ようこそ幼い嫁候補たち ③

龍之介21時

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日常編

エルデスの過去

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【夜のアルバート家】
有栖と優輝が新婚旅行でフィンフィヨルドの宿で、イチャイチャな熱い夜(意味深)を過ごしていた頃のヘパイトスの街のアルバート家では…

「ノエールさんって、凄い体力とパワーだよねぇ」

「そうだなぁ…あれで剣術と知識が有れば、とんでもなく覚醒する可能性は無いこともねーかもな」

晩ご飯を済ませてから、2日続けて2人でお風呂を済ませたアリスとヨシュアは外に出て、長風呂し過ぎて温まり過ぎた身体を冷やしていた

「それしてもぉ…ヨシュアったらエッチぃ過ぎぃ!あんなにベタベタとアタシの身体を触ってさぁ(笑)」

「(꒪▿꒪ ٥)な、なんだよ!?「恋人なんだから、アリスの事をもっと知ってよぉ」…って言って身体を擦り寄らせて来たのはアリスだろうがっ!」

「だってぇ~ヨシュアがいっつもアタシと距離取ってるのを感じるからさぁ…サーシャが言うにはね、身体のスキンシップが距離を縮めるのにもってこいだよって…」

「サーシャの言うことは真に受けるなよw…そうだな、話半分くらいで聞いておきゃ良いんだよ」

「そうなのぉ?…うん、分かったぁ」

思春期真っ只中のヨシュアは若さも相まって、異性の事に興味が出始めた年頃だった。そんな時、お風呂まで一緒にするようになったアリスから甘い言葉を囁(ささや)かれ、思わず彼女の全身をくまなく調べたヨシュア。その行動をアリスに指摘され耳まで赤くして照れていると、そこへ…

「お2人とも~仲が宜しくて結構ですね~。お風呂が長かったようですが~ヨシュア様~アリス様に~エッチぃ悪戯でもしてたのですか~?」
  

「おわっ!?エルデスかよ…脅かすなっ!」

「あらあら~、驚かせてしまいましたか~…何かやましい事でも~アリスちゃんにしてたのですか~?(笑)」

普段のヨシュアなら、彼のスペックを考慮すれば歩いて近付いてくるエルデスの気配に気が付かないハズはないのだが…察知できないくらいにアリスとの会話を楽しんでいたようだ

「う、うるせーなっ!アリスが望んだみたいなもんなんだから…べ、別に良いだろうがよ!…オマエも普段から…「人の事をアレコレ~詮索するのは良くないですよ~」…って言ってるだろうがっ!」

今夜初めて異性の身体を隅々まで体験したヨシュアは、ソコを突っ込まれて平常心を保てなかった

「あはは~そうでしたね~。人には言いたくない秘密や~過去なんかもありますものね~これは失言ですね~」

珍しく謝罪するエルデスの顔を見たアリスに、前々から思っていた疑問が脳裏に浮かんだ

「そう言えばさぁ、エルデスさんってブルージュ村に来る前はぁ、何処に住んでたのぉ?良かったら教えて欲しいなぁ…」

「アリス!お前なぁ、たった今エルデスが人の過去をむやみに詮索するのは良くない。って言ってたとこ……」

「ヾノᵔ ᵕ ᵔ)イエイエ…別に構いませんですよ~。アリスちゃんは~ヨシュア様の~将来のお嫁さん候補ですから~エルデスの過去で良ければ~お話しますよ~」

「良いのかよ?…まぁ俺もオマエが父親(ザッド)の村に来る前の事には興味はあったけどよ…」

「2人から希望されちゃいましたね~分かりました~お話しますね~アレは~エルデスが~ザッド様に初めてお会いした~日のことなんですが~」

エルデスは2人に、彼女が前魔王(ザッド)に拾われてブルージュ村に移住する事になったキッカケを話し始めた


【80年前】
ちょうど今、有栖と優輝が訪れているフィン・フィヨルドの島の数十km南部にある、当時人口20人チョイの島でエルデスは、その島を代々守る巫女の末裔として生活していた

「ん~…発光蝶の数が心なしか…少ないように感じますね。何かあったのでしょうか?」
  

当時、その小さな村の巫女として生きていて、外の世界を知らなかった穏やかで人を疑うことを知らない純粋なエルデスは、その島に居る発光蝶が珍しい蝶だとは知らなかった。今夜もいつもの様に見回りを兼ねた散歩をしていたのだが…

その島には言い伝えがある
「この島には恐ろしい魔物が住み着いている。普段は地の底に眠っているのだが…満月の夜に生き物を見付けると食料にされてしまう」…と。

エルデスの巫女としての役目は、島の平和の象徴で有り続け、その魔物の封印が破られない様に定期的に夜中の巡回をして、封印のチェックと復元をする事だった

しかし、そんな彼女の役目と無関係な事で島に異変が起きていた。世界でも珍しい発光蝶がこの島に多く生息しているのだが…最近その数が減っているのだ


「おい!誰か居るぞ!夜は島の奴らは外出しねーんじゃなかったのか?」
「どうする?引き上げるか?」
「よく見ろ!若い女がひとりだけだ!」

島の海岸沿いに1隻の中型の船が止まっており、ソコから8人の屈強そうな男たちが降りてきて、島の巡回をしているエルデスに近付いてきた

「あの、どのような御用でこの島に来られたのでしょうか?この島は人も少なくて、これといった特産品も無い島なのですが?」
 

島民は高齢者が多いので、若くて逞しい男たちに囲まれたことの無いエルデスは口調からは分かりにくいが、かなり緊張している

「おいエルフだぞ、コイツ!」
「なんてデッカイ胸してやがる」
「たまんねー!お持ち帰りしよーぜ」
「女日照りもオサラバだ!」
「ε=\_○ノ ヒャッホウ!!」

男たちはエルデスの質問に全く答えようとするつもりも無いかのように、自分勝手なことばかり言っている

「あの~お話を聞いて欲しいのですが~」

彼の横柄な態度に、流石にエルデスも身の危険を感じていた



続く
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