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異変
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【竹取家18時過ぎ】
「ただいま」
「おかえりぃ♪」
学校帰りに食材を買った2人が竹取家に帰ってきた。ロミータの言葉に「おかえり」を言えた亜沙美はニコニコしている
「どうしたの亜沙美?えらく上機嫌じゃない?」
「うん!ほら、この1年間くらい私ずっと1人で暮らしてたからさわ返事してくれる人が居なくて少し寂しかったんだぁ」
亜沙美が不登校になる少し前くらいから、誰にも不安や悲しみを言えない彼女が家に帰った時…「ただいま」と言った返しは静寂しかなかった。その日々の積み重ねが亜沙美を引き籠もりへと導いてしまった
「なるほどね…これからはロミーが毎日「おかえりなさい」言ってあげるから安心なさい」
「えへへ♪じゃあ、今日の晩御飯は私が作ってあげるねぇ♪ロミータちゃんはゆっくりしてて」
「そうね…着替えさせてもらうわ。その後で洗濯物をたたんでおくわねっ!その前に…【CCCレモン】飲ませてもらうわね」
「うん、良いよォ」
朝、学校に出掛ける前に洗濯機を回し干していた服を片付けると言うロミータ。ちゃんと助け合いをしようという気持ちが現れていた。ただ、喉が渇いていたのでソフトドリンクを飲んでからにしようとしたのだが…
「ちょっと亜沙美。学校行く前にロミーの【CCCレモン】飲んだ?無いんだけど?」
「へっ!?…んーん、飲んでないよぉ?」
「本当に?でも空になってるわよ…亜沙美じゃなかったら誰が飲んだって言うの?」
「本当に飲んでないよ。私、炭酸はあんまり得意じゃないから基本買わないもん」
「確かに…そうだったわね…となると…あ!まさか!?」
「どうしたのロミータちゃん?」
悪い予感がしたロミータは2階の亜沙美父(ロミータ)の部屋へ向かった!女子高生2人の服(下着込み)を洗濯機のある1階に干すと目につきやすいし、2階の亜沙美の部屋だとバレるかも?と思ったロミータは、去年亡くなって誰も使っていなかった亜沙美父(ロミータ)の部屋なら安全だろうと思って、その部屋に干しておいたのだが…
【ロミータの部屋】
「どうしたのロミータちゃん?」
ロミータのタダならぬ表情が気になった亜沙美は料理の手を止めて、慌てて彼女を追い掛けて2-3分後に彼女の部屋に入ったのだが…
「やられたわ…ロミーのお気に入りのブラが1つ無くなっているわ…」
「Σ(゜д゜;)えっ!本当に?」
「嘘じゃないわよ。亜沙美のも一緒に干して置いたんだから、亜沙美も自分の下着が無くなってないか?チェックしてみなさいよ」
「う、うん…」
亜沙美たちが学校に行っている間に、冷蔵庫に入れたロミータの【CCCレモン】と、昨日まで使っていなかった部屋に干した彼女のブラが無くなっている。ロミータは最悪の予感がした
「ちょっと待っててね!」
「亜沙美!?」
何かに気が付いた亜沙美が部屋を出て、隣の自分の部屋に入って行った
【亜沙美の部屋】
自分の部屋のタンスを調べている亜沙美。数分後…立ち上がり振り返った亜沙美
「私のお気に入りのパンツが3つ無くなってるよぉ…な、何があったのぉ?」
青ざめた表情をしている亜沙美は、留守の間に何が起こったのかを理解できていないようだ
「たぶんだけど…空き巣ね」
「泥棒さん?」
ロミータに言われて、ようやくこの家に何者かが侵入した可能性が高いことを知った亜沙美。しばらく考えていたロミータが口を開いた
「昨日の昼過ぎに引越し業者の人が来てロミーの荷物を運び込んだじゃない?」
「う、うん。そうだよね…その後ロミータちゃんのお父さんと梨香ちゃんと太一が残って、それから焼き肉に連れてってもらって…」
「そうよね。遠巻きからこの家の事を見張っていたのなら…引越し業者が帰った後にこの家に残ったのは男が2人、女が3人よね…」
「梨香ちゃんはロミータちゃんのお父さんと車で帰って行って、太一も歩いて帰ったから…」
「この家には女子高生2人だけが住んでいる。って事が容易に分かっちゃったわよね」
「それで今朝、私たちが学校に行って誰も居なくなってから入られた。って事なのぉ!?」
「そうね、それで間違いないと思うわ…」
ロミータがこの家に引越して来たことで、女子高生2人だけで住んでいる事がバレて空き巣に遭ってしまった可能性が高いことが判明した!
「ど、ど、ど、どうしようロミータちゃん?」
「落ち着きなさいよ亜沙美…そうね…セオリーだけど警察に言いに行く?もっとも警察がマトモに対応してくれれば良いんだけど…」
警察官もピンキリで、町の住人に対して紳士な対応をしてくれる者もいれば、「まだ犯罪行為と認定するには被害が軽過ぎる。勘違いかもしれませんよね?」と初動が遅い警察官も居るのだ。最悪、女子高生2人の被害に興味を持ったゲスな警察官に妙なセクハラ紛いの質問攻めに逢うケースもあると言う
「もしかすると…1種の博打になっちゃうかも知れないわね。どうする亜沙美?」
「どどど、どうしよぉ?」
「ジリリリリリリ♪」
「きゃうっ!?」
「何?電話?」
2人が答えを出せないまま立ち尽くしていると、家に備え付けてある固定電話がけたたましく鳴り響いた!
基本、亜沙美に電話を掛けてくるのは彼女の母親か太一くらいだ。それも彼女の携帯電話にだ。固定式の電話は、彼女の母親が常に家に居た時に留守番電話として使っていたくらいなので、亜沙美の母親が頻繁に外泊する様になってからは鳴らない電話だったのだが…
続く
「ただいま」
「おかえりぃ♪」
学校帰りに食材を買った2人が竹取家に帰ってきた。ロミータの言葉に「おかえり」を言えた亜沙美はニコニコしている
「どうしたの亜沙美?えらく上機嫌じゃない?」
「うん!ほら、この1年間くらい私ずっと1人で暮らしてたからさわ返事してくれる人が居なくて少し寂しかったんだぁ」
亜沙美が不登校になる少し前くらいから、誰にも不安や悲しみを言えない彼女が家に帰った時…「ただいま」と言った返しは静寂しかなかった。その日々の積み重ねが亜沙美を引き籠もりへと導いてしまった
「なるほどね…これからはロミーが毎日「おかえりなさい」言ってあげるから安心なさい」
「えへへ♪じゃあ、今日の晩御飯は私が作ってあげるねぇ♪ロミータちゃんはゆっくりしてて」
「そうね…着替えさせてもらうわ。その後で洗濯物をたたんでおくわねっ!その前に…【CCCレモン】飲ませてもらうわね」
「うん、良いよォ」
朝、学校に出掛ける前に洗濯機を回し干していた服を片付けると言うロミータ。ちゃんと助け合いをしようという気持ちが現れていた。ただ、喉が渇いていたのでソフトドリンクを飲んでからにしようとしたのだが…
「ちょっと亜沙美。学校行く前にロミーの【CCCレモン】飲んだ?無いんだけど?」
「へっ!?…んーん、飲んでないよぉ?」
「本当に?でも空になってるわよ…亜沙美じゃなかったら誰が飲んだって言うの?」
「本当に飲んでないよ。私、炭酸はあんまり得意じゃないから基本買わないもん」
「確かに…そうだったわね…となると…あ!まさか!?」
「どうしたのロミータちゃん?」
悪い予感がしたロミータは2階の亜沙美父(ロミータ)の部屋へ向かった!女子高生2人の服(下着込み)を洗濯機のある1階に干すと目につきやすいし、2階の亜沙美の部屋だとバレるかも?と思ったロミータは、去年亡くなって誰も使っていなかった亜沙美父(ロミータ)の部屋なら安全だろうと思って、その部屋に干しておいたのだが…
【ロミータの部屋】
「どうしたのロミータちゃん?」
ロミータのタダならぬ表情が気になった亜沙美は料理の手を止めて、慌てて彼女を追い掛けて2-3分後に彼女の部屋に入ったのだが…
「やられたわ…ロミーのお気に入りのブラが1つ無くなっているわ…」
「Σ(゜д゜;)えっ!本当に?」
「嘘じゃないわよ。亜沙美のも一緒に干して置いたんだから、亜沙美も自分の下着が無くなってないか?チェックしてみなさいよ」
「う、うん…」
亜沙美たちが学校に行っている間に、冷蔵庫に入れたロミータの【CCCレモン】と、昨日まで使っていなかった部屋に干した彼女のブラが無くなっている。ロミータは最悪の予感がした
「ちょっと待っててね!」
「亜沙美!?」
何かに気が付いた亜沙美が部屋を出て、隣の自分の部屋に入って行った
【亜沙美の部屋】
自分の部屋のタンスを調べている亜沙美。数分後…立ち上がり振り返った亜沙美
「私のお気に入りのパンツが3つ無くなってるよぉ…な、何があったのぉ?」
青ざめた表情をしている亜沙美は、留守の間に何が起こったのかを理解できていないようだ
「たぶんだけど…空き巣ね」
「泥棒さん?」
ロミータに言われて、ようやくこの家に何者かが侵入した可能性が高いことを知った亜沙美。しばらく考えていたロミータが口を開いた
「昨日の昼過ぎに引越し業者の人が来てロミーの荷物を運び込んだじゃない?」
「う、うん。そうだよね…その後ロミータちゃんのお父さんと梨香ちゃんと太一が残って、それから焼き肉に連れてってもらって…」
「そうよね。遠巻きからこの家の事を見張っていたのなら…引越し業者が帰った後にこの家に残ったのは男が2人、女が3人よね…」
「梨香ちゃんはロミータちゃんのお父さんと車で帰って行って、太一も歩いて帰ったから…」
「この家には女子高生2人だけが住んでいる。って事が容易に分かっちゃったわよね」
「それで今朝、私たちが学校に行って誰も居なくなってから入られた。って事なのぉ!?」
「そうね、それで間違いないと思うわ…」
ロミータがこの家に引越して来たことで、女子高生2人だけで住んでいる事がバレて空き巣に遭ってしまった可能性が高いことが判明した!
「ど、ど、ど、どうしようロミータちゃん?」
「落ち着きなさいよ亜沙美…そうね…セオリーだけど警察に言いに行く?もっとも警察がマトモに対応してくれれば良いんだけど…」
警察官もピンキリで、町の住人に対して紳士な対応をしてくれる者もいれば、「まだ犯罪行為と認定するには被害が軽過ぎる。勘違いかもしれませんよね?」と初動が遅い警察官も居るのだ。最悪、女子高生2人の被害に興味を持ったゲスな警察官に妙なセクハラ紛いの質問攻めに逢うケースもあると言う
「もしかすると…1種の博打になっちゃうかも知れないわね。どうする亜沙美?」
「どどど、どうしよぉ?」
「ジリリリリリリ♪」
「きゃうっ!?」
「何?電話?」
2人が答えを出せないまま立ち尽くしていると、家に備え付けてある固定電話がけたたましく鳴り響いた!
基本、亜沙美に電話を掛けてくるのは彼女の母親か太一くらいだ。それも彼女の携帯電話にだ。固定式の電話は、彼女の母親が常に家に居た時に留守番電話として使っていたくらいなので、亜沙美の母親が頻繁に外泊する様になってからは鳴らない電話だったのだが…
続く
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