上 下
250 / 464
第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

古代超巨大戦艦攻略イベント 魔王幼女マコと仮面のヒーロー&ヒロイン?

しおりを挟む
「チクショォ~…… 何でだよ! 何でもやれるはずだろうが! 何で、邪魔するんだよ!?」

(怖いおにいちゃんが怒ってる)

仮面のヒーローに向かい、地団駄踏む少年を見ながら…… マコは、あの瞬間を振り返る。

少年が投げた爆薬付きの投げナイフで、カナエが吹き飛ばされて…… マコとエリも爆風を受けた。

エリに庇う様に抱き締められながら、地面を転がるマコの視界に……〝光る物〟が見えた。

光る物は…… カナエを呼び出した物と同じ、【助っ人召喚アイテム】だった。

マコは、這いずりながら…… 懸命に手を伸ばし、それを掴む! そして、願った……

(おねがい! みんなをたすけて!)

凄まじい轟音と風の音が響き…… エリに庇われたままにマコが目を瞑り身構える!

(……あれ? なんにもこない?)

少年の攻撃の衝撃が来ないので、マコが恐る恐る目を開くと……

「ヒーローさん……」

日曜の朝にテレビで、よく見る様なヒーローの背中が見えた。

 ・
 ・
 ・

「い、痛い!? 何故だ!」

今まで無い痛覚に、少年が困惑するが…… それは、仮面ヒーローカオスが持つ称号【断罪者】の特殊効果だった。

称号【断罪者】は…… 犯罪者系の称号を持つ者達に与えるダメージがアップして、相手の痛覚フィルターの設定を無効化するのだ。

少年は、15歳未満なので痛覚フィルター設定で、痛覚を感じない設定にしていたが……【断罪者】のカオスの攻撃に15歳未満の推奨設定の痛覚10%の痛覚を感じ、苦しむ!

「無痛設定で隠れて飛び道具か…… お前…… 弱いな」

「うるぐあ!?」

カオスの言葉に切れて、少年が投げナイフを投げようとしたが!? 瞬時に間合いを詰めたカオスに殴り飛ばされる。

「チッ…… ちぃぎぃしょおぉぉがぁあ! 許さねぇ…… 許さねぇぞ! ヒーロー、てめぇの〝力〟をよこせぇ!!」

少年の右手が光る!?

「フッ…… フッハ! フッハハハハハハ……」

少年が右手に掴む〝物〟を見て…… 高笑いを上げる!

「ハハハ…… やった…… やったぞ!」

少年の右手には、カオスの腰に巻かれていた…… ベルト、変身ベルト【ベルチェ】が握られていた。

「これで変身は…… 解除だ!」

カオスの姿が変わる…… しかし、現れたのは…… 変身を解除したジノの姿では無く。

体内の【カオスストーン】で変身した改造生命体型の姿だった。

「それで…… どうした」

「クソがぁ! なら、コイツで変身してやる!」

少年が腰に【ベルチェ】を巻く……

『マスター以外で、私を巻くのは〝二人目〟…… 覚悟はオッケー♪』

「な!?」

『へ・ん・し・ん・♪』

「いっ!? ぎゃあぁぁぁ!!!」

少年の腰に巻かれた【ベル】が、楽しそうに変身を開始! 光と少年の悲鳴が溢れ出す!?

『仮面のヒロイン♪【ファンタジーベル】♥』

光の中から現れたのは…… 女性の仮面ヒロインでした。

「その姿は…… 久し振りだな」

カオスが、現れた仮面ヒロインのファンタジーベルに話し掛ける。

『お子様怪盗に盗まれた時以来だよ♪』

「時間は?」

『中々の高Lvみたいだね♪』

「なら…… 一暴れするか?」

『久し振りのフルスロットルだよ♪』

カオスとベルが見る先に、ウーとバトラーに対峙していたスレイブの勇者達…… 3人の男達が唖然とした顔で、少年から変身したファンタジーベルを見ている。

「弟が…」「「「女になった!?」」」

『今時のヒロインは、男の娘でもなれるのよ♪ いくよ! 必殺♪ ファンタジー……』

「カオスストーム……」

「『ハリケーン(♪)』」

カオスとベルが竜巻を起こして、3人の男達を巻き上げた!

「「「うわぁ~!?」」」

「バトラー! 行くぞ、ベル」

『オッケー♪』

バイクモードになったバトラーに跨がり、カオスとベルが竜巻を駆け昇る!

「『トォウ!(♪)』」

バトラーから、カオスとベルが飛び上がる!

「カオス……」

『ベル……』

「『ダブルブレイククラッシュ!!』」

「「「ぐえらぁ~!?」」」

ドッゴ~ン!!!
竜巻に巻き上げられたスレイブ勇者の3人の男達が…… カオスとベルのダブルキックで爆散した。

『バイバイ♪ 悪い子達…… と、時間だ』

ベルの姿が光になって消え始めると、少年が姿を現わして…… ドサッ! 倒れて消える……

『マスター、ただいま♪』

「おう、お帰り」

少年が消えると、少年の腰に巻かれていた【ベルチェ】がカオスの腰に戻った。


【装着型変身呪具ベルチェ】…… 邪神と魔神を崇拝する邪教団が、神々の力を研究して生み出した呪具。

条件を満たせば、装着者を守る強力な武具になるが…… 条件を満たさぬ者が装着すると、ベルチェに生命力を奪われ身体を乗っ取られる呪いの装備。

その呪いで研究施設を壊滅させた後、ジノが発見して装着者になる。

ジノの体内のカオスストーンの力と共鳴して神器化したが…… 条件を満たさない装着者に対する呪いは、さらに酷くなって強制的に激痛をともなう変身して身体を乗っ取る様になった。

因みに…… 最初の仮面ヒロインファンタジーベルの変身者(犠牲者)は、カナエから【ブレイブ】を盗んだ怪盗少年である。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

異世界でスローライフを満喫する為に

美鈴
ファンタジー
ホットランキング一位本当にありがとうございます! 【※毎日18時更新中】 タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です! ※カクヨム様にも投稿しております ※イラストはAIアートイラストを使用

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

処理中です...