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第一章
質問攻め
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「じゃあ二番目は?」
「何が?」
ノレアの質問はまだ続いていた。
「二番名に嫌いなものは何です?」
「…………」
少し意味ありげにぼーっとしたあと、エンリルは答えた。
「嘘かな」
「おお、イメージ通り」
「イメージ通りって何よ」
「来る途中も話したじゃないですか、あなたは私のような……郊外の出身シスターの憧れだって、あなたもそうだというのもあるけれど、そんな事一切おくびにも出さず、意にかえさないから」
エンリルは―ああそうだ。と少し細い目をした。自分はこうした憧れの目を見たことがあった。だがそれがわりと、不得意なのだと。まるで他人に何か欲しいものがあって、他人をうまく使おうとする人間がする目で、自分を見ていないようだと。だがそれも飲み込んで、適当に話を合わせた。
「次に嫌いなものは、悪霊よ」
そういって、彼女の気を引こうとしたその時、ノレアは、その部屋―物置部屋の出入り口をぼっとみていた。
「ノレア?どうしたの?」
「いえ、なんでも……」
ノレアは、シスターエンリルが無邪気な返答、三番目の苦手なものを発言する少し前の瞬間に青いからだ、牙を生やした、満面の笑みの子供の人形を見た気がした。それは宙を浮かんで通りすぎていって、この部屋を通り過ぎる瞬間、一瞬笑い声をたてたような。頭を抱えて少し震えていると、エンリルがいった。
「大丈夫?調子が悪いなら少し外に出て休みましょう、旦那様は、お客がいないときには客間をつかっていいとおっしゃったから、ノレア?」
「はい……」
エンリルは、意外であるとともに、少しわずらわしさから解放されたと思った。自分が悪霊を嫌いだと思えば、また質問攻めにされるだろうから。
「何が?」
ノレアの質問はまだ続いていた。
「二番名に嫌いなものは何です?」
「…………」
少し意味ありげにぼーっとしたあと、エンリルは答えた。
「嘘かな」
「おお、イメージ通り」
「イメージ通りって何よ」
「来る途中も話したじゃないですか、あなたは私のような……郊外の出身シスターの憧れだって、あなたもそうだというのもあるけれど、そんな事一切おくびにも出さず、意にかえさないから」
エンリルは―ああそうだ。と少し細い目をした。自分はこうした憧れの目を見たことがあった。だがそれがわりと、不得意なのだと。まるで他人に何か欲しいものがあって、他人をうまく使おうとする人間がする目で、自分を見ていないようだと。だがそれも飲み込んで、適当に話を合わせた。
「次に嫌いなものは、悪霊よ」
そういって、彼女の気を引こうとしたその時、ノレアは、その部屋―物置部屋の出入り口をぼっとみていた。
「ノレア?どうしたの?」
「いえ、なんでも……」
ノレアは、シスターエンリルが無邪気な返答、三番目の苦手なものを発言する少し前の瞬間に青いからだ、牙を生やした、満面の笑みの子供の人形を見た気がした。それは宙を浮かんで通りすぎていって、この部屋を通り過ぎる瞬間、一瞬笑い声をたてたような。頭を抱えて少し震えていると、エンリルがいった。
「大丈夫?調子が悪いなら少し外に出て休みましょう、旦那様は、お客がいないときには客間をつかっていいとおっしゃったから、ノレア?」
「はい……」
エンリルは、意外であるとともに、少しわずらわしさから解放されたと思った。自分が悪霊を嫌いだと思えば、また質問攻めにされるだろうから。
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