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第3章 カナエ(魔王)のクラン?編

神獣の社と(元)王の思い

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私をまんまと呼ぶ、このモフモフの塊?は……

【??? 種族 神獣(幼体)Lv1】

神獣……!? 神獣だよ! どうしよう…… 神獣のママになるの私?

「おお、精霊さまに人がたくさん…… それに、童もおるのう」

「あなたは…… あの時のオークさん?」

「はい、精霊さま。あの時に世話になりました。今は長のオーク郎です」

「そう♪ じゃあ、オーク郎さん。こっちの獣人さんはね……」

精霊さんがオーク達に事情を説明し始めると…… (クイクイ) モフモフの神獣が、私のスカートを引っ張る。

「まんま!まんま!」

「な、何! どうしたの?」

「腹が空いたべか? 童、まんま食うか?」

「へっ、まんまって?」

「飯の事だ」

「なんだ、そう言う事か…… びっくりした」

腹ペコの神獣ちゃんに、ストレージからビスケットを取り出して渡す。

「まんま! うまうま♪」

「わらべちゃん、良かったね」

「この子…… どうしたの?」

「精霊さまが連れて来たんでねぇのか? 気付いたら、社に居ただ」

「社? 神獣の社か?」

「んだ、悪さしねぃし野良仕事手伝うで。時折まんま食わしてるだ」

「行ってみるか? 墓参りも其処だしな」

神獣ちゃんを連れて、神獣の社へ……

「此処が、神獣の社?」

「なんか、神社仏閣みたいな所ですね」

「王都の神殿と同じで、共同墓地でもあるがな……」

「デンライさま! 御神体の【神獣の卵】が!」

「ど、どうした!」

「割れてます!」

「!?」

慌てるデンライ君と一緒に社の中に入る。祀られている色んな卵?が幾つかあるけど……

(あった! 真ん中から、パックリ割れた…… 卵が一つ)

「神獣は?」

「見当たりません!」

「捜すぞ! 急げ!」

「ちょっ、ちょっと待って!」

慌てるデンライ君と獣人達を止める。

「この子! この子が【神獣】です!」

私はスカートを掴んで付いてきた。モフモフの塊神獣を抱き上げて、みんなに見せる! 私が抱き上げたモフモフを見て、獣人とオーク達は何度も見た後…… 声にならない声をあげた!

「許してけれ! 神獣さまとは知らなんで…… 野良仕事手伝わして罰当たりな事……」

一斉に土下座を始めるオークと膝ま付く獣人達。何かわからずに首を傾げるモフモフ神獣……

(カオスだ……)

「神獣ちゃんは、嬉しかったみたいよ」

「本当けぇ? 精霊さま、神獣さま?」

オーク郎さんの言葉に、頷くモフモフ神獣と精霊さん。

「みんなで何かするのが、楽しいんだって」

頷く神獣に、ほっとするオーク達。

「デンライさま…… 精霊さまに、此処があなたの物だと聞きました。お返ししますので、オラ達も住民にして下され」

「いや…… 此処は、もう…… あんた達の物だ。精霊と神獣に護られたオークの里だ。俺じゃあ、護れなかった…… このまま、あんた達に住んでもらった方が良い。まぁ…… 時々は墓参りさせてくれ」

「…… わかっただ。あんた達の代わりに、オラ達が墓守するだ。任せてけろ!」

「!? ありがとう!」

神獣の社は、転移スポットでした。

転移スポットは、登録すると…魔法やアイテムで転移先に選べる様になるって! 転移スポットを登録すれば、一度行った場所には一瞬で移動! それって…… 〇ーラ? いや、テレポーテーション?

「デンライ君、国を復興しないの?」

「カナエさん…… 俺は、護るのは苦手だから…… そう言うのは、レオンが得意だ。だから、カナエさんも気を付けてくれ。大規模なプライベートエリアを持った特殊職は、エリア攻防があるから」

「エリア攻防?」

「そう、特に防衛戦! 敗けると…… 俺みたいに、プライベートエリアが奪われるよ」

「!? そうなの!」

そう言えば……【空中城塞都市】に、あの勇者が近付いた時に…… そう言うアナウンスが流れたような…… 防衛力を急いで強化しないと!

「まぁ、今回のクエストをクリアすれば。良い事…… あるかもよ?」

「何それ?」

「帰ってからの、お楽しみです」

そう言って、デンライ君は獣人達の所へ……

(なんだろう?)

「逢うの二回目だから、これあげる♪」

「えっ、ありがとう…… そう言えば、名前聞いてない」

「わたしたち精霊は、名が無いの。つけてくれる?」

「え~っと、ちょっと待ってね」

「(う~ん…… たぶん、木の精霊だよね? き…… 木…… 樹……)じゅ…… じゅり? ジュリで、いいかな?」

「ジュリ? わたしジュリ! ありがとう♪ カナエ」

(あれ? 私、名乗ったっけ?)

ピコーン♪
〔【称号 精霊ジュリの友】を獲ました〕

あっ、称号来た! ボーナスは……

〔精霊との遭遇率アップ。MP消費10%ダウン。植物系素材アイテムの品質アップ〕

ジュリに貰ったアイテムは……【???の種】

(種? 帰ったら植えてみよう……)

「そろそろ、帰るか?」

ジュリがジャングルの外に送ってくれたので、行きと同じく馬車に乗り、ジュリとモフモフ神獣、オーク郎さん達に手を振り王都に帰る。

防衛力強化…… 何しよう?

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