52 / 180
クリスマス②
しおりを挟む
俺にクリスマスプレゼントを用意してくれるなんて、一生の家宝にしよう。
神様におねだりして、一生劣化しない額縁とか準備してもらえないかな。
「お父さん、これは髪飾りですか? 綺麗です」
「モモには負けるけどね。これは桃の花なんだよ」
「桃? 私の名前の由来になった花なんですか?」
「桃って果実だね。名前とか決めたのは姉さんだけどさ。姉さん、なんでモモにしたんですか?」
「にゃーん」
同じバラ科の仲間だからってそうなんだ、モモと杏ってバラ科なんだ。それに由来が強い子になってほしいから?
「強い子ってどういうことですか?」
「にゃーん」
花言葉なんて俺が知ってるわけないじゃないですか。
「お姉ちゃんの名前と私の名前は、仲間? 縁がある名前ってことなんですね」
「にゃーん」
モモが髪どめを含めて、このイベントを喜んでくれているからいいか。
おい、ソーズくんや、モモが可愛いのはわかるが何をそんなに凝視しているのかね? うちの子はやらんぞ。
「これは凝視するようなことをして、失礼しました。あの髪飾り、なんだか神聖な気配を纏っている気がして、普通の髪飾りなんですよね?」
「うん、普通に購入しただけだし」
「そうですよね。自分の気のせいでしょう」
今日は畑仕事関連もお休みの予定だが、動物連中のお世話を休むわけにはいかないので、ご飯などの用意をしようと、髪どめをもらってご機嫌のモモと牛のお世話にして鶏小屋に行くと、久しぶりの火の鶏くんが小屋の前でコケコケと隙間から1羽の鶏と何か話している。
「久しぶりだなーどうした?」
「コケー!」
興奮しているな、モモがふんふんと火の鶏の話を聞いている。
「娘さんを僕にくださいと言っています」
「ダメ!」
この鶏、なにを言い出すんだ。幻獣だがなんだか知らんがモモはやらんぞ!
「コケ」
頭を地面に擦り付けて、羽をバタバタさせて懇願してくるがダメなものはダメだぞ!
モモが1羽の鶏を抱えて小屋から出てくると、火の鶏と仲良そうに体を擦り付けている。娘ってまさか、その子のことか?
「お父さん、仲良そうですがダメですか?」
「いや、ごめん。うん、いいんじゃないかな」
勘違いしちゃってごめんね。モモのことじゃないのか、そうだよね。
なんか罪悪感が……卵が1つ減っちゃうのは悲しいけど、いいんじゃないかな。
「コケー!」
「とても感謝していると言ってます」
翼をはためかせて、とても喜んでくれているのがわかる。
「うん、なんとなくはわかる」
なんか鶏見てたら鶏肉食いたくなってきたな。
「コケ!」
別にお前の嫁を食べようなんて思ってないよ。クリスマスにプロポーズして成功するなんて羨ましい限りだね。
「それにしてもいつの間に愛を育んでたんだよ」
「コケ」
「一目惚れだそうです」
出会って直ぐにとかマジかよ。俺もそのくらいモテてみたいんだけど。
ムカつくから今日は七面鳥に挑戦してみよう。
「コケ」
「お父さん、家をくださいと言ってます」
「鶏小屋に一緒に住んでいいけど?」
「コケー!」
絶対に別に新居を作れと言っているだろ。図々しいやつだ。
「新居が欲しいそうです。お父さん、家族になったお祝いにとクリスマスですし、どうでしょうか?」
「そうだなー。お前、モモに感謝しろよ」
「コケー!」
「よかったですね」
祝い事だし、木にも余裕はあるからいいか。金がゴリゴリ減っていくけど。
こいつらの子供はどんな子が生まれるのか少し気になるな。父親に似てブサイクに生まれてこないといいね。
頑張れよと、嫁さんの頭を撫でて、新居を建ててやる。
「それじゃあ、家に戻るか」
「はい!
アクシデント? はあったものの、動物達のお世話も終わったので、家に戻る。
モモがフェニックスさんの子供楽しみですね、みたいな話をした。モモは赤ちゃんがどこからやってくるのか知ってるのかな。その辺のデリケートな話は前に聞いたことがあるのか自然の摂理としてさくらさんなどから説明があったのかな?
まぁ深く聞くこともできないけど。
自宅に戻って、ショッピングサイトで七面鳥を買おうかと思ったが、高くて手が出なかったので、もも肉を購入してクリスマスチキンを調理する。
オーブントースターしかないので、ちゃんとしたオーブンが欲しくなってくる。来年こそお金を貯めて家の増築をするぞ。
夜にはチキンと野菜をゴロゴロと入れたクリームシチューとパンを並べてクリスマスっぽい食事を堪能する。
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さま。シチューはどうだった?」
「美味しかったです!」
今回はお手軽にルーを購入させてもらったがルーなしでの調理もチャレンジしてみようかな。
さてさて、クリスマスの締めといえばこれだろうな。
「お父さん、この白くて綺麗な食べ物? はなんですか?」
「ケーキだよ」
今回はオードソックスにショートケーキを購入した。切り分けて、それぞれの皿に乗せていく、モモの顔が一番キラキラしている。
「にゃーん」
姉さんかモモが最初に食べてごらんと促されて、フォークでゆっくりとショートケーキを掬い上げる。
1口、また1口と無言で口に運ぶ。そして空になった皿を無言で眺める。
「お父さん、私の分のケーキがありません」
「え? 今食べたよね」
「食べてません」
モモがおかしくなってしまった? このケーキには毒でも入ってたかな。試しに1口食べてみるが普通に美味しい。
「これは美味しいですね。聖国にあるケーキとは比べ物になりません」
「へー、ビクドにもケーキってあるんですね」
「とても貴重で高価なので、そうそう食べられませんがね」
「お父さん、私の分のケーキがありません」
モモ、どうしちゃったの? わかったよ、もう1つ乗せればいいんだよね。
皿に乗せられたケーキを見て、満面の笑みを浮かべて、早々にケーキを完食してしまう。
「お父さん、私の分のケーキがありません」
甘い物って怖いな。いや、甘い物に関連するモモが怖い。
神様におねだりして、一生劣化しない額縁とか準備してもらえないかな。
「お父さん、これは髪飾りですか? 綺麗です」
「モモには負けるけどね。これは桃の花なんだよ」
「桃? 私の名前の由来になった花なんですか?」
「桃って果実だね。名前とか決めたのは姉さんだけどさ。姉さん、なんでモモにしたんですか?」
「にゃーん」
同じバラ科の仲間だからってそうなんだ、モモと杏ってバラ科なんだ。それに由来が強い子になってほしいから?
「強い子ってどういうことですか?」
「にゃーん」
花言葉なんて俺が知ってるわけないじゃないですか。
「お姉ちゃんの名前と私の名前は、仲間? 縁がある名前ってことなんですね」
「にゃーん」
モモが髪どめを含めて、このイベントを喜んでくれているからいいか。
おい、ソーズくんや、モモが可愛いのはわかるが何をそんなに凝視しているのかね? うちの子はやらんぞ。
「これは凝視するようなことをして、失礼しました。あの髪飾り、なんだか神聖な気配を纏っている気がして、普通の髪飾りなんですよね?」
「うん、普通に購入しただけだし」
「そうですよね。自分の気のせいでしょう」
今日は畑仕事関連もお休みの予定だが、動物連中のお世話を休むわけにはいかないので、ご飯などの用意をしようと、髪どめをもらってご機嫌のモモと牛のお世話にして鶏小屋に行くと、久しぶりの火の鶏くんが小屋の前でコケコケと隙間から1羽の鶏と何か話している。
「久しぶりだなーどうした?」
「コケー!」
興奮しているな、モモがふんふんと火の鶏の話を聞いている。
「娘さんを僕にくださいと言っています」
「ダメ!」
この鶏、なにを言い出すんだ。幻獣だがなんだか知らんがモモはやらんぞ!
「コケ」
頭を地面に擦り付けて、羽をバタバタさせて懇願してくるがダメなものはダメだぞ!
モモが1羽の鶏を抱えて小屋から出てくると、火の鶏と仲良そうに体を擦り付けている。娘ってまさか、その子のことか?
「お父さん、仲良そうですがダメですか?」
「いや、ごめん。うん、いいんじゃないかな」
勘違いしちゃってごめんね。モモのことじゃないのか、そうだよね。
なんか罪悪感が……卵が1つ減っちゃうのは悲しいけど、いいんじゃないかな。
「コケー!」
「とても感謝していると言ってます」
翼をはためかせて、とても喜んでくれているのがわかる。
「うん、なんとなくはわかる」
なんか鶏見てたら鶏肉食いたくなってきたな。
「コケ!」
別にお前の嫁を食べようなんて思ってないよ。クリスマスにプロポーズして成功するなんて羨ましい限りだね。
「それにしてもいつの間に愛を育んでたんだよ」
「コケ」
「一目惚れだそうです」
出会って直ぐにとかマジかよ。俺もそのくらいモテてみたいんだけど。
ムカつくから今日は七面鳥に挑戦してみよう。
「コケ」
「お父さん、家をくださいと言ってます」
「鶏小屋に一緒に住んでいいけど?」
「コケー!」
絶対に別に新居を作れと言っているだろ。図々しいやつだ。
「新居が欲しいそうです。お父さん、家族になったお祝いにとクリスマスですし、どうでしょうか?」
「そうだなー。お前、モモに感謝しろよ」
「コケー!」
「よかったですね」
祝い事だし、木にも余裕はあるからいいか。金がゴリゴリ減っていくけど。
こいつらの子供はどんな子が生まれるのか少し気になるな。父親に似てブサイクに生まれてこないといいね。
頑張れよと、嫁さんの頭を撫でて、新居を建ててやる。
「それじゃあ、家に戻るか」
「はい!
アクシデント? はあったものの、動物達のお世話も終わったので、家に戻る。
モモがフェニックスさんの子供楽しみですね、みたいな話をした。モモは赤ちゃんがどこからやってくるのか知ってるのかな。その辺のデリケートな話は前に聞いたことがあるのか自然の摂理としてさくらさんなどから説明があったのかな?
まぁ深く聞くこともできないけど。
自宅に戻って、ショッピングサイトで七面鳥を買おうかと思ったが、高くて手が出なかったので、もも肉を購入してクリスマスチキンを調理する。
オーブントースターしかないので、ちゃんとしたオーブンが欲しくなってくる。来年こそお金を貯めて家の増築をするぞ。
夜にはチキンと野菜をゴロゴロと入れたクリームシチューとパンを並べてクリスマスっぽい食事を堪能する。
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さま。シチューはどうだった?」
「美味しかったです!」
今回はお手軽にルーを購入させてもらったがルーなしでの調理もチャレンジしてみようかな。
さてさて、クリスマスの締めといえばこれだろうな。
「お父さん、この白くて綺麗な食べ物? はなんですか?」
「ケーキだよ」
今回はオードソックスにショートケーキを購入した。切り分けて、それぞれの皿に乗せていく、モモの顔が一番キラキラしている。
「にゃーん」
姉さんかモモが最初に食べてごらんと促されて、フォークでゆっくりとショートケーキを掬い上げる。
1口、また1口と無言で口に運ぶ。そして空になった皿を無言で眺める。
「お父さん、私の分のケーキがありません」
「え? 今食べたよね」
「食べてません」
モモがおかしくなってしまった? このケーキには毒でも入ってたかな。試しに1口食べてみるが普通に美味しい。
「これは美味しいですね。聖国にあるケーキとは比べ物になりません」
「へー、ビクドにもケーキってあるんですね」
「とても貴重で高価なので、そうそう食べられませんがね」
「お父さん、私の分のケーキがありません」
モモ、どうしちゃったの? わかったよ、もう1つ乗せればいいんだよね。
皿に乗せられたケーキを見て、満面の笑みを浮かべて、早々にケーキを完食してしまう。
「お父さん、私の分のケーキがありません」
甘い物って怖いな。いや、甘い物に関連するモモが怖い。
35
お気に入りに追加
1,179
あなたにおすすめの小説
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。
あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」
長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。
だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。
困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。
長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。
それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。
その活躍は、まさに万能!
死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。
一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。
大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。
その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。
かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。
目次
連載中 全21話
2021年2月17日 23:39 更新

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる