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第6章 魔王の新世界放浪記?編

PK狩りの結果と… カナエ、始めての同族 

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「ウッ……」「ガァ!」「ギャァ!」「いっでぃよ~…… いっでぃよ~……」

世紀末モノの作品に出てくる様な格好をしたPK達が…… イズナに手足を斬られて踞る。

「ま、魔法だ! 魔法で動きを止めろ!」

「射たせる訳……「うぅぅぅ!」無いでしょ?」

魔法で攻撃しようとしたPKの口を千鶴が糸で塞ぐ。

「くっ、撤退だ! てめえ等、ズラかれ~!」

「「逃がさない!」」

「ぐっ……」「ギャア~!」「俺の足と手が!」「火が、火が!」「熱い! 熱い……」

二人の鬼女から、逃げようとしたPK達が次々に悲鳴を上げた。ある者は見えない糸に手足を切り裂かれ…… 又、ある者は蒼白い鬼火にその身を焼かれた。

「安心して……」

「生け捕りにするから♪」

「「かんたんに、死に戻れると…… 思うなよ」」

「「「「「ギィヤァァァ~~!!!……」」」」」

スレイブの国境側の森の樹に、大量のミノムシが現れる……

それは…… 好き勝手やり過ぎて、鬼女の怒りを買った…PK達の成れの果てであった。

「けっこう…… 多いわ…… どう運ぼうかしら?」

「だいたい…… 200人ぐらいですかね…… どうします?」

「千鶴ちゃん、イズナちゃん、お疲れ~♪ これで…… 全部かな?」

「カナエちゃん、お疲れ♪ これで全部よ」

「カナエさん、お疲れ様です。一応…… 全員、気絶させましたが……」

「じゃあ、運びますね~ 来て! ヴァルキリーゴーレム♪」

金と銀のマッスルゴーレムからスパイダーが作った。特殊合金に私の魔力を練り込んだ【聖魔合金】で、私と眷族達の武具を強化する時に、試しに作った女性騎士甲冑を新たにダンジョンに産まれたプチゴールドゴーレムとプチシルバーゴーレムをテイムして、着せたら……

進化しました!

【ヴァルキリーゴーレム】
聖魔王の魔力を受けて、産まれたゴーレム。その姿は…… 美しい戦乙女の彫刻の様な姿で、見る者を魅了する。体内に魔力回路を持つ事で、魔法も使える最強のゴーレム。

普段は、だだっ広いフェアリーガーデンの城で、調度品兼任のガーディアンをして貰ってます。

「ゴルとジル、みんなを指揮して、PKを運んでね? それじゃあ…… 出発♪」

最初にテイムしたヴァルキリーゴーレムに指示を出して、ストレージから取り出した。大八車にミノムシPK達を10体のヴァルキリーゴーレムが積み込み街に帰る。

ウォーターテンに帰ると…… 私のゴーレムを見た街の人達が大騒ぎ!?

「やめて! 魔物の襲撃じゃないの! そこの娘、魔法を詠唱しないの!」

攻撃されそうになったので、ゴーレム達を急いで送還! イズナちゃんとジノさんが、みんなを説得してくれました。

「悪いな、お嬢ちゃん。そこのPKのせいで…… みんなピリピリしてよ~、勘弁してやってくれ」

「「「「「ごめんなさい」」」」」

PKを引き渡したら、蒼のギルドの偉い人とみんなが謝ってくれました。

「あ~びっくりした! どうしようかと思ったよ」

「ま、カナエなら…… この人数なら余裕だろう?」

「失礼な! 私は平和主義なの! 喧嘩は仕掛けないよ……(ボソ)帝国勇者以外は」

ラズリちゃんと話していると、さっき魔法を射とうとした子が近付いて来た。

「さっきは…… 本当にすみませんでした!」

「カナエちゃん、この娘はね…… 俺達が着いた時に、PKに絡まれて居てね…… 許して上げてくれないか?」

「びっくりしたけど、もう怒って無いよ。大丈夫だった?」

「はい! ジノさんが助けてくれました」

「そっ、良かったね…… 貴女…… 妖精?」

「あっ、解りますか? 一応…… 妖精のレア種族なんです。人サイズの妖精なんて珍しいですよね? 普通の妖精と同じで、打たれ弱いですけど……」

「えっ!? 普通の妖精って…… 打たれ弱いの?」

「よわよわですよ! も~う、虫か!と思うくらいに…… もう、辞めようかな……」

妖精少女のマナちゃんは…… 今までの事を話してくれました。

最初の頃は、レア種族になって嬉しかった事やPKされて、お気に入りの装備が無くなった事…… 挙げ句の果てに、今回の騒動で心が折れたみたい。

「ねぇ~ カナエちゃん…… 鍛えて上げたら? カナエちゃんなら妖精の育て方、解るんじゃない?」

「…… マナちゃん! 一緒に行こう! 私はマナちゃんにも、この世界を楽しんで欲しい!」

「えっ、あ、あの……」

「おっ! カナエがやる気になってる」

「あら? また可愛い娘ね♪ どんな服が良いかしら?」

「千鶴もやる気だな…… また小学生組が増強されるのかよ……」

「デンライさん、お兄さんは大変ですね……」

「ちゃんと鍛えないと、エンやシュウ達に抜かれるかもな?」

「くっ、プロプレイヤーと兄としての威厳が……」

「あの…… 私はどうしたら?」

「とりあえず…… あの娘に相談すると良いよ。少なくとも、今の数倍…… 数十倍は強化されると思うから……」

「きょ、強化って…… なにされるんですか!?」

「さぁ~っと…… 先ずは、身体測定からかな?」

「そうね…… 服を作る為にも…… 詳細な採寸をしないと……」

「ひぃ!? あ、あの、その……」

「大丈夫だよ。ちょっと身体データを見るだけだからね……」

「大丈夫ハァハァ…… 大丈夫ハァハァ…… だからねハァハァ……」

「ひいぃぃぃ!!」

カナエと千鶴に妖精少女のマナちゃんは、悲鳴を上げながら連れて行かれた。

「妖精が弱いなんて…… そんなの幻想だと教えてあげるよ!!」

こうして…… カナエによるマナちゃんの強化は決定したのだった。

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