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第一章

しけてんな

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 さっき当てがないと言ったが、よく考えたら俺にも頼りにできる人がいるのだった。

マーヤさんだ。

あの人に相談すれば、きっとなんかいい感じのパーティーを紹介してくれるだろう。
多分。
おそらくだけど。
そうだったらいいなって。

ということで、俺は重い体を引きずるようにして行動を開始した。

まずはシャワーを浴びよう。
それから服を着替えて、朝食……そういえばもう昼か。
時計の針は13時を指している。

朝食兼昼食を食べて、歯磨きして出掛けよう。


 なんとか準備を済ませて外に出た。
頭が痛いし、体は少しふらふらするが気合を入れて歩いた。

道行く人と何度かぶつかったりしながら、やっとのことでギルドに到着したのだが、なんだか視線が鬱陶しかった。

俺のことを見てひそひそ話す連中ばかりで嫌な気分だ。

そいつらを無視して受付に向かおうとしたところで気づいた。

この時間、あの人は忙しくしてるから多分取り合ってくれない。

あーあ。
もっと早く気づいていれば良かった。
そしたらもうひと眠りできたのに。

まぁ来てしまったものは仕方がない。
適当に時間を潰そう。

俺はその辺の椅子に腰かけた。
年季が入ってる木製の椅子はギギっと不安になるような音を立てた。

マーヤさんが綺麗好きなため、この建物のどこでも掃除は行き届いていて清潔ではあるのだが、いい加減ガタがきてる。

まぁ結構雰囲気があって俺はこの空間が嫌いではないのだが、そろそろリフォームとかしてみてもいいかもしれない。
あとでマーヤさんに提案してみよう。

ギルド内をざっと見渡してから視線を元に戻した俺は、ポケットから取り出したものをテーブルに並べた。

ここに来る途中、通行人とぶつかった時にくすねた戦利品だ。

ハンカチ、小銭、やっすい薬草……ちっ、しけてんな。
どれもつまらないものばかりだ。

俺はそれらをもう一度ポケットに入れ直してから立ち上がった。

ちょっと休憩してから、売りに行こう。
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