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学校に来た理由
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【野球部部室野球部裏】
「……もしかして…俺じゃ駄目なんすか!?」
「いや、あの…駄目とかじゃなくて…その…」
「今和泉!待ってやってくれよ。亜沙美はテキパキ話すのは苦手なんだ。時間を掛けて相手に慣れてきたら、ようやく少しずつテンポ上がるタイプなんだから急かさないでやってくれ」
「そ、そうなのか?…申し訳ないっす…」
「ううん…良いの…」
今和泉も野球部のキャプテンをしているが、告白された事も無ければ告白した事も無かった。なので、思い切った告白をして緊張しているので、なかなか返事が返って来ない事に焦ったようだ
「あ。あのね…私、告白した事もされた事も無いの…!?」
(あ、あれ?そうだったっけ?私…少し前に誰かから「大好きだ」って言われなかったっけ?…そうだ!!)
生まれて初めて異性から告白を受けて、この1週間まともにモノを考えられなかった亜沙美だが、告白に関して口に出した時にある事に気が付いた
……………………………………………
「ご、ごめんなさい。私なんかじゃ…」
(ううん、駄目!私なんかって言っちゃ…)
「あのね今和泉さん。私今、凄く夢中になってる事があるの…それでね…ソレを一緒にやってくれる友達が居るの…ソレも大事にして行きたいし、その子のことも凄く大事なの…だから…付き合えないの…ごめんなさい…」
亜沙美は勇気を振り絞って、今和泉に断りの返事をした。その答えを聞かされ肩を落とす今和泉
「……そ、そうなんだ…そうっすよね…竹取さん可愛いから、俺より早く声を掛けた男が居たんすね…分かりました。諦めるっす………返事くれて有難うございましたっす!では!」
そう言うと今和泉は振り返ることなく校舎の中へと消えて行った…振った亜沙美は非常に申し訳ない。といった顔をしている
「あー良かった!ドキドキさせられたわっ!」
「ロミータちゃん!?」
今和泉が去った後に校舎の影からロミータが現れた。安心した顔で2人に近づく
「み、見てたのぉ!?ど、ど、ど、どういう事なのよ太一?」
「じ、実はな…今和泉に引き合わせたあの日に…せめて梨香には伝えておこう。と思って携帯で話したんだよ。そしたらロミータちゃんにも聞かれちゃってさ…」
「そうよっ!「なんて事してくれてやがるんだっ!」って怒鳴ったらさ、梨香に「亜沙美ちゃんが答えを出すまで何も言わずに見守ってあげなさい」って言うから…ずっとドキドキしてた。本当は割って入ってぶっ壊してやりたかったんだけどね。でも、我慢してたの…まぁ、亜沙美のこと信じてたけどね…」
「そうなんだ……あぁ!?だから最近、電話してくれなかったのぉ?…相談に乗って欲しくて仕方なかったんだよぉ!!」
「だってさ~…「ロミーが話したら、そんな奴とは付き合うな!の一点張りになるでしょ!」って梨香に釘を刺されてさ…」
「でも…ありがとうねぇ!信じてくれて♪」
(そうだった!私が再び学校に来ることが出来るようになった理由…それはお父さんに心配掛けないように、VTuber活動も学校生活も頑張る事だった!ロミータちゃんは、ソレを1番支えてくれる大切な人なんだからぁー)
兎にも角にも土壇場で亜沙美は、ロミータに大好きだ!と言われていた事。ロミータと共に自分の意思で始めたVTuber活動を頑張っていく事を思い出し、今和泉へ断りの返事をする事が出来た。これで、亜沙美はロミータと二人三脚でVTuber活動を頑張りつつ、高校生活を遅れると思われたのだが…
【半月後のクラス内】
「亜沙美さん。少し良いかしら?話があるのですけど?」
「( °◽︎° ;)えっ!?良いですけど…」
「大切な話だから…人の居ない部屋で話たいの」
9月末の土曜日の放課後、ロミータが「担任の先生から頼まれた事があるから、一緒に帰りたいから少し待ってて」
と言われて教室でひとり本を読んでいると、他のクラスの女生徒が3人亜沙美のクラスを訪ねてきて、亜沙美と共にクラスを出て行った
【20分後のクラス】
「亜沙美~、待った~ごめんね~、面倒くさい事を手伝わされちゃってさ~……亜沙美?」
ロミータが担任から頼まれた、他のクラスの外国人生徒の相談に乗るための通訳を彼女に頼んだのだが、ソレを終わらせダッシュでクラスに戻ったのだが…ソコに亜沙美の姿は無かった
「ね~誰か亜沙美が何処に行ったか知らない?」
亜沙美は約束した事は裏切らない性格だということをロミータは知っている。ソレはクラスメイトでさえ知っている程の事なのだが…
ロミータを待っている。と言った亜沙美がクラスに居ない。その事に妙な胸騒ぎを感じたロミータは、大きな声でまだクラスに残っている者たちに聞いて回った
「別のクラスの生徒が来て亜沙美を連れて行った?ど、何処に?」
「分からないけど…誰も来ない部屋ではなしたい。って言ってたから…今は使われていない美術室じゃないかな?」
「ありがとうっ!亜沙美!」
有力な情報を得たロミータは一言礼を言ったあと、高速で部屋を飛び出し美術室に向かった
【美術室】
「亜沙美!居るっ?」
「…あっ!?ロミータちゃん…私…悪いことしちゃったのかな?…私って悪い子なのかな?」
美術室に入ったロミータは、教室の中央の椅子に座り俯いている顔色の悪い亜沙美の姿に驚いた
「な、何があったの亜沙美?ロミータに話してみて…」
ロミータが担任の手伝いをしていた20分の間に、一体亜沙美に何があったというのだろうか?彼女のここまで沈んだ表情を初めて見たロミータは、気になり過ぎて亜沙美の前に膝をついて彼女に問い掛けるのだった
続く
「……もしかして…俺じゃ駄目なんすか!?」
「いや、あの…駄目とかじゃなくて…その…」
「今和泉!待ってやってくれよ。亜沙美はテキパキ話すのは苦手なんだ。時間を掛けて相手に慣れてきたら、ようやく少しずつテンポ上がるタイプなんだから急かさないでやってくれ」
「そ、そうなのか?…申し訳ないっす…」
「ううん…良いの…」
今和泉も野球部のキャプテンをしているが、告白された事も無ければ告白した事も無かった。なので、思い切った告白をして緊張しているので、なかなか返事が返って来ない事に焦ったようだ
「あ。あのね…私、告白した事もされた事も無いの…!?」
(あ、あれ?そうだったっけ?私…少し前に誰かから「大好きだ」って言われなかったっけ?…そうだ!!)
生まれて初めて異性から告白を受けて、この1週間まともにモノを考えられなかった亜沙美だが、告白に関して口に出した時にある事に気が付いた
……………………………………………
「ご、ごめんなさい。私なんかじゃ…」
(ううん、駄目!私なんかって言っちゃ…)
「あのね今和泉さん。私今、凄く夢中になってる事があるの…それでね…ソレを一緒にやってくれる友達が居るの…ソレも大事にして行きたいし、その子のことも凄く大事なの…だから…付き合えないの…ごめんなさい…」
亜沙美は勇気を振り絞って、今和泉に断りの返事をした。その答えを聞かされ肩を落とす今和泉
「……そ、そうなんだ…そうっすよね…竹取さん可愛いから、俺より早く声を掛けた男が居たんすね…分かりました。諦めるっす………返事くれて有難うございましたっす!では!」
そう言うと今和泉は振り返ることなく校舎の中へと消えて行った…振った亜沙美は非常に申し訳ない。といった顔をしている
「あー良かった!ドキドキさせられたわっ!」
「ロミータちゃん!?」
今和泉が去った後に校舎の影からロミータが現れた。安心した顔で2人に近づく
「み、見てたのぉ!?ど、ど、ど、どういう事なのよ太一?」
「じ、実はな…今和泉に引き合わせたあの日に…せめて梨香には伝えておこう。と思って携帯で話したんだよ。そしたらロミータちゃんにも聞かれちゃってさ…」
「そうよっ!「なんて事してくれてやがるんだっ!」って怒鳴ったらさ、梨香に「亜沙美ちゃんが答えを出すまで何も言わずに見守ってあげなさい」って言うから…ずっとドキドキしてた。本当は割って入ってぶっ壊してやりたかったんだけどね。でも、我慢してたの…まぁ、亜沙美のこと信じてたけどね…」
「そうなんだ……あぁ!?だから最近、電話してくれなかったのぉ?…相談に乗って欲しくて仕方なかったんだよぉ!!」
「だってさ~…「ロミーが話したら、そんな奴とは付き合うな!の一点張りになるでしょ!」って梨香に釘を刺されてさ…」
「でも…ありがとうねぇ!信じてくれて♪」
(そうだった!私が再び学校に来ることが出来るようになった理由…それはお父さんに心配掛けないように、VTuber活動も学校生活も頑張る事だった!ロミータちゃんは、ソレを1番支えてくれる大切な人なんだからぁー)
兎にも角にも土壇場で亜沙美は、ロミータに大好きだ!と言われていた事。ロミータと共に自分の意思で始めたVTuber活動を頑張っていく事を思い出し、今和泉へ断りの返事をする事が出来た。これで、亜沙美はロミータと二人三脚でVTuber活動を頑張りつつ、高校生活を遅れると思われたのだが…
【半月後のクラス内】
「亜沙美さん。少し良いかしら?話があるのですけど?」
「( °◽︎° ;)えっ!?良いですけど…」
「大切な話だから…人の居ない部屋で話たいの」
9月末の土曜日の放課後、ロミータが「担任の先生から頼まれた事があるから、一緒に帰りたいから少し待ってて」
と言われて教室でひとり本を読んでいると、他のクラスの女生徒が3人亜沙美のクラスを訪ねてきて、亜沙美と共にクラスを出て行った
【20分後のクラス】
「亜沙美~、待った~ごめんね~、面倒くさい事を手伝わされちゃってさ~……亜沙美?」
ロミータが担任から頼まれた、他のクラスの外国人生徒の相談に乗るための通訳を彼女に頼んだのだが、ソレを終わらせダッシュでクラスに戻ったのだが…ソコに亜沙美の姿は無かった
「ね~誰か亜沙美が何処に行ったか知らない?」
亜沙美は約束した事は裏切らない性格だということをロミータは知っている。ソレはクラスメイトでさえ知っている程の事なのだが…
ロミータを待っている。と言った亜沙美がクラスに居ない。その事に妙な胸騒ぎを感じたロミータは、大きな声でまだクラスに残っている者たちに聞いて回った
「別のクラスの生徒が来て亜沙美を連れて行った?ど、何処に?」
「分からないけど…誰も来ない部屋ではなしたい。って言ってたから…今は使われていない美術室じゃないかな?」
「ありがとうっ!亜沙美!」
有力な情報を得たロミータは一言礼を言ったあと、高速で部屋を飛び出し美術室に向かった
【美術室】
「亜沙美!居るっ?」
「…あっ!?ロミータちゃん…私…悪いことしちゃったのかな?…私って悪い子なのかな?」
美術室に入ったロミータは、教室の中央の椅子に座り俯いている顔色の悪い亜沙美の姿に驚いた
「な、何があったの亜沙美?ロミータに話してみて…」
ロミータが担任の手伝いをしていた20分の間に、一体亜沙美に何があったというのだろうか?彼女のここまで沈んだ表情を初めて見たロミータは、気になり過ぎて亜沙美の前に膝をついて彼女に問い掛けるのだった
続く
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