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日常編
ケチュアの憂鬱
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【マリニウム城下町】
マリニウム城でのクーデターに、飛び入れで参加したケチュアとリキュール。両親の殺害の指示を出した宿敵【オヅベルド公爵】は、パートナーであるリキュールの超極大魔法【七精守護霊(ハーロウィーン)】により焼却された
「帰りましょうリキュール…」
「ケチュアはこの地で名のある貴族の娘なんだろ?残らなくて良いのかい?」
「私(ワタクシ)は受け入れてくれたイシス王国で貴女と共に生きると決めたのです♪」
ケチュアもまたカルーアと同じように、自分の復讐を果たすことのみが目的であり、その後のマリニウムの行く末に関わる気など微塵も無かったので、付き添ってくれたシュバッツ家の兄妹と共にイシス城への帰路に着いた
【ケチュアとリキュールの部屋】
「(〃´o`)ふぅ~ようやく一区切りつきましたわ……肩が凝っちゃいました…」
目的を果たし無事にイシス王国に戻った2人は、城の者たちから温かく迎えられた
…とは言え、戦闘力としては見習い剣士程度の実力しかないケチュア。成り上がりとは言え貴族教育を受けて育った彼女は、武官としてではなく文官としての才能を買われ、書類整理や市政向上案のレポートを作成するのが王女から与えられた仕事になった
「どうしたんだいケチュア。ため息なんかついちゃったりしてさ。悩み事かい?」
「リキュール……いえ、そんな大袈裟の事ではありませんわ。ただ…」
「ふむ…マリニウムでも戦力にならなかった自分を鍛えたいのに、内務仕事ばかりさせられているから鬱憤(ウップン)が溜まっている訳だね(笑)」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!リキュールったら…その通りですわ。分かっていて聞いたのですね?…そういう貴女の方はどうなんですの?」
「( „❛ ֊ ❛„)んっ?私かい?……そうだね、私の方も上手くいかなくて困っているよ。はは…」
「えっ!?リキュールもなのですか?…私(ワタクシ)と違って貴女は、あんなに強いのに…何故ですの?」
「それがね…私の教え方は…なんと言うか…フィーリングが強過ぎて理解しにくい。んだってさ。嫌になっちゃうね。ソッチから講師を頼んで来といてさ…説明するのは本当に下手だよ。ってちゃんと前もって断りも入れておいたんだよ?」
「Σ(゜□゜)あっ!そうでしたわね…貴女は…なんと言ったかしら?……そう、それ。進化型超人類として…確かお姉さんの…あの場に居た…えーっと…」
「カルーア姉さんの事かな?…うん。私は液状データ集合体から固体化する時に、姉さんが蓄積していたデータを取り込んでの魔法力(チカラ)だからね。努力や修練で得たチカラじゃないから説明しろって言われてもね……」
そうなのである。リキュールはどこかの魔法学院に通うなり、高名な魔道士あたりから教えを受けて得た魔法力(チカラ)ではないので、教えて欲しいと頼まれたところで習得するのに時間や労力をほとんど掛けていないので、レベル差の激しい相手が理解できるように教えることなど極めて難しいのである
「そうでしたわね…強けりゃ良い。って事ばかりでもありませんのね。お互い大変ですね」
「固体化した日を、わたしの誕生日として計算したらさ…わたしはまだ生後1ヶ月なんだよ?分かり易く教えてくれと言われてもね…」
「でも…流石にその話を皆さんに伝える訳にもいきませんし…難しいですわね…」
あくまでケチュアは、お互いスグには上手くいきませんね。程度のつもりで言っただけなのだが…
「いやいや。ケチュアに比べれば私の方はそんなでもないよ。教えるべき相手がもう少しレベルが高ければ、多少のフィーリングを合わせれば教えられない事はないからね
それに比べてケチュアは剣を使わせても見習いレベルだし、書類整理もそんな言うほど慣れてる訳でもないんだから、また別の話だと思うけどね~(笑)」
リキュールは冗談っぽく言った。決してケチュアを馬鹿になどしてはいなかったのだが…思い返せばリキュールと初めて会ったその日から…リキュールは活躍しまくっているが、自分はコレと言っても何も成しえていない。それが、ケチュアを焦らせていた
「リキュール!私が何でもかんでも貴女に見劣りしていると思ってますの!?」
「な、何だいケチュア?別に馬鹿にした訳じゃないんだからさ…怒らなくても良いだろ?」
戦闘力(チカラ)が無いに等しいケチュアが凄んだところで、リキュールからすれば焦る必要も無いのだが……初めて魅せる彼女の気迫に思わず驚くリキュール
「いいえ!私(ワタクシ)からでも貴女に教えられる事が有るって事を、そろそろ教えてあげないとイケませんわね!」
「へ、へ~。ケチュアが私に何を教えてくれるんだろうね?(笑)ソレハキタイシチャウナァ」
こんな返し方をしたリキュールだが、内心は今まで出逢った誰よりもケチュアの仕草や反応に興味を覚えていた。本人も何故ケチュアにだけ、そこまで惹かれるのか分からないようだが…彼女を観ているのが楽しくて仕方ないようだ
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!言いましたわね!今夜たっぷり教えて差し上げますわ!」
ケチュアとリキュールは同じ部屋に住まわされている。ので、別に用事があるから訪ねたりする事もないのだが…今夜ケチュアが何を教えてくれるのか?少し楽しみなリキュールだった
続く
マリニウム城でのクーデターに、飛び入れで参加したケチュアとリキュール。両親の殺害の指示を出した宿敵【オヅベルド公爵】は、パートナーであるリキュールの超極大魔法【七精守護霊(ハーロウィーン)】により焼却された
「帰りましょうリキュール…」
「ケチュアはこの地で名のある貴族の娘なんだろ?残らなくて良いのかい?」
「私(ワタクシ)は受け入れてくれたイシス王国で貴女と共に生きると決めたのです♪」
ケチュアもまたカルーアと同じように、自分の復讐を果たすことのみが目的であり、その後のマリニウムの行く末に関わる気など微塵も無かったので、付き添ってくれたシュバッツ家の兄妹と共にイシス城への帰路に着いた
【ケチュアとリキュールの部屋】
「(〃´o`)ふぅ~ようやく一区切りつきましたわ……肩が凝っちゃいました…」
目的を果たし無事にイシス王国に戻った2人は、城の者たちから温かく迎えられた
…とは言え、戦闘力としては見習い剣士程度の実力しかないケチュア。成り上がりとは言え貴族教育を受けて育った彼女は、武官としてではなく文官としての才能を買われ、書類整理や市政向上案のレポートを作成するのが王女から与えられた仕事になった
「どうしたんだいケチュア。ため息なんかついちゃったりしてさ。悩み事かい?」
「リキュール……いえ、そんな大袈裟の事ではありませんわ。ただ…」
「ふむ…マリニウムでも戦力にならなかった自分を鍛えたいのに、内務仕事ばかりさせられているから鬱憤(ウップン)が溜まっている訳だね(笑)」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!リキュールったら…その通りですわ。分かっていて聞いたのですね?…そういう貴女の方はどうなんですの?」
「( „❛ ֊ ❛„)んっ?私かい?……そうだね、私の方も上手くいかなくて困っているよ。はは…」
「えっ!?リキュールもなのですか?…私(ワタクシ)と違って貴女は、あんなに強いのに…何故ですの?」
「それがね…私の教え方は…なんと言うか…フィーリングが強過ぎて理解しにくい。んだってさ。嫌になっちゃうね。ソッチから講師を頼んで来といてさ…説明するのは本当に下手だよ。ってちゃんと前もって断りも入れておいたんだよ?」
「Σ(゜□゜)あっ!そうでしたわね…貴女は…なんと言ったかしら?……そう、それ。進化型超人類として…確かお姉さんの…あの場に居た…えーっと…」
「カルーア姉さんの事かな?…うん。私は液状データ集合体から固体化する時に、姉さんが蓄積していたデータを取り込んでの魔法力(チカラ)だからね。努力や修練で得たチカラじゃないから説明しろって言われてもね……」
そうなのである。リキュールはどこかの魔法学院に通うなり、高名な魔道士あたりから教えを受けて得た魔法力(チカラ)ではないので、教えて欲しいと頼まれたところで習得するのに時間や労力をほとんど掛けていないので、レベル差の激しい相手が理解できるように教えることなど極めて難しいのである
「そうでしたわね…強けりゃ良い。って事ばかりでもありませんのね。お互い大変ですね」
「固体化した日を、わたしの誕生日として計算したらさ…わたしはまだ生後1ヶ月なんだよ?分かり易く教えてくれと言われてもね…」
「でも…流石にその話を皆さんに伝える訳にもいきませんし…難しいですわね…」
あくまでケチュアは、お互いスグには上手くいきませんね。程度のつもりで言っただけなのだが…
「いやいや。ケチュアに比べれば私の方はそんなでもないよ。教えるべき相手がもう少しレベルが高ければ、多少のフィーリングを合わせれば教えられない事はないからね
それに比べてケチュアは剣を使わせても見習いレベルだし、書類整理もそんな言うほど慣れてる訳でもないんだから、また別の話だと思うけどね~(笑)」
リキュールは冗談っぽく言った。決してケチュアを馬鹿になどしてはいなかったのだが…思い返せばリキュールと初めて会ったその日から…リキュールは活躍しまくっているが、自分はコレと言っても何も成しえていない。それが、ケチュアを焦らせていた
「リキュール!私が何でもかんでも貴女に見劣りしていると思ってますの!?」
「な、何だいケチュア?別に馬鹿にした訳じゃないんだからさ…怒らなくても良いだろ?」
戦闘力(チカラ)が無いに等しいケチュアが凄んだところで、リキュールからすれば焦る必要も無いのだが……初めて魅せる彼女の気迫に思わず驚くリキュール
「いいえ!私(ワタクシ)からでも貴女に教えられる事が有るって事を、そろそろ教えてあげないとイケませんわね!」
「へ、へ~。ケチュアが私に何を教えてくれるんだろうね?(笑)ソレハキタイシチャウナァ」
こんな返し方をしたリキュールだが、内心は今まで出逢った誰よりもケチュアの仕草や反応に興味を覚えていた。本人も何故ケチュアにだけ、そこまで惹かれるのか分からないようだが…彼女を観ているのが楽しくて仕方ないようだ
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!言いましたわね!今夜たっぷり教えて差し上げますわ!」
ケチュアとリキュールは同じ部屋に住まわされている。ので、別に用事があるから訪ねたりする事もないのだが…今夜ケチュアが何を教えてくれるのか?少し楽しみなリキュールだった
続く
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