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補給と情報収集の為に、クラフタリアの辺境貿易都市【ドワンクラフ】へ……

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「この追加ブースターは…… デッドラインの試作飛行ユニットです!」

「マジか!?」

パクったトレーラーの武装や追加ユニットは…… デッドライン系の試作品だった。

「て事は…… アイツ等は、戦利品の護送部隊だったって事か?」

「話を聞いた感じだと…… その様です」

「この動く物を見て、欲でもかいたんでしょうね…… 帝国の人族は強欲らしいから」

「護送任務中に襲撃行為って…… 馬鹿だろう?」

「正規軍では考えられないと…… 思います」

「喧嘩好きの龍でも、上位龍の命令なら優先すると思うから…… 護送部隊?の長が無能なんじゃない?」

「まぁ…… 今は、その無能に感謝するとして…… ネネ、使い方が解るか?」

「4号機なら…… 試作品の試験機でしたから、マニュアルがあったと思います」

「マニュアル?」

「これくらいの…… 端末が刺さっているかと……」

ネネが指で示したサイズの物を探すと……

「スマホ?」

デッドラインのコックピットの計器に、スマホ型の情報端末が刺さっていた。

「デッドラインの動力は…… 魔力で動くのか? 飛行ユニットは…… あっ、ケーブルが繋がって無いから…… 飛行出来ない」

試作品なので、搭載しただけではサブしか繋がらないらしく…… 飛行するには、別のケーブルでデッドラインの動力と繋ぐ必要があるらしい。

「この状態でもブースターとしては、使えますが……」

「ケーブルは…… 他の機械系と統一か?」

「はい、互換性を考えて…… 統一すると、お義姉様は言っていました」

「なら戻って、また探す?」

「デッドラインの様な存在が普及する前に廃棄された街だから…… 無いだろうな」

「そうかも知れないですね…… 機械系のお店も無かった様ですし……」

「となると、廃棄されてない街に行く必要があるわね…… 地図は?」

「8年前の物になりますが…… マップ機能がある筈です」

「GPSみたいだが…… どうやって位置を割り出してるんだ?」

「地域の自然魔素量からですね…… 大規模な地殻変動でもなければ、魔素量は変動しませんから……」

「なら…… 此処ね」

リューナがマップ機能に映された街を指す。

「あなた達に会う前に見たけど…… かなり栄えていたわ」

「我が国の国境近くのクラフタリア領土の貿易都市ですね。名前は…… 確か……【ドワンクラフ】でしょうか?」

「クラフタリアの貿易都市か……」

「近くにデッドラインを隠せる場所があった筈…… 行きましょう」

ネネの提案で、デッドラインを隠せる場所に向かうと……

「これは…… 空母?」

「知っているのですか?」

「似た物を知っているが正解だな…… 俺のいた世界でも似た様な軍艦があるってだけだ」

「軍艦…… ですか?」

「ああ、鉄の大きな軍用の船の事だ」

「これって、船なの?」

「ああ、戦闘機…… 空を飛ぶ機械を輸送する大型船の事だな…… しかし、なんで…… 荒野に?」

ネネの案内でたどり着いた場所には…… 現代の原子力空母の様な物や複数の艦船が荒野にあった。

「この船達は……〝世界を流れて来た〟のです」

「世界を流れて…… 俺と〝同じ〟って訳か?」

「はい…… ですが、流れ人とは違い、見たの様に…… 物は朽ちた状態で流れ着く様です」

「朽ちた…… 逆に〝流される〟事は?」

「ありません…… フロンティア・エデンには、流れ着くだけの様です」

「少なくても…… 隠してる間に、異世界に流される心配は無いか…… それで、誰が都市に行くか? だが……」

ジンは、ネネとリューナを見て……

「俺が無難か……」

と、呟きながらデッドラインの隠し場所を探した。

 ・
 ・
 ・

(気分は…… スパイ物のアクションヒーローだな……)

ジンは、金カプセルから出た姿を隠蔽するロングコートを身に纏い……

ドワンクラフに入る馬車の底に貼り付いていた。

(よし、街に入った……)

ドワンクラフの街中で、馬車が止まるのを待ち……

(今だ!)

馬車の下から這い出ると、細い路地に身を隠す!

「さて…… 先ずはケーブルを手に入れるか……」

機械系の素材が揃いそうな、職人達が出入りしてる店を探す事にした。

「職人は…… この世界でも作業着は変わらないな。これも流れ人の影響か?」

見慣れた電気工事の服装に似た人物を見かけたので……

ジンは、その人物の背中を追う事にした。

 ・
 ・
 ・

「おっと!?(アレは…… クラフタリアのロボットか?)」

ジンが追った人物が街外れの倉庫の様な建物に入ると…… その奥に立ち並ぶクラフタリアのロボット兵器の姿が見えた。

(此処なら…… 確実か?)

ジンは、悩んだ後…… 建物に潜入した。

(さて…… 部品は何処かな?)

「おい」

(!?)

「〝アレ〟は…… どうした?」

「それなんですが……」

姿を隠蔽しているジンの前で…… 二人の男が話だした。

「中々に強情でして……」

「くそがぁ!〝アレ〟の持ち主だからって、俺達を馬鹿にしやがって! おい、痛め付けてやるぞ」

「ま、不味いですよ。一応は、流れ人保護の名目で〝滷獲〟したんですから」

「くそ~、動かし方さえ解れば…… アイツをどうにか出来るのによ!」

(流れ人…… 滷獲…… まさか! 乗り物ごと流れて来た人がいるのか!?)

思わぬ情報に、口を押さえるジンだった。

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