引き籠もりVTuber 学生編

龍之介21時

文字の大きさ
上 下
92 / 173

梨香の想い

しおりを挟む
【翌朝の立華家】
「(人˙꒳˙ )いただきますっ!」
「いただきマース♪」

土曜日の立華家の朝食
家政婦の佐藤さんが作ってくれた、いつもの美味しい朝食を気持ち良く食べ始める梨香とロミータ

「今日のロミータちゃんは、なんだかご機嫌だねぇ♪」

「美味しそうに食べてくれて私も嬉しいわ♫」

立華パパから見ても、佐藤さんから見ても今朝のロミータは元気絶好調だった。まだ太一と亜沙美のスペアキーの件で気持ちが晴れていない梨香も、ロミータの元気の良さが気になっていた

「ロミー、昨夜。楽しそうな声が部屋から聞こえていましたけど…誰か友達とお話していたのですか?」

「えっと…梨香にはロミーがVTuberしてる。って前に話したよねっ」

「……そうでしたわね…(๑°ㅁ°๑)えっ!?YouTuberじゃなくて、ロミーもVTuberでしたの?」

ロミータが母親の実家であるイングランドに戻っていた時に、寂しさを紛(まぎ)らわす為に配信活動を始めた事は聞いていた梨香
だが、それが亜沙美と同じVTuber形式でやっている事は今初めて知ったようだ

……………………………………………

「それで昨夜、亜沙美と格闘ゲームで勝負してたんだけどさっ!…まぁ、話の成り行きでプール配信しよう!って事になってね…」

「Σ(*oωo艸;)ええ!?VTuberってCGの姿でしょ。プール配信なんて出来ますの?」

「機材を持ち込めば出来るよっ。パパに頼んでスポーツジムを1日貸し切らせて欲しいって、もう頼んじゃったんだ……どう?梨香も行かない?」

「私も?…えぇ良いですよ………あの、ロミー…太一君も呼ぶの、かな?」
 

「うん!そのつもりよっ。だって女の子3人だけのお出掛けって危ないでしょっ?彼が居たら少しは安心じゃない?」

「そ、そうね…その方が良い、わよね…」

そう言うと梨香は俯(うつむ)いてしまう。亜沙美を呼べば当たり前のように太一が付いてくる。それは梨香にとっては嬉しくもあり、少し嫌な気持ちにもさせられた

「そんなイベントを企画していたのか。良し!それなら私も機材搬送を手伝おうじゃないか!ロミータちゃんのお父さんの手伝いをしなければな♪」

「パパの会社のスタッフがやってくれると思いますよ?」

「貸し切りのスポーツジムを私の娘も利用させてもらうんだ。私が何もしない訳にはイカないからね」

立華パパも妙にヤル気になっている。父親が気を利かせて一緒に来てくれるので、亜沙美と太一に会うことが少し楽になった梨香



【亜沙美と太一】
「やっほ太一!あの…どうかな?普段はこんな可愛らしい服は着ないんだけどさ…もしかしたら太一が喜ぶかなぁ…って思って…」
 

「いやいや、良いんじゃないか!凄く可愛いぜ…似合ってるよ」

亜沙美が自分の為に服を選んで着てくれた事を理解した太一は、いつもと違い可愛い亜沙美と並んで歩く事に少し恥ずかしさを感じたが…それ以上に亜沙美が自分の為にしてくれた事が嬉しくて、素直に彼女の服装を褒めた

2人は前回スペアキーの受け渡しを見られてしまったショッピングモールに、敢えてまた来ていた。前回鉢合わせして、今回もまた!…なんて偶然はそうそう起こりえないだろうと判断したからだ

「ところで今週は買い物がしたい!って言ってたけど…亜沙美は何か買いたい物があるのか?」

「昨夜ね。ロミーちゃんと約束したんだ」

「ロミーちゃん?ロミータちゃんの事か?」

太一はロミータがロミーの名前で、VTuber活動をしている事を知らなかった。亜沙美は太一にロミータもVTuberである事を教えた

「ヾ(ヽ0Д0)ェエエ工ー!!マジかよ!ロミータちゃんもVTuber?…それにチャンネル登録者が30万人超えてるのかよ!すげぇな…」

「コラコラ~ 声が大きいって!誰に聞かれてるか分からないんだからさ。そういう事は小さな声で話してよね。身バレしたら大変なんだからね!」

「あぁ…すまない。で、それが今日の買い物とどういう関係があるんだ?」

「( ´艸`)ムフ♪今度ロミータちゃんとプール配信する事になってさ、スクール水着以外の水着なんて持ってないから、今日の太一とのお出掛けで買っておこうかな?って思ってね…そうそう!その日は太一も一緒に来てね。ロミータちゃんが太一も来て欲しいってさ」

「そうなのか…うん。分かったよ」
(ロミータちゃんが?おかしいなぁ…前回の失言の時から嫌われてるんじゃないか?って思ってるのに、何で俺まで呼ばれるんだ?)

あの時ロミータからキツく言われた太一は、どうして自分までも呼ばれているのか?その理由が分からなかったし、少し嫌な予感もした
もちろん横を歩いている天然系の亜沙美は、そんな事まで気が回っていないのだが…



続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...