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お久しぶり
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完成した、牛小屋はまぁまぁ機能が簡略化されており悪くなかった。
小屋と牛が散歩するスペースと柵が作成されており、鶏や羊などの家畜関連の小屋を増やす際には更にスペースも増えるようだ。
牧草は置いておくだけで勝手に食ってはくれないので、解して餌箱に入れる必要があるものの、育った牧草は一定量貯まると勝手にロールになってくれるのも助かる機能である。
そしてアンロックされたアイテムについてでが、【搾乳器】【チーズ作成器】【ヨーグルト作成器】の3つが解放されていた。
牛乳をそのまま売るよりも、加工した方が単価が上がるので、後半のビルドとして牛を大量に飼育して、チーズ無双ってのもゲームではあった。これが結構楽でよかったんだよなぁ。
搾乳器は値段も30万円と高いので現状はいらないと思う。その他の2つは5万円と手が届かないわけではない。
「とりあえずは牛乳の単価を見てから決めるか」
モモは牛用に買った、ブラシで懸命に和牛をブラッシンしている。あの子は動物関連の才能があるのか、和牛もブラッシンされてとても幸せそうだ。俺がブラッシングすると距離を取ろうとするんだけど。
ゲームと同じなら、かける手間によって牛乳の品質も良くなるはずだだから、こちらにも期待しておこう。
あとは牛乳も手に入ったし、これを使って今夜は何か作りたいな。
「モモ、少し早いけど晩ご飯にしようか」
「はい!」
購入するのはチーズのみ、あとは牛乳に燻製肉とニンニク、にんじんやピーマンを少々っと。
まずは野菜と燻製肉をモモに炒めてもらい、火が通ったらモモと交代して、牛乳とチーズを入れて塩胡椒で味を整えて、粉末のコンソメを少々と醤油、味噌も少々入れ、チーズが溶けたらご飯を入れて馴染ませていく。
「白いお粥って牛乳だったんですね」
「そうだね、でもこれはお粥とはちょっと違うおしゃれなご飯なんだよ」
ご飯が馴染めばチーズリゾットの完成である。
テーブルに並べてさぁ、いただきましょうというタイミングで、火が落ちているはずなのに庭から鳥型の光が見える。
しばしして、ピンポーンと呼び鈴が鳴る。新築なって初めて使用されたな。
モモには先に食べるように言ったが、俺と一緒に玄関まで着いてきてくれた。
「はーい」
扉を開ければ火の鶏を頭に乗せた、お綺麗なエルフがたたずんでいる。
「久しいと言っていい期間ではないが、来たよ」
「俺にとってはお久しぶりですよ。丁度飯時なのでどうぞ。鶏もご苦労さん」
「こけー」
まずは風呂にと思ったけど、飯が冷めてしまうので、手だけ洗ってもらい食卓に着く。
聞きたいことは色々あるけどまずは飯だ。
鶏には悪いが、とうもろこしの調理をしている時間はないので、鳥用のご飯だけ出させてもらった。
「それでは改めて」
「にゃーん」
姉さんの号令で食事が開始される。
リゾットを口に入れる前にモモとさくらさんの反応をじっくりと観察する。モモは1口食べると、2口目とどんどんかき込んでいくが、さくらさんは対照的にじっくりと味わって幸せを噛み締めている感じだ。どちらも美味しそうに食べてくれてて何よりである。
どれどれ、俺も--うん、チーズが効いてるし、燻製肉の味が染みてていいな。野菜は入れる必要ないかと思ったけど、この食感は悪くない。
「やはりここの飯は美味いな」
「そう言ってもらえると作った甲斐がありました」
「あれが、異世界の牛か。夫に聞いたことがあったが本当に温厚そうな家畜だな」
「こっちの世界でも似た生物はいるんですか?」
「牛とつく魔物は存在するが、非常に凶暴であの牛の4倍はでかい」
異世界の基準は基本的にぶっ壊れだな。
ご飯を食べ終わると、姉さんに言われてさくらさんも、食器を台所までは運んでくれた。進歩、進歩。
ちゃぶ台を寄せて、さくらさんの分の布団を敷く。寝室は家族用ということで棲み分けをさせてもらう。あとはさくらさんを個室に案内したら引き籠りそうというのもある。
布団の用意をしている間に、モモにお風呂の使い方を説明してもらうついでに一緒に入ってもらっている。
モモはさくらさんがニート生活をしている時の影響で、ちょっとだけあの人に対しては冷たく、苦手意識が芽生えている。風呂に一緒に入るように言った時も少しだけ嫌そうにしていた。
「狭いが中々に良い風呂だった!」
「それはよかった」
狭いとか余計なこというからモモが悪口を言うなと機嫌が悪そうだ。わかりやすい子だなぁ、それをからかって遊ぶ、さくらさんもやめていただきたい。
風呂上がりの牛乳を煽って、モモは姉さんに言われて、早々に大福と寝るように退出させられた。
「それで、私に相談とはなんだい?」
小屋と牛が散歩するスペースと柵が作成されており、鶏や羊などの家畜関連の小屋を増やす際には更にスペースも増えるようだ。
牧草は置いておくだけで勝手に食ってはくれないので、解して餌箱に入れる必要があるものの、育った牧草は一定量貯まると勝手にロールになってくれるのも助かる機能である。
そしてアンロックされたアイテムについてでが、【搾乳器】【チーズ作成器】【ヨーグルト作成器】の3つが解放されていた。
牛乳をそのまま売るよりも、加工した方が単価が上がるので、後半のビルドとして牛を大量に飼育して、チーズ無双ってのもゲームではあった。これが結構楽でよかったんだよなぁ。
搾乳器は値段も30万円と高いので現状はいらないと思う。その他の2つは5万円と手が届かないわけではない。
「とりあえずは牛乳の単価を見てから決めるか」
モモは牛用に買った、ブラシで懸命に和牛をブラッシンしている。あの子は動物関連の才能があるのか、和牛もブラッシンされてとても幸せそうだ。俺がブラッシングすると距離を取ろうとするんだけど。
ゲームと同じなら、かける手間によって牛乳の品質も良くなるはずだだから、こちらにも期待しておこう。
あとは牛乳も手に入ったし、これを使って今夜は何か作りたいな。
「モモ、少し早いけど晩ご飯にしようか」
「はい!」
購入するのはチーズのみ、あとは牛乳に燻製肉とニンニク、にんじんやピーマンを少々っと。
まずは野菜と燻製肉をモモに炒めてもらい、火が通ったらモモと交代して、牛乳とチーズを入れて塩胡椒で味を整えて、粉末のコンソメを少々と醤油、味噌も少々入れ、チーズが溶けたらご飯を入れて馴染ませていく。
「白いお粥って牛乳だったんですね」
「そうだね、でもこれはお粥とはちょっと違うおしゃれなご飯なんだよ」
ご飯が馴染めばチーズリゾットの完成である。
テーブルに並べてさぁ、いただきましょうというタイミングで、火が落ちているはずなのに庭から鳥型の光が見える。
しばしして、ピンポーンと呼び鈴が鳴る。新築なって初めて使用されたな。
モモには先に食べるように言ったが、俺と一緒に玄関まで着いてきてくれた。
「はーい」
扉を開ければ火の鶏を頭に乗せた、お綺麗なエルフがたたずんでいる。
「久しいと言っていい期間ではないが、来たよ」
「俺にとってはお久しぶりですよ。丁度飯時なのでどうぞ。鶏もご苦労さん」
「こけー」
まずは風呂にと思ったけど、飯が冷めてしまうので、手だけ洗ってもらい食卓に着く。
聞きたいことは色々あるけどまずは飯だ。
鶏には悪いが、とうもろこしの調理をしている時間はないので、鳥用のご飯だけ出させてもらった。
「それでは改めて」
「にゃーん」
姉さんの号令で食事が開始される。
リゾットを口に入れる前にモモとさくらさんの反応をじっくりと観察する。モモは1口食べると、2口目とどんどんかき込んでいくが、さくらさんは対照的にじっくりと味わって幸せを噛み締めている感じだ。どちらも美味しそうに食べてくれてて何よりである。
どれどれ、俺も--うん、チーズが効いてるし、燻製肉の味が染みてていいな。野菜は入れる必要ないかと思ったけど、この食感は悪くない。
「やはりここの飯は美味いな」
「そう言ってもらえると作った甲斐がありました」
「あれが、異世界の牛か。夫に聞いたことがあったが本当に温厚そうな家畜だな」
「こっちの世界でも似た生物はいるんですか?」
「牛とつく魔物は存在するが、非常に凶暴であの牛の4倍はでかい」
異世界の基準は基本的にぶっ壊れだな。
ご飯を食べ終わると、姉さんに言われてさくらさんも、食器を台所までは運んでくれた。進歩、進歩。
ちゃぶ台を寄せて、さくらさんの分の布団を敷く。寝室は家族用ということで棲み分けをさせてもらう。あとはさくらさんを個室に案内したら引き籠りそうというのもある。
布団の用意をしている間に、モモにお風呂の使い方を説明してもらうついでに一緒に入ってもらっている。
モモはさくらさんがニート生活をしている時の影響で、ちょっとだけあの人に対しては冷たく、苦手意識が芽生えている。風呂に一緒に入るように言った時も少しだけ嫌そうにしていた。
「狭いが中々に良い風呂だった!」
「それはよかった」
狭いとか余計なこというからモモが悪口を言うなと機嫌が悪そうだ。わかりやすい子だなぁ、それをからかって遊ぶ、さくらさんもやめていただきたい。
風呂上がりの牛乳を煽って、モモは姉さんに言われて、早々に大福と寝るように退出させられた。
「それで、私に相談とはなんだい?」
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