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第一章
傷、グラッツァ盗賊団
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やがて、カルシュは長い旅をしてアンドロイドの彼らをまき、村に戻ってきた。すでにロジーやサトナ、キリはついていた。あきれた顔をしながらカルシュは、すってきた拳銃を、キリにわたした。
その夜、村の一部屋をまた借りるが、筋肉痛でよく眠れず、カルシュは廊下で妙な話声をきいた。
「もうやめようよ」
「いや、もう少しだ」
「こんなのいつまで続けてても……」
「私たちに、もう未来はないんだ……」
ボソボソときこえる。初めに喋ったのがサトナで、多分相手はキリだろう、カルシュは、今日キリに言われた事を思い出して、頭の中で反復した。
「人でなし……か」
キネクの顔が浮かんだ。
朝方、カルシュは村長に呼び出された。村長のヘイ爺はやけにニコニコしている。キリ、サトナ、ほかの村人たちもほとんどそこにいた。
「カルシュ君、本当にありがとう、これで君の望み通りのものをやろう」
キリが、件のアクセサリーを持って前に出た。カルシュはそれをうけとる。
「ところで……」
村長が話を続けようとしたとき
《プルルルル!!!》
スマートガジェッドの音がする。カルシュは自分の近くだとおもい、それを確認する。ロジーに尋ねた。
「誰から?」
「ミユナからですっ!!」
ミユナは電話口の向こうで、大勢の盗賊に追われていた。ミユナは続ける。
「あのあと、星間アーマーの肩口にどこかで見た紋章ついてたから調べたの、それでわかった“グラッツァ盗賊団”ここ最近、このあたりで有名なずるがしこいやつらのものだってね、星間アーマーはたおしたけどともかくそれがでばってきて、あんた!アンドロイドたちを怒らせたでしょ!彼らに追われそうになったからその二組を鉢合わせて戦わせたのよ!!」
ミユナは思い出す。自分が星間アーマーを二体倒したあと、盗賊団からにげて集落に迷い込んでそこで集落の人々に襲われそうになったとき、彼女は盗賊団を指さしていったのだ。
“あっちにあんたたちに迷惑をかけたアホ毛の一匹オオカミがいる!”
「ともかく早くきて!!その盗賊団、数が多くて、20は倒したはずなのに、まだわらわらいるのよ」
「どれくらい!?」
「30はいるかしら!?」
「!?」
その電話が繰り広げられている、ちょうどミユナのいる付近の地下で、海賊の帽子のようなものと眼帯をつけた男がにやにやと、半径5メートルはあるドーム状の巨大な装置をみてわらっていた。
「ふふふ、これが古代兵器だ、“この星キャバルの宝だ!!”」
その男こそ“グラッツァ盗賊団”Aランク賞金首の頭首グラッツァだった。
「はあ、はあ、はあ……」
逃げ回るミユナ。
「あははははは!」
「ヒャッハー!!」
「オヒョーーヒョー!!いい姉ちゃんだ!!」
バイクにのったり車にのったり、いずれにせよオンボロでジャンキーな連中が、彼女を後ろからおいかけまわす。ミユナのすぐ後ろにくるまがつき、手袋をつけたおとこがミユナの肩にてをふれた瞬間。その男は、右手にひやりとするものを感じた。
「ピィッ!!」
《バチュン》
銃声、男はおそるおそる右腕を確認する。
「つ、ついてる、よかったああ」
どうやらすっとんだのは手袋だけだったようだ。そして男たちは、前方に何かをみつけてバイクや車をとめた。前方に人だかり、村人たちだ。そして、その最前列にその男はいた。カルシュである。ミユナはカルシュの方に走っていき、だきついた。
静寂。カルシュが叫ぶ。
「もう一度いう、引け!!!」
呆然とする盗賊団たち。バイクも車も停車した。走っている人間も、呼吸を整えた。
「いひ、いひ」
ブタのような男が、奇妙な笑い声をだす。
「ぷひゅひゅ」
次第にそれは伝染して、大きな笑いとなった。
「あはははははは、どこに、そんなこと言われて逃げるやつがいるんだ」
「あははははは」
ふと、のっぽでアフロの男がまえにでてくる。
「頭領はいねえけど……」
周囲の視線がそいつに集まった。
「こいつら全員、ボコしてやろうぜ!!」
「うおおおお!!!」
歓声にもにた怒号をあげた盗賊団は、次第に奇妙なコールをしはじめる。
「グラッツァ!!盗賊団!!グラッツァ!!盗賊団!!グラッツァ!!盗賊団!!」
「奴らをたたきのめせえ!アンドロイドのやつらと同じように、二度とこの地に立てないようにしてやれええ!!」
その時、彼らの背後から巨大な何かが砂をもりあげ砂の中からごっそりと顔をだした。今までの倍ほど大きい星間アーマーだった。
カルシュがいう。
「逃げてろ、っていいたかったけど、一緒に戦ってくれるか……ミユナ……」
「はあ、わかったよ、たく、じゃあ前衛はたのんだわよ、あ、そうだ」
「これ、もってなさい」
カルシュは拳銃を手渡された。
「電撃銃、人はしなないから」
カルシュは応答した。そして後ろをむいて、サトナにいった。
「サトナ、お願いがあるんだ……」
決心したようにカルシュを見つめるさおな。
「何をすればいいの?」
カルシュ
「スマートガジェッド、ロジーとともに岩場の影にかくれてくれ、これをもって」
渡されたのは小さな6角形状の機械だった。
その夜、村の一部屋をまた借りるが、筋肉痛でよく眠れず、カルシュは廊下で妙な話声をきいた。
「もうやめようよ」
「いや、もう少しだ」
「こんなのいつまで続けてても……」
「私たちに、もう未来はないんだ……」
ボソボソときこえる。初めに喋ったのがサトナで、多分相手はキリだろう、カルシュは、今日キリに言われた事を思い出して、頭の中で反復した。
「人でなし……か」
キネクの顔が浮かんだ。
朝方、カルシュは村長に呼び出された。村長のヘイ爺はやけにニコニコしている。キリ、サトナ、ほかの村人たちもほとんどそこにいた。
「カルシュ君、本当にありがとう、これで君の望み通りのものをやろう」
キリが、件のアクセサリーを持って前に出た。カルシュはそれをうけとる。
「ところで……」
村長が話を続けようとしたとき
《プルルルル!!!》
スマートガジェッドの音がする。カルシュは自分の近くだとおもい、それを確認する。ロジーに尋ねた。
「誰から?」
「ミユナからですっ!!」
ミユナは電話口の向こうで、大勢の盗賊に追われていた。ミユナは続ける。
「あのあと、星間アーマーの肩口にどこかで見た紋章ついてたから調べたの、それでわかった“グラッツァ盗賊団”ここ最近、このあたりで有名なずるがしこいやつらのものだってね、星間アーマーはたおしたけどともかくそれがでばってきて、あんた!アンドロイドたちを怒らせたでしょ!彼らに追われそうになったからその二組を鉢合わせて戦わせたのよ!!」
ミユナは思い出す。自分が星間アーマーを二体倒したあと、盗賊団からにげて集落に迷い込んでそこで集落の人々に襲われそうになったとき、彼女は盗賊団を指さしていったのだ。
“あっちにあんたたちに迷惑をかけたアホ毛の一匹オオカミがいる!”
「ともかく早くきて!!その盗賊団、数が多くて、20は倒したはずなのに、まだわらわらいるのよ」
「どれくらい!?」
「30はいるかしら!?」
「!?」
その電話が繰り広げられている、ちょうどミユナのいる付近の地下で、海賊の帽子のようなものと眼帯をつけた男がにやにやと、半径5メートルはあるドーム状の巨大な装置をみてわらっていた。
「ふふふ、これが古代兵器だ、“この星キャバルの宝だ!!”」
その男こそ“グラッツァ盗賊団”Aランク賞金首の頭首グラッツァだった。
「はあ、はあ、はあ……」
逃げ回るミユナ。
「あははははは!」
「ヒャッハー!!」
「オヒョーーヒョー!!いい姉ちゃんだ!!」
バイクにのったり車にのったり、いずれにせよオンボロでジャンキーな連中が、彼女を後ろからおいかけまわす。ミユナのすぐ後ろにくるまがつき、手袋をつけたおとこがミユナの肩にてをふれた瞬間。その男は、右手にひやりとするものを感じた。
「ピィッ!!」
《バチュン》
銃声、男はおそるおそる右腕を確認する。
「つ、ついてる、よかったああ」
どうやらすっとんだのは手袋だけだったようだ。そして男たちは、前方に何かをみつけてバイクや車をとめた。前方に人だかり、村人たちだ。そして、その最前列にその男はいた。カルシュである。ミユナはカルシュの方に走っていき、だきついた。
静寂。カルシュが叫ぶ。
「もう一度いう、引け!!!」
呆然とする盗賊団たち。バイクも車も停車した。走っている人間も、呼吸を整えた。
「いひ、いひ」
ブタのような男が、奇妙な笑い声をだす。
「ぷひゅひゅ」
次第にそれは伝染して、大きな笑いとなった。
「あはははははは、どこに、そんなこと言われて逃げるやつがいるんだ」
「あははははは」
ふと、のっぽでアフロの男がまえにでてくる。
「頭領はいねえけど……」
周囲の視線がそいつに集まった。
「こいつら全員、ボコしてやろうぜ!!」
「うおおおお!!!」
歓声にもにた怒号をあげた盗賊団は、次第に奇妙なコールをしはじめる。
「グラッツァ!!盗賊団!!グラッツァ!!盗賊団!!グラッツァ!!盗賊団!!」
「奴らをたたきのめせえ!アンドロイドのやつらと同じように、二度とこの地に立てないようにしてやれええ!!」
その時、彼らの背後から巨大な何かが砂をもりあげ砂の中からごっそりと顔をだした。今までの倍ほど大きい星間アーマーだった。
カルシュがいう。
「逃げてろ、っていいたかったけど、一緒に戦ってくれるか……ミユナ……」
「はあ、わかったよ、たく、じゃあ前衛はたのんだわよ、あ、そうだ」
「これ、もってなさい」
カルシュは拳銃を手渡された。
「電撃銃、人はしなないから」
カルシュは応答した。そして後ろをむいて、サトナにいった。
「サトナ、お願いがあるんだ……」
決心したようにカルシュを見つめるさおな。
「何をすればいいの?」
カルシュ
「スマートガジェッド、ロジーとともに岩場の影にかくれてくれ、これをもって」
渡されたのは小さな6角形状の機械だった。
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