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来訪者と変質者
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【竹取家】
「ジリリリリリ♪」
亜沙美の部屋でも、彼女のパンツが1枚無くなっている事に気が付いて動揺していたところに、まるで狙ったかのようなタイミングで固定電話が鳴り響いた
「ど、ど、ど、どうしよう?」
「ドドドじゃないわよ。出なさいよ…」
亜沙美の母親でさえ彼女に電話してくる時でも携帯を鳴らす。家の電話が鳴るのは学校からの連絡か?セールスの電話ぐらいなのだが…外は日も落ちて暗い。こんな時間に固定電話が鳴ったのは初めてなのだ
「も、もしもし…竹取ですけど?」
このタイミングでの電話に緊張しながらも、受話器を取った亜沙美
「えっ!?…えーと、はい、服部さん?…同じ学校の2年生の?」
「服部!?ちょっと亜沙美、電話代わってよ!」
電話先の相手は自分を服部と名乗ったが、誰なのか理解してない亜沙美だが…その名を聞いたロミータが反応して亜沙美に代わって電話に出た
「もしもしロミー…ロミータだけど、あんたこのタイミングで何の用なのよ?」
「亜沙美殿の家の中で何か違和感があったであろう?その事について会って話がしたいのだが…構わないでござるか?」
亜沙美はまだ理解していないが服部とは…以前、亜沙美が今和泉に告白されたのを断った時に、それが理由で虐められそうになったのを裏で動いて解決してくれた人物だ
自分(たけとり)家に電話を掛けてきた相手に亜沙美が見当もつかないのに、ロミータが理解している事に不思議に思った亜沙美は、ロミータの顔を覗き込んだ。すると…
「少し待ってて…亜沙美。この前の虐めになり掛けたのを助けてくれたのがこの服部さんよ。それで今から会って話したいんだって。良い?」
「そ、そうなの?…うん、私1人じゃないし会って話を聞いた方が良いよね?」
「待たせたわね。亜沙美は会うって言ってるわよ……うん、分かった。スグに来るのね?待ってるわ………チン」
話し終えたロミータは受話器を置いた。そして振り返り亜沙美に事情を説明し始めた
……………………………………………
亜沙美とロミータは「スグに来る」と言った服部を待つ為に階段を降りていた。「せっかく助けに来てくれるんだから、コーヒーと茶菓子くらい用意しときましょ」と言うロミータの意見を聞き入れた亜沙美は、2人でキッチンに向かった
「そうなんだ。その時の服部さんが、空き巣について何か知ってそうなんだね?その事で大事な話をしに来てくれるんだ」
「うん。そういう事らしいわ…ロミーもまだ言うほど服部には詳しくないんだけど…」
「ピンポーン♪」
「Σ( ˙꒳˙ ;)エ"ッ!?もう?」
「服部?…早過ぎない?」
電話を切ってから、まだ1分が経過した程度だったのだが…玄関の呼び鈴が鳴った
【玄関】
「ガチャ…えと、服部さんですか?」
「その通りでござる。すまぬが外で話すと目立ってしまうので中で話させてもらえぬだろうか?」
「信用しても大丈夫だと思うわよ」
玄関のドアを開けると…身長180cm以上の体格の良い男が立っていた。彼を初めて見た亜沙美はキョトンとした顔をしていた。ロミータの意見を信じて、亜沙美は彼をキッチンへと案内した
【キッチン】
「………それじゃあ服部さんは、この家に昼間侵入した怪しい男2人を見たと言うのね?」
「正確には拙者が見た訳ではないのだが、部下の1人が不審な挙動の男たちがこの家に侵入して行くのを偶然目撃し、持っていたスマホで撮影したのでござる」
「服部さんは、わざわざソレを教える為に家まで来てくれたんだね。ありがとう♪」
外での説明は避けたいと言う服部の言葉を聞き入れ、彼を応接間に案内した亜沙美は途中まで用意していたコーヒーと茶菓子を段取りしながら、彼の話に耳を傾けている
「いい亜沙美。ちょっと信じられないと思うけど、服部さんは伊賀流忍者の現当主なんだってさ。国とか企業に頼まれて、諜報活動なんかをしているそうよ」
「∑( °口° )ええっ!?そうなの?…今流行りの【スパイ家族(かぞく)】みたいだねぇ…カッコ良い!」
国や企業に雇われての諜報活動など、少し考えれば誰もやりたくないような、知りたくもないような情報を得る為に生命を掛けて仕事しているのだが…天然系な女子高生の亜沙美にはソレを逆に、テレビで見る流行りのアニメの世界観くらいに思ったようだ
「良かったらコーヒーとクッキーをどうぞ♪」
「かたじけない。頂くでござる」
亜沙美はピンチの時に、颯爽と駆けつけてくれる白馬の王子様を見るような目で服部を見ていた
「服部さん。さっき言ってた、この家に侵入した男たちを録画した映像を見せてもらえないかしら?」
「ここらは拙者が良いと言うまで小声で話して欲しいでござる」
「うん…」
「分かったわ…」
呑気な考えをしている亜沙美をおいといて、ロミータは今回の侵入者が誰なのか知りたくて彼のスマホを覗き込んだ
……………………………………………
「Σ(゜□゜)あぁ~っ!コイツらって引っ越し業者の作業員じゃない!亜沙美も覚えてるでしょ?」
「嘘ぉ?あの人たちが何でぇ!?」
キョロキョロと周囲を警戒しながら、作業着姿でこの家に侵入している2人の男。それは紛れもなく梨香の父親が手配してくれた引っ越し業者の作業員だった
「おそらく引っ越し作業の際に、この家に女子高生が2人だけで暮らすことになる。という事を知った彼らは欲に負けて、2人が留守のタイミングを狙って侵入したのであろうな…おそらくだが、家の中に盗聴器や隠しカメラが仕込まれているハズでござる」
「な、なんて事なの…うら若き乙女2人が暮らす家に無断で侵入するなんて許せないわ!」
怒りに拳を握って震えるロミータ。逆にこの家の者である亜沙美は、まだ驚いて口をポカーンと開けているだけだった
「2人とも。盗聴器で聞かれているかも知れないのでもう少し、静かに話してもらえぬか?専門の道具を持ってきたので調べようと思うでござる」
「う、うん。お願いします」
亜沙美の許可を得た服部は、カバンから何かの機械を取り出すとソレをコンセントや、テレビの裏側、ベッドの下などに当てて家の中を調べ始めた
続く
「ジリリリリリ♪」
亜沙美の部屋でも、彼女のパンツが1枚無くなっている事に気が付いて動揺していたところに、まるで狙ったかのようなタイミングで固定電話が鳴り響いた
「ど、ど、ど、どうしよう?」
「ドドドじゃないわよ。出なさいよ…」
亜沙美の母親でさえ彼女に電話してくる時でも携帯を鳴らす。家の電話が鳴るのは学校からの連絡か?セールスの電話ぐらいなのだが…外は日も落ちて暗い。こんな時間に固定電話が鳴ったのは初めてなのだ
「も、もしもし…竹取ですけど?」
このタイミングでの電話に緊張しながらも、受話器を取った亜沙美
「えっ!?…えーと、はい、服部さん?…同じ学校の2年生の?」
「服部!?ちょっと亜沙美、電話代わってよ!」
電話先の相手は自分を服部と名乗ったが、誰なのか理解してない亜沙美だが…その名を聞いたロミータが反応して亜沙美に代わって電話に出た
「もしもしロミー…ロミータだけど、あんたこのタイミングで何の用なのよ?」
「亜沙美殿の家の中で何か違和感があったであろう?その事について会って話がしたいのだが…構わないでござるか?」
亜沙美はまだ理解していないが服部とは…以前、亜沙美が今和泉に告白されたのを断った時に、それが理由で虐められそうになったのを裏で動いて解決してくれた人物だ
自分(たけとり)家に電話を掛けてきた相手に亜沙美が見当もつかないのに、ロミータが理解している事に不思議に思った亜沙美は、ロミータの顔を覗き込んだ。すると…
「少し待ってて…亜沙美。この前の虐めになり掛けたのを助けてくれたのがこの服部さんよ。それで今から会って話したいんだって。良い?」
「そ、そうなの?…うん、私1人じゃないし会って話を聞いた方が良いよね?」
「待たせたわね。亜沙美は会うって言ってるわよ……うん、分かった。スグに来るのね?待ってるわ………チン」
話し終えたロミータは受話器を置いた。そして振り返り亜沙美に事情を説明し始めた
……………………………………………
亜沙美とロミータは「スグに来る」と言った服部を待つ為に階段を降りていた。「せっかく助けに来てくれるんだから、コーヒーと茶菓子くらい用意しときましょ」と言うロミータの意見を聞き入れた亜沙美は、2人でキッチンに向かった
「そうなんだ。その時の服部さんが、空き巣について何か知ってそうなんだね?その事で大事な話をしに来てくれるんだ」
「うん。そういう事らしいわ…ロミーもまだ言うほど服部には詳しくないんだけど…」
「ピンポーン♪」
「Σ( ˙꒳˙ ;)エ"ッ!?もう?」
「服部?…早過ぎない?」
電話を切ってから、まだ1分が経過した程度だったのだが…玄関の呼び鈴が鳴った
【玄関】
「ガチャ…えと、服部さんですか?」
「その通りでござる。すまぬが外で話すと目立ってしまうので中で話させてもらえぬだろうか?」
「信用しても大丈夫だと思うわよ」
玄関のドアを開けると…身長180cm以上の体格の良い男が立っていた。彼を初めて見た亜沙美はキョトンとした顔をしていた。ロミータの意見を信じて、亜沙美は彼をキッチンへと案内した
【キッチン】
「………それじゃあ服部さんは、この家に昼間侵入した怪しい男2人を見たと言うのね?」
「正確には拙者が見た訳ではないのだが、部下の1人が不審な挙動の男たちがこの家に侵入して行くのを偶然目撃し、持っていたスマホで撮影したのでござる」
「服部さんは、わざわざソレを教える為に家まで来てくれたんだね。ありがとう♪」
外での説明は避けたいと言う服部の言葉を聞き入れ、彼を応接間に案内した亜沙美は途中まで用意していたコーヒーと茶菓子を段取りしながら、彼の話に耳を傾けている
「いい亜沙美。ちょっと信じられないと思うけど、服部さんは伊賀流忍者の現当主なんだってさ。国とか企業に頼まれて、諜報活動なんかをしているそうよ」
「∑( °口° )ええっ!?そうなの?…今流行りの【スパイ家族(かぞく)】みたいだねぇ…カッコ良い!」
国や企業に雇われての諜報活動など、少し考えれば誰もやりたくないような、知りたくもないような情報を得る為に生命を掛けて仕事しているのだが…天然系な女子高生の亜沙美にはソレを逆に、テレビで見る流行りのアニメの世界観くらいに思ったようだ
「良かったらコーヒーとクッキーをどうぞ♪」
「かたじけない。頂くでござる」
亜沙美はピンチの時に、颯爽と駆けつけてくれる白馬の王子様を見るような目で服部を見ていた
「服部さん。さっき言ってた、この家に侵入した男たちを録画した映像を見せてもらえないかしら?」
「ここらは拙者が良いと言うまで小声で話して欲しいでござる」
「うん…」
「分かったわ…」
呑気な考えをしている亜沙美をおいといて、ロミータは今回の侵入者が誰なのか知りたくて彼のスマホを覗き込んだ
……………………………………………
「Σ(゜□゜)あぁ~っ!コイツらって引っ越し業者の作業員じゃない!亜沙美も覚えてるでしょ?」
「嘘ぉ?あの人たちが何でぇ!?」
キョロキョロと周囲を警戒しながら、作業着姿でこの家に侵入している2人の男。それは紛れもなく梨香の父親が手配してくれた引っ越し業者の作業員だった
「おそらく引っ越し作業の際に、この家に女子高生が2人だけで暮らすことになる。という事を知った彼らは欲に負けて、2人が留守のタイミングを狙って侵入したのであろうな…おそらくだが、家の中に盗聴器や隠しカメラが仕込まれているハズでござる」
「な、なんて事なの…うら若き乙女2人が暮らす家に無断で侵入するなんて許せないわ!」
怒りに拳を握って震えるロミータ。逆にこの家の者である亜沙美は、まだ驚いて口をポカーンと開けているだけだった
「2人とも。盗聴器で聞かれているかも知れないのでもう少し、静かに話してもらえぬか?専門の道具を持ってきたので調べようと思うでござる」
「う、うん。お願いします」
亜沙美の許可を得た服部は、カバンから何かの機械を取り出すとソレをコンセントや、テレビの裏側、ベッドの下などに当てて家の中を調べ始めた
続く
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