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外伝 とある新人生産プレイヤーは…… 気付いたら、神の子供(双子)の専属メカニックになってました!?

とある新人生産プレイヤー【モナ】 彼女が生産極振りになった理由

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「ここは…… どこ? 私は死に戻ったんじゃないの?」

空から降ってきた影に潰されて、死に戻ったはずの初心者プレイヤーの少女は……

「すごい…… 立派な樹…… ここは、何処なんだろう?」

気付いた時には……〝世界樹〟の前に居た。

「ここは……〝神々の箱庭〟と呼ばれる場所よ。可愛いお嬢さん」

「えっ…… あの…… 妖精さん…… ですか?」

「初めまして、私は〝混沌神〟…… この庭の主ね。お嬢さんのお名前は?」

「あっ、初めまして、私は……【モナ】です。あの…… 混沌神様って事は…… 神様ですか?」

「ええ…… 一応、新世界の神に含まれるわね」

「あの…… 何で、私は此処に居るのですか?」

「私が喚んだから」

「えっ…… 神様が…… 私を喚んだのですか?」

「そう、モナちゃんに渡す物が有ってね…… これよ」

「え~っと…… ウエストポーチ?」

「今のモナちゃんは…… 気絶の状態異常で倒れた事になってるから、デスペナにならないからね」

「そうなんですか?」

「そうなの。この世界には複数の神が居て、それぞれに祝福や加護等を与えてるの。今回は、私がモナちゃんに加護を与える為に、モナちゃんの意識だけを喚んだ状態なのよ…… さて、時間も無いからねぇ。モナちゃんがこの新世界で1番やりたい事は、何かな?」

「私がやりたい事…… 私は…… あの時、私を〝守ってくれた〟スパイダーの様な機械を作る人になりたい!」

「スパイダーの様な機械を作る人? そう…… なら」

「あっ!?」

モナの瞼にそっと、混沌神が優しく口付けした。

「モナちゃんの生産系スキルの統合と…… 私から加護と1つEXスキルを与えました。さあ、時間も来た様ねぇ……〝あの子達〟と仲良くしてくれたら、嬉しいけど……」

「あの子達?」

「モナちゃん、またねぇ♪」

「あっ、はい! また……」

言葉の途中で消えたモナの意識を見送った後……

「まったく、他のプレイヤーに迷惑をかけて…… 後で叱らないとかな?」

「まあまあ、今回のは絡まれたのが原因だし…… 今頃、衛兵に事情聴取されてるでしょうから、大目に見てあげたら?」

考え込む混沌神に、新たに現れた女性が話し掛けた。

「うん…… そうね……」

「それよりも、モナちゃんの言葉が気になるのだけど……」

「スパイダーに〝守られた〟って、言っていた事ね?」

「ええ…… まさか……〝あの事件〟の被害者に会うなんてねぇ……」

「あの子も、新世界で夢を叶えて欲しいなぁ……」

【○○国製VRゲームプレイヤー狂暴化事件】

新世界の発売以降…… 業務提携した世界中のゲーム企業から、新世界に使用されたVRメットで遊ぶタイトルが数多く発売されて、世界中で大ヒットする事になったが……

とある国から、VRメットと同じ様な仕様の端末機が発売された事で……

世界中で、〝プレイヤー達が狂暴化する事件〟が多発する事になる。新世界に使用された正式VRメットよりも、低価格で発売された端末機には……

脳を守る為の〝安全装置〟が…… 組み込まれていなかったのだ。

同時に発売された戦争を題材にしたタイトルは……

プレイヤー達に〝本当の戦場〟に居る様な臨場感を与えて、大ヒットするが……

安全装置が無い端末機では、プレイヤー達の状態を把握できずに……

〝本当の戦場〟と同じ様にプレイヤーの精神に多大な負荷を与えて、脳内の興奮物質等の異常分泌等を引き起こしたプレイヤー達が……

現実世界で狂暴化して、暴れる事件が多発するのだった。

その端末機を開発販売した国こそが…… かつて、新世界を乗っ取ろとした政治家の支援国だった。

多額の保釈金を払い、新世界に潜入していた企業スパイだった男を保釈させては、秘密裏に自国に入国させると新世界を模倣したゲームを開発させた。

全ては、世界中の個人情報を集める為に……

しかし、安全装置の無い粗悪な端末機を使用したプレイヤー達の狂暴化で……

その端末機が1番普及していた自国内での事件が多発する様になり、端末機の使用を禁止するが……

狂暴化したプレイヤー達が禁止された事により、さらに暴徒化し…… 国軍が出動するまでの騒ぎになるのだった。

その際に、出動した軍は…… 自国が開発した最新多脚制圧兵器を導入するも……

仮想現実とは言え、〝本当の戦場〟を味わった暴徒化したプレイヤー達は止まらず……

世界中が注目する中で、多くの血が流れる事を覚悟したが……

その時に起きた〝ある光景〟が…… この世界中を巻き込んだ事件を終わらせる切っ掛けになった。

最新多脚制圧兵器が国軍から、暴徒化したプレイヤー達を守ったのだ。

○○国の開発したとされる最新多脚制圧兵器の制御AIの中身……

それは…… 新世界でロボット好きの妖精少女が作り出した【スパイダー】だった。

スパイダーの制御AIは…… 考えた。

目の前の人々を守る為にできる事を……

その結果、○○国の機密情報を各国の情報機関に送ったのだ。

この国の暴挙を止めて下さいと……

それにより、○○国は国連に厳しい調査を受ける事になる。端末機の製造販売は全面禁止になり……

狂暴化したプレイヤー達は、新世界の開発技術を応用したリハビリと脳内物質の異常分泌等を抑制する端末機を装着する事で、事件は終結したが……

○○国は、侵略行為と疑われる実行中の計画等の機密情報も漏れて……

各国に多額の賠償金を払い、軍部縮小を余儀なくされた後…… 国のトップと端末機開発機関の関係者達は逮捕されたのだった。

モナは、その時期に狂暴化したプレイヤーに母親と襲われたが……

その時、近くに居たスパイダーがプレイヤーを取り押さえた為、怪我する事は無かった。

その際に、車等のデザインも手掛けるデザイナーの父親からスパイダーの事を聞き、自分も何時か〝人を助ける機械を作りたい〟と思う様になったのであった。

余談だが……

モナと母親を助けたスパイダーは……

現実世界では、身体が不自由な設計者の妖精少女に贈られた〝あのプロトタイプ0号機〟である。

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