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第一章
新人パーティー
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数日後、俺は久しぶりに仕事をしていた。
ユブメが紹介してくれたパーティーと一緒にダンジョンに来たのだ。
ダンジョンっていうのは、モンスターがいっぱい出てくる謎の空間である。
倒しても倒してもどこからともなくモンスターが出現するのが、俺は昔から不思議でたまらない。
俺は意味の分からないことが嫌いだ。
だから仕組みが理解できないダンジョンのことも好きじゃない。
まぁそんなことは置いておいて、ダンジョンというものはその危険度によってランク分けされている。
よく分からんが、色んなデータを元に偉い人たちがそれぞれのダンジョンのランクを決めているらしい。
ちゃんと覚えてないけど、確かSからEまであったと思う。
Sが一番危険で、Eが一番安全らしい。
俺はこの指標あんまり信用してないんだけど。
場合によってはAよりBの方が危険なこともあるからだ。
それに同じAでもSに近いAとBに近いAがあったりするから、鵜呑みにするわけにはいかない。
ちなみに今来ているこのダンジョンはCだ。
何回も来たことがあるが、ここはもうドンピシャでCだと思う。
ほんとびっくりするくらいど真ん中でCだ。
少なくともここのランクを決めた偉い人に関しては素晴らしいセンスを持っている。
「シラネさん? どうしました?」
このパーティーのリーダーが俺の顔を覗き込んできた。
「いや、なんでもないですよ」
俺は首を振った。
ボーっとしていた。
「そうですか。いや~それにしても助かりますよ。このパーティーに入る予定だった奴が他のとこにスカウトされて掻っ攫われちゃったもんだから誰か探してたんです」
「そうですか。俺は……聞いてるかもしれないですけど、お恥ずかしいことに前のとこクビになっちゃったもんで、どこかいい感じのとこ探してたんです」
「はい。ユブメちゃんに聞きました。大変でしたねぇ。僕たちはまだ駆け出しで、分からない事だらけなのでベテランのシラネさんに入っていただけてすごくありがたいです。ね、二人とも」
リーダーは人懐っこい笑顔を見せた。
この人はどうやらユブメと同じ時期に冒険者になったらしい。
ユブメが
「いい人ですよ」
と言って紹介してくれた。
しかし、このパーティーには他に二人のメンバーがいるが、そちらは明らかに俺のことを良く思っていない。
露骨に態度に出している。
今もリーダーに同意を求められたのに無視している。
人のいいリーダーは二人が俺を嫌っていることに気づいていないようだ。
「すみません。二人ともシャイなんですよ」
リーダーはそう耳打ちしてきた。
そして今度は不機嫌そうに数歩後ろをついてきている二人に聞かせるように、少し大きめの声で話し始めた。
「それにしても、さっきはシラネさんのおかげで助かったなぁ。まさかあんなところに罠があるなんて。シラネさんが教えてくれなかったら危ないところでしたよ」
リーダーはなんとか二人が俺と仲良くなれるように気を遣ってくれてるようだ。
しかし、そんなことは多分無駄だ。
リーダーは問題を軽く捉えている。
二人が俺に塩対応なのは、せっかく新人ばかりでパーティーを組んでこれから互いに切磋琢磨していこうとしている時に、そこそこ経験を積んでいる奴が急に入ってきたから水を差されたような気持になっている、とかそんな風に考えているらしい。
さっきそんな感じの説明してきた。
「彼女たちからすれば、子供だけで遊んでいるところに大人が参戦してきたような感覚なんでしょうね。だけど、彼女たちもそこまで幼稚じゃありません。一緒にクエストをこなしているうちにきっと打ち解けることができると思いますよ」
と、語っていた。
だが、実際はそんな理由ではないと思う。
二人はそんなふわっとした感じではなく、明確に俺のことを嫌っている。
今までの人生で幾度となく嫌悪の目を向けられてきた俺が言うのだから間違いない。
俺のことを嫌いな人間は別に珍しくもないが、初対面の時から嫌われているのは面倒だ。
評価を覆せたためしがない。
俺のせいでこいつらの関係が悪くなるのはあんまり楽しくない事態だ。
俺は今日、お試しということでこのパーティーに参加した。
今回のクエストを適当に乗り切った後、正式な加入はお断りさせてもらおう。
そんな風に考えていた矢先、俺たちの前にモンスターが立ちはだかった。
ユブメが紹介してくれたパーティーと一緒にダンジョンに来たのだ。
ダンジョンっていうのは、モンスターがいっぱい出てくる謎の空間である。
倒しても倒してもどこからともなくモンスターが出現するのが、俺は昔から不思議でたまらない。
俺は意味の分からないことが嫌いだ。
だから仕組みが理解できないダンジョンのことも好きじゃない。
まぁそんなことは置いておいて、ダンジョンというものはその危険度によってランク分けされている。
よく分からんが、色んなデータを元に偉い人たちがそれぞれのダンジョンのランクを決めているらしい。
ちゃんと覚えてないけど、確かSからEまであったと思う。
Sが一番危険で、Eが一番安全らしい。
俺はこの指標あんまり信用してないんだけど。
場合によってはAよりBの方が危険なこともあるからだ。
それに同じAでもSに近いAとBに近いAがあったりするから、鵜呑みにするわけにはいかない。
ちなみに今来ているこのダンジョンはCだ。
何回も来たことがあるが、ここはもうドンピシャでCだと思う。
ほんとびっくりするくらいど真ん中でCだ。
少なくともここのランクを決めた偉い人に関しては素晴らしいセンスを持っている。
「シラネさん? どうしました?」
このパーティーのリーダーが俺の顔を覗き込んできた。
「いや、なんでもないですよ」
俺は首を振った。
ボーっとしていた。
「そうですか。いや~それにしても助かりますよ。このパーティーに入る予定だった奴が他のとこにスカウトされて掻っ攫われちゃったもんだから誰か探してたんです」
「そうですか。俺は……聞いてるかもしれないですけど、お恥ずかしいことに前のとこクビになっちゃったもんで、どこかいい感じのとこ探してたんです」
「はい。ユブメちゃんに聞きました。大変でしたねぇ。僕たちはまだ駆け出しで、分からない事だらけなのでベテランのシラネさんに入っていただけてすごくありがたいです。ね、二人とも」
リーダーは人懐っこい笑顔を見せた。
この人はどうやらユブメと同じ時期に冒険者になったらしい。
ユブメが
「いい人ですよ」
と言って紹介してくれた。
しかし、このパーティーには他に二人のメンバーがいるが、そちらは明らかに俺のことを良く思っていない。
露骨に態度に出している。
今もリーダーに同意を求められたのに無視している。
人のいいリーダーは二人が俺を嫌っていることに気づいていないようだ。
「すみません。二人ともシャイなんですよ」
リーダーはそう耳打ちしてきた。
そして今度は不機嫌そうに数歩後ろをついてきている二人に聞かせるように、少し大きめの声で話し始めた。
「それにしても、さっきはシラネさんのおかげで助かったなぁ。まさかあんなところに罠があるなんて。シラネさんが教えてくれなかったら危ないところでしたよ」
リーダーはなんとか二人が俺と仲良くなれるように気を遣ってくれてるようだ。
しかし、そんなことは多分無駄だ。
リーダーは問題を軽く捉えている。
二人が俺に塩対応なのは、せっかく新人ばかりでパーティーを組んでこれから互いに切磋琢磨していこうとしている時に、そこそこ経験を積んでいる奴が急に入ってきたから水を差されたような気持になっている、とかそんな風に考えているらしい。
さっきそんな感じの説明してきた。
「彼女たちからすれば、子供だけで遊んでいるところに大人が参戦してきたような感覚なんでしょうね。だけど、彼女たちもそこまで幼稚じゃありません。一緒にクエストをこなしているうちにきっと打ち解けることができると思いますよ」
と、語っていた。
だが、実際はそんな理由ではないと思う。
二人はそんなふわっとした感じではなく、明確に俺のことを嫌っている。
今までの人生で幾度となく嫌悪の目を向けられてきた俺が言うのだから間違いない。
俺のことを嫌いな人間は別に珍しくもないが、初対面の時から嫌われているのは面倒だ。
評価を覆せたためしがない。
俺のせいでこいつらの関係が悪くなるのはあんまり楽しくない事態だ。
俺は今日、お試しということでこのパーティーに参加した。
今回のクエストを適当に乗り切った後、正式な加入はお断りさせてもらおう。
そんな風に考えていた矢先、俺たちの前にモンスターが立ちはだかった。
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