上 下
294 / 464
第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

激化する勇者と魔王の戦いに…… 混沌神な妖精軍が武力を持って介入する

しおりを挟む
 ~ 巨大な骨格合成怪獣と巨人化したカオスが戦ってる頃…… ~

「どうした勇者よ。まだ数本しか、俺の配下を折ってないぞ!」

「くっ!」

「確かに、その聖剣の頑強さは…… 俺と戦うには持って来いの武器だ。だが!」

「ガハァ!?」

勇者【コウ1】の身体から血飛沫が舞う!?

「う…… くぅ……」

「回復魔法か…… それも何時まで持つかな!」

魔剣の魔王【キル】が容赦なく、コウ1に斬撃を放つ!

「チッ!(確かに、この聖剣【アンチ・ブレイク】ならば魔王の斬撃に勝てるが…… 俺の剣技が追い付いていない!)」

技量で劣るコウ1は、キルの斬撃をかろうじて聖剣で受けて、数本の魔剣モンスターを破壊に成功したが……

「遅いぞ…… 勇者!」

「ぐぅ……」

キルの攻撃を回復魔法で堪えるのが精一杯になるほど、満身創痍だった。

「飽きたな…… これで終わりだ」

「くっ(此処までか……)!」

キルのトドメの一撃が、コウ1に迫る!

「「【神器解放】!!」」

ガッキャーン!?

「な!?」

コウ1前にフルメイルの騎士が現れ、キルの斬撃を弾いた!

「ヌっ!」

弾かれたキルの手の魔剣モンスターが砕け散り、直ぐに次の魔剣モンスターを掴んだ瞬間!

ガキン!

何者かがキルに斬り掛かり、鍔迫り合いになって…… キルが〝何者か〟の正体に気付いた。

「誰かと思えば…… 冒険者はやめたのかい?」

「相変わらずの様ね。私は冒険者の勇者として、あんたに勝つ!」

魔剣の魔王キルの前に、〝冒険勇者〟パーティーが現れた。

 ・
 ・
 ・

 ~ 女帝の魔王が守る魔王ボスフィールド ~

「やはり、私の方が正しかった様ね……〝姉さん〟」

「こっちでは……〝兄さん〟って、お呼びなさい……」

女帝の魔王【ベリアナ】の軍勢の前に…… 傷付き倒れたテイムモンスターと満身創痍の【ミントス】がいた。

「あの時の事を覚えている? 私がキング系モンスターをテイムすると言った時の事を」

「くっ……」

「あの時、私にこう言ったわね…… 愛情を持って育てたモンスターは、キング系にも負けない!って、結果はどう? 私のキング系モンスターが圧勝でしょ?」

「ぜ、前提条件が違うわ!」

「違わないわ…… だって、私のキング系テイムモンスターの配下に負けたんだから」

ベリアナの言葉に、悔しげにミントスの顔が歪む。

「さて…… それじゃね。姉さん、私の勝ちよ」

『グルルル……』

「何…… 今にも消えそうな身体で…… 生意気ね」

ベリアナがミントスにトドメを刺そうとした時!? 傷付き倒れたウルフ系テイムモンスターが、身体を這いずりながらミントスの前に出る。

ミントスが最初にテイムした…… ベビーウルフだったウルフがミントスを庇う様に…… ベリアナの前に立ちはだかる!

「やめて! もういいの! 私の負けでいいから! もう、傷付かないで……」

「そんなに一緒がいいなら…… 一緒にトドメを刺してあげるわ!!」

ベリアナの攻撃が互いに庇い合うミントスとウルフに迫った瞬間!?

『傷付いても、仲間の前に立つ…… よくやった! お前も誇り高き狼だ』

「な!?」

ミントスとウルフに振るわれたベリアナの攻撃を受け止めて、ダークブラウンのウルフマスクのヒーローが立ち上がる!

「誰だ! お前は!?」

「我の知る魔王の中でも、随分と騒がしい魔王だな…… 我が名は【ウルバーン】。〝覇軍の聖魔王〟の守護騎士だ」

「な…… 覇軍の聖…… 魔王? そんな魔王は知らない! 私が知らない魔王って、まさか!? 噂の獣人魔王……」

「うるばーん♪」

「「!?」」

ベリアナと睨み合うウルバーンを幼い声が呼ぶ…… その声を発した者に視線か集まる。

その声を発した者こそが…… 覇軍の聖魔王【マコ】だ。

「えっ! あっ、何者!?」

「やだぁ~♥ 可愛~い♥」

マコの回りには…… 例の如く、マコを守る〝マスコットなテイムモンスター魔王軍〟がいた。

「だいじょうぶ? え~と…… おねえさん?」

「まぁ! 初対面の私に…… なんて優しくて良い子なの♥ 私を初対面でお姉さん呼びしたのは〝リン〟ちゃん以来かしら?」

「りん? りんおねえちゃんをしってるの?」

「あら? リンちゃんのお友だち? 私はミントスと言うの、よろしくね♥」

「うん♪ わたしはマコだよ。よろしくおねがいします」

「ほんと…… リンちゃんと言い、マコちゃんと言い…… 礼儀正しくて、可愛いわ♥」

「な…… こんな幼女が…… 魔王? しかも、私達が知らない〝聖魔王〟だなんて」

マコの姿に、ベリアナが崩れ落ちた後…… 笑いだす!?

「アハッ…… アハッハッハッハ…… 聖魔王! その〝マスコットの様な〟テイムモンスター達の居場所を教えなさい!」

「う~ん…… おしえたら、どうするの?」

「決まってるわ! そこのキングを倒して、マスコット系モンスター軍を配下にするのよ」

「ほう…… 其処には、〝王種〟は居らぬ。あえて、我等の王とするならば、それはマコだけだ」

「な、なら…… その幼女に勝てば……」

「なるほど、舐められた物だな……」

マスコットな魔王軍から、あの額に〝雷模様がある黒い豆柴〟顔の軍曹が前に出ると……

「か、可愛い……」

「俺達のもっとも敬愛する〝女神〟の護衛対象…… 俺達の主の敵だ! 総員…… 戦闘準備!」

マスコットな魔王軍達が…… 自動小銃などの現代的な装備品に身を包む!

「「な!?」」

「さあ…… 狩りの時間だ」

サンダラ軍曹が、不敵に呟いた……

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす
ファンタジー
 病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。  時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。  べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。  月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ? カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。 書き溜めは100話越えてます…

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

『転生した無名藩士、幕末の動乱を生き抜く~時代・技術考証や設定などは完全無視です!~』

姜維信繁
ファンタジー
佐賀藩より早く蒸気船に蒸気機関車、アームストロング砲。列強に勝つ! 人生100年時代の折り返し地点に来た企画営業部長の清水亨は、大きなプロジェクトをやり遂げて、久しぶりに長崎の実家に帰ってきた。 学生時代の仲間とどんちゃん騒ぎのあげく、急性アルコール中毒で死んでしまう。 しかし、目が覚めたら幕末の動乱期。龍馬や西郷や桂や高杉……と思いつつ。あまり幕末史でも知名度のない「薩長土肥」の『肥』のさらに隣の藩の大村藩のお話。 で、誰に転生したかと言うと、これまた誰も知らない、地元の人もおそらく知らない人の末裔として。 なーんにもしなければ、間違いなく幕末の動乱に巻き込まれ、戊辰戦争マッシグラ。それを回避して西洋列強にまけない国(藩)づくりに励む事になるのだが……。

世界⇔異世界 THERE AND BACK!!

西順
ファンタジー
ある日、異世界と行き来できる『門』を手に入れた。 友人たちとの下校中に橋で多重事故に巻き込まれたハルアキは、そのきっかけを作った天使からお詫びとしてある能力を授かる。それは、THERE AND BACK=往復。異世界と地球を行き来する能力だった。 しかし異世界へ転移してみると、着いた先は暗い崖の下。しかも出口はどこにもなさそうだ。 「いや、これ詰んでない? 仕方ない。トンネル掘るか!」 これはRPGを彷彿とさせるゲームのように、魔法やスキルの存在する剣と魔法のファンタジー世界と地球を往復しながら、主人公たちが降り掛かる数々の問題を、時に強引に、時に力業で解決していく冒険譚。たまには頭も使うかも。 週一、不定期投稿していきます。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しています。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

処理中です...