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第12章 夢をほぼ叶えし混沌神な女神妖精は…… 新たなユメを見る!?編

ユメ専用機 レイヤー・F起動! ユメ専用機は…… コスプレする機神?

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『…… スタンダードアーマーに換装……〝ヒューマンモード〟で起動開始…… 武器格納庫から、電磁レールライフルとライトプロテクターシールドの使用許可…… 武装確認…… 発進スタンバイ完了』

「ユメ、レイヤー・Fスタンダード…… 行きまぁ~す♪」

『電磁カタパルト起動…… 射出』

「うっ!」

フェアリーハウス】の電磁カタパルトによる急加速Gが…… ユメを襲う!

「しゃ、射出の成功を確認…… Gが強過ぎ~、やっぱ重力制御は必須だね」

体感する為に切った重力制御システムを入れ直して、ユメは自由落下を始めたレイヤー・Fの着陸体勢に入る。

その姿は、スカイブルーカラーに銀色の縁取りをした軽鎧のドレスメイルを着た少女の様な姿だった。

『無事に着陸…… 姿勢制御に問題は無し、起動による不具合は…… 無し』

ユメは、レイヤー・Fの機体チェック項目を一応確認しながら……

「さあ…… 実戦と行こうか♪」

モニター越しに迫る5メートル超えの魔物達に、電磁レールライフルを向けて…… トリガーを引いた。

初弾は外れて…… 魔物達を掠り飛んで行った。

「外れた…… カナエの様にはいかないか?」

オールラウンドスキルがあるとは言え、カナエの様に長距離狙撃は〝通常〟のユメには無理だった。

「なら…… 引き付けて~…… 目標をセンターに入れて引き金を引く!」

ドッツーン!
「ギィ!? シャ……」ドッターン!!

先頭にいた魔物の胸に命中! 魔物は胸に穴が空き倒れた。

「命中! 次!」

カナエと違い、ユメの射撃命中率は5から6割くらいだが…… 魔物達が密集して襲って来るので、狙いを外しても当たる状況に…… ユメは引き金を引き続ける。

カチ!
「ヤバ、弾切れ!?」

『グギャア!』

弾切れの隙に、足が早い魔物がレイヤー・Fに襲い掛かる。

『この!』

レイヤー・Fに噛み付こうとした魔物を、ユメはシールドで受けるが……

「体格差で押される!」

魔物の勢いに押されてレイヤー・Fの動きが止まる…… そうしている内に、他の魔物達が迫っていた。

『こっからが、この子の本領発揮だよ♪〝武装転送換装システム〟起動! レイヤー、チェンジモード【シロクマ】。武装チェンジ!【聖騎士パラディン】』

ユメのキーワードにレイヤー・Fに白い熊の耳と尾が現れる!

襲い掛かっていた魔物を撥ね飛ばし、レイヤー・Fの武装が大盾と片手剣を持つ白き聖騎士風のドレスメイルに〝瞬間換装〟された。

『戦闘行動中の武装転送換装システムの起動を確認…… システムオールグリーン、問題はありません』

「よし…… 行くよ!」

レイヤー・Fのコックピットで、〝シロクマ〟の獣人になったユメが〝聖騎士〟のコスプレをし、大盾と片手剣を構える。

迫る魔物達を大盾で弾き、片手剣で切り裂くレイヤー・Fパラディン!

良く見ると…… スタンダードの時には〝銀〟だった素体フレームのカラーが〝白〟に変わっていた。

『ガァー!』

『あまい!』

背後から来た魔物を、レイヤー・Fパラディンがエネルギーを布状に放出したエナジマントで弾くと…… 片手剣で両断した!

「これで地上のは終わり……かな!」

ドッゴーン!
地上の魔物達を倒したレイヤー・Fパラディンに火球が降る!

『後は、空だね』

大盾で燃え盛る炎を払い、レイヤー・Fパラディンが空を見る……

『グゥゥゥ…… グシャアー!』

火球を降らせたドラゴンの様な魔物が飛んでいた。

「ドラゴン…… 違う、ワイバーンの亜種かな?」

ワイバーンの亜種が高度を維持して、レイヤー・Fパラディンに火球を吐く!

「レイヤーが飛べないと思って、いたぶるつもりかな? でも…… あまいよ♪ リミッター解除…… モードEX〝天使〟…… 起動!」

『グ!?……』

火球を吐こうとしたワイバーンの亜種は…… 驚愕した!

ついさっきまで……

地上で、自分の吐く火球を防ぐ事しか出来ない弱者。

そう思っていた鎧を着た巨人が……

〝光る翼〟で、飛んだのだ! しかも…… 消えた!?

火球を吐こうとしたワイバーンの亜種は…… 最後に自分の身体を見ていた。

首から上を無くし、大量の血を噴く自分の身体を…… 切られた首から見ていた。

 ・
 ・
 ・

初の実戦を終えたレイヤー・Fを格納して、ユメからチェンジしたカナエは、Fハウスでフェアリーガーデンに帰投するが……

「このバカ主! 初戦闘で限界までやるバカが…… 何処にいる!」

待っていたのは…… 怒り狂うエミリーとそれを宥めるエナにそのやりとりを見ているフェアリエ…… そして、整備員達でした。

「え~っと…… 此処にかな?」

「反省しろ!」

「まあまあ…… 姉さん、新システムの実戦データが取れたので、大目に見ましょうよ」

「次にやったら…… 機体無しで、電磁カタパルトで射出してやるからな」

「射出前に感電するからヤダ!」

「主なら大丈夫だろ…… もう一人の身体は知らないけど」

ひそひそ(主様主様……)

ひそひそ(どうしたの? エナ?)

ひそひそ(姉さんは、口では憎まれ口を言ってますが…… 主様が心配なんですよ~)

「エミリー……♥」

ぎゅ~♥
「うわぁ!? 何だよ! 主、そんなんで騙されないからな……」

エナの言葉に、カナエはエミリーをぎゅ~と抱きしめる。

「やるなら、ちゃんと…… ぎゅ~……って、してくれないとヤダから……」

「エミリー…… 可愛い♥」

「うるさい……」

カナエに抱きしめられたエミリーを見て、エナとフェアリエが並ぶ……

その後ろに整備員達も並びだし…… カナエのぎゅ~待ちの行列になるのだった。

「姉さん、長いです!」

「マスターのぎゅ~は、〝1人1分まで〟ですよ」

何時の間にか…… アイドルの握手会場の様になる機神プラントだった。

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