見送る。
「大地、空ぁ」
「行っちゃいましたね。エリゼさん、お仕事に戻りますよ!」
「せめてお姉ちゃんって呼んで! 今は大地と空の成分が足りてないの!」
「はいはい、行きますよエリゼお姉ちゃん」
「モモ、もっとちゃんと言ってよ!」
キャッキャと騒ぎながら動物達のお世話に行ってしまう。
なんだかなぁー。なんか、また仲良くなったか?
駆けて行く2人の背中を見て、また黄昏てしまう。いつかあの2人も……。
「にゃーん」
先のことを考えるよりも今のことを考えるように姉さんに怒られてしまった。
仕事、仕事。肉もストックも少なくなって来たから、解体しないといかんのだ。
解体した後には料理を作って売ってお金を増やさねば。なんだかんだでガンジュさん達がいたから遊ぶ方にシフトしていたから仕事モードに切り替えないと。
解体小屋に入って、ストックしていた魔物達を黙々と解体していく。
幸せムードから血生臭い展開となった。これが生きるってことだね。
ある程度解体を進めて、体をほぐしながら、外に出て深呼吸をする。新鮮な空気だなー。
ピーちゃんが外を飛び回っている。普段はモモと一緒にいることが多いのに珍しい。
「ぴー!」
「随分ご機嫌だなー」
解体小屋の屋根に止まると、ドヤ顔をした妖精さんがピーちゃんの上に乗っている。
自分で飛べるんだから、ピーちゃんに乗る必要性ないだろうに。ピーちゃんも嫌そうにしていないからいいけどさ。
ピーちゃんから降りると、パタパタと近寄ってきて、両手を腰に当てて参上! とでも言わんばかりのポーズをとる。はいはい、それでどのようなご用件ですかね?
親指で自分を刺してまたドヤ顔をする。いや、なんだよ。
「にゃーん」
「名前? まさかー」
姉さんの前でヘコヘコしながら流石は姐さんです! と三下ムーブをする妖精さん。
そうなのか、名前を決めてほしいのか。
さしずめ、名前を決めさせてやるからありがたく思えよというドヤ顔だったのかもしれない。
「髪も緑だし、若葉なんてどうだ?」
小さくて葉っぱみたいだし。黙っていれば綺麗だしね。
気に入ったのか、うんうんと頷いてくれる。名前が決まってよかったよ、後でモモ達にも共有しないとな。
今度はついて来い! カモン! と言わんばかりに腕を振ってまたピーちゃんに跨る。だから自分で飛びなさいよ。
家の裏に向かうようで、守りの木の前でまた腕組み、仁王立ちをしていた。ロボットアニメであったよな、なんとか立ちって、正にそれ。
「それでどうしたんだい?」
ん? なんかウィンドウに反応があった。
どうやら守りの木に守護者として設定を割り振れるみたいで、若葉だけ選択が可能になっている。これを設定することでどんな効果があるのだろうか?
「姉さん、大丈夫だと思いますか?」
一緒に来てくれていた姉さんに相談すると、あくびを1つして、大丈夫じゃないという興味なさそうな回答が返ってきた。
「行っておくが、暴れたり危害を加えるようなことがあれば出ていってもらうからな」
妖精さんは心外だ! と抗議してくる。
元が傍若無人な子だから心配だな。なんか急にパワーアップしたりしないよな?
恐る恐る、妖精さんを守りの木に設定する。
--ん? 変化なくない?
「キタキター! あたし、見参!」
「喋れるようになったのか!」
「あたしこそが、新妖精王若葉よ!」
妖精王? 色々なことが渋滞して理解が追いつかない。
「守りの木に設定したことで、妖精の王様になったのか?」
「そうよ! ひれ伏しなさい!」
「にゃーん」
「さーせん! 姐さん冗談じゃないですかぁ! 今日も黒い毛並みが美しい!」
行動だけでなく、言葉がついてくるとより、三下感が増すなぁ。
「それで、若葉は妖精王になったことでどんなことができるんだ?」
「眷属を増やせるわ!」
「なるほど。前に聞いた話では畑とかのお世話を過去にしていたとかも聞いたんだけど、手伝ってくれて、仲間も増やせるってことか?」
「まぁね! 人間なんて大っ嫌いだけど、姐さんに免じてここの範囲だったら手伝ってあげるわ!」
大っ嫌いの顔に憎しみがこもっている。
この子も沢山の苦労や嫌な思いをして来たんだろうか。まずは頭を下げるべきか。
「急に何よ!」
「人間が君らに酷い事をしたなら謝るよ。でも皆んなが皆んな同じ考えを持っているという訳ではないんだ。それはわかってほしい」
「まぁ、わかってるわよ」
彼女の大好きな花を育てたのはエリゼちゃんだし、ガンジュさん達も敬意を持った対応をしていた。若葉なりに理解をしている部分はあるんだろう。
「もし畑の管理とか手伝ってくれるなら、良好な関係でいたいと思ってる。改めてよろしくお願いしていいかな?」
「仕方ないわね!」
握手のつもりなのか伸ばした手の上にひらりと降り立つ。軽いし、見た目だけは可愛らしい。
妖精さん達の効果で畑にどんな効果があるのか楽しみではある。
「それで眷属ってどのくらいの頻度で増えるんだ?」
「10年に1人くらいの頻度かしら」
長命な種族ってのは時間感覚も違うなぁー。
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