上 下
214 / 464
第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

神衣の特殊能力とカナエ、受難の日々の始まり?

しおりを挟む
「フッ…… 朝日が目に染みるぜ……」

「宇宙で、何を言ってるんですか? 物産展会場は最終日の夕方ですよ。衣装もご用意出来ましたから、急いでください!」

「はぁい……」

エナから解放されて三度寝から起きると、物産展の最終日も後少しでした。

ロッテとジュエリーズ達が作った衣装に魔力回路を組み込もうと、手を伸ばすと……

「えっ!?」

手にした衣装が光になって、私の着ているネグリジェの中へ!? ネグリジェが光って、手にしたいた衣装に変わる!

「神衣の能力?」

どうやら…… 装備品を取り込む事で成長強化するみたいだね?

「なるほど、アウターは便利で良いけど…… インナーは?」

「それなんですが……【これ】を」

ロッテが差し出したのは…… 私が着ていた【ゼッケン付きスクール水着(旧型)】でした。

「用意した下着が光になって、スクール水着に吸収されてしまい……」

「スク水も…… 神衣化した?」

「たぶんですが… あっ!?」

スク水が光になって、私を包んだ! 徐々に光がおさまり…… 現れた私の姿は!?

「ちょっ!? ロッテ! 何に作ってるの!!!」

スケスケのネグリジェに大事な処が開いてるセクシーランジェリーに神衣が変わっていた。

「これならば、ジノさんを落とせますね♪」

「いいから! 普通の服装になって!!!」

鼻を押さえて親指を立てるロッテに怒鳴りながら、普通の服装になる様に神衣に願うと……

「そのお姿は……」

「あっ、ちょっと懐かしいね♪」

最初の頃に着ていたゴスロリドレスよりのエプロンドレスにロングコート、バトルグローブとロングブーツ型のバトルブーツ、インナーはスポーツブラとスパッツになった。

「私の初期の装備品を取り込んだのかな…… うん?【選定の首飾り】と【ストレージ付きヒップバック】も変わってる」

選定の首飾りが【キャットエンブレムブローチ】を取り込んだみたいで、【創星神(混沌)の首飾り】になっていた。

見た目は…… フリルとリボン付きの首輪型チョーカーで、リボンの中心に宝石の付いて、チョーカーにキャットエンブレムブローチが胸元にぶら下がってるデザインでした。

ストレージ付きヒップバックは……【創星神(混沌)のヒップバック】になってました。此方の見た目は…… 黒い革製のヒップバックでした。

「わたしが、主さまの眷属になった頃を…… 思い出す衣装ですね♪」

「性能が段違だけどね…… フェアリーガーデンをお願いね。じゃあ、行って来ます」

「「「「「「「いってらっしゃいませ。主さま」」」」」」」

「主様、いってらっしゃい」

「主、留守は任せな」

見送るみんなに頷いて、フェアリエと物産展会場に転移した。

 ・
 ・
 ・

 ~ 物産展会場 ~

「カナエ、遅い! もうすぐ結果発表だよ!」

「ごめん! ターニャ。結果発表って…… 何?」

「売り上げと参加アンケートの投票結果で、出店者達のランキングを付けて発表するの。上位なら…… 色々貰えるみたいよ♪」

「私、投票して無いよ」

「メッセージから投票出来るから、今したら?」

「うん、とりあえず…… トイボックスに投票するね♪」

「いいんじゃない…… カナエ、初期装備にしたの?」

私の姿を見て、ターニャが初期装備と勘違いしてる。

「違うよ。私の進化に合わせて装備品も進化したの♪ 装備品を取り込むと強化して、その型になるみたいなんだ♪」

「それって…… 伝説の装備とかも取り込むって事!? もしも、そうなら…… この新世界の装備品をカナエが独り占め出来るわね」

「うっ…… 気を付ける…… 勝手に取り込まないでね?」

言い聞かせる様に神衣を撫でると…… (わかった)って、返事をする様にコートの襟で私に頬摩りして来た。なんか可愛いな♪

「意思が在るのかな?」

「どうかな? もし、そうなら話せたら良いなぁ」

「アーデちゃんの使い魔みたいに人化したら…… カナエは真っ裸ね」

「それはヤダ!! 人化ダメ! 絶対!!!」

「カナエ…… 人は、それを前フリやフラグやら言うのよ」

「前フリじゃないからね! ダメだよ! 絶対!!」

神衣を握りながら言い聞かせると…… (わかった! わかったから放して!!)って感じで、小刻みに震えたのを感じた。

「やったら…… ストレージから出さないからね」

「おっ! アイロン掛けたみたいにコートがビシッとしたね? 敬礼みたいなものかな?」

「どうかな? 解ってくれたら良いけど…… あっ、発表が始まるよ!」

『ご来場の皆様、そして、出店された皆様、ご参加ありがとうございます。これより、今回の物産展で、売り上げと投票が多いランキングを発表します! ランキング上位の皆様には、豪華な景品と賞金プレゼントです! では…… 第10位から……』

 ・
 ・
 ・

『これにて、物産展は終了です。通常空間に戻りますが、物産展会場は中央バザー市として新世界に残りますので、今後も活用下さい』

「トイボックスは、5位かぁ…… 準備が足りなかったね」

「目玉商品のジョブシリーズの量産が間に合って無いからね…… それよりも、3位がキング&クイーンの機神プロレスで、2位がレオン王とセルフィナ王妃の機神ダンス…… 1位が謎の挑戦者って…… カナエとユキちゃんの事でしょう?」

「うん…… 運営から通知が来てる」

「あの機神…… 普段用なのよね?」

「うん……」

「目立ってどうするの?」

「ターニャ…… どうしようか?」

その後…… しばらく機神を注文したいプレイヤーと緑人達の間で、謎の機神製作者として有名になり…… 逃げ回る事になるカナエでした。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

異世界でスローライフを満喫する為に

美鈴
ファンタジー
ホットランキング一位本当にありがとうございます! 【※毎日18時更新中】 タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です! ※カクヨム様にも投稿しております ※イラストはAIアートイラストを使用

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

処理中です...