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異世界での一歩
鳥籠と姫君
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「サイラス様、とても綺麗です」今、私が居る場所は屋敷の表側の庭園です。
小さな森とは、対照的に彩り豊かに花々が豊かに咲き誇っています。
庭師さんの力作ですね。
サイラスの周りを、くるくる回ってしまいます。
こんな素敵な場所なのに、子供脳モードになってる自分で自分が悲しくなります。
「サイラス様、アルは本当に大丈夫?」
「リリィ……男には1人になる時間も必要なんだ」
アルは、部屋から出て来ないみたいなんです。
「私は、1人は嫌」
「大丈夫、1人にはさせない」
サイラスが、私を抱き上げてくれます。
「本当に?」
「誓う」
サイラスの首に、手を回して全てを委ねたくなります。
「お仕事、忙しい?」
「あぁ、だが、リリィを守る事に繋がる」
守ってくれるの?
ガサッ、ガサッ、ガサッ、ガサッ
「中佐、探しましたよ」
サイラスと、似たような軍服を着た人達が4人ほど近付いて来ます。
無性に不安になり、サイラスに抱きつく手に力が入ってしまったのが伝わったのかもしれません。
「大丈夫、俺の部下だ」
「もしかして、白百合の君ですか?」
「見るな!」
「そんな、酷いですよ。紹介して下さい」
「こいつ等は、俺の副官とその他で良い」
「白百合の君、初めまして」
皆さんが、私を見てます。今の状態では失礼です。
サイラスに、卸して貰うようにお願いします。
「皆様、初めまして。リィ・ブロンです。どうか良しなに」
腰を軽く卸して、ドレスも軽く摘まむ。
へり下り過ぎても良くない。でも、私より年上で、恐らく、一般兵では無いはず。副官さんは、特にね。
私は、サイラスを見てみる。優しい目だ。
間違っては無いみたいだ。
副官さんが、私の目線に合わせて屈んでくれます。
「白百合の君、お逢いできて光栄です」
彼は私の手を取り、手の甲にキスをしたのです。
解ってます。挨拶ですから。
「主人が何時もお世話になって下ります」
思わず、言ってしまった。
「リリィ誰から教わった挨拶なんだ!」
「メイド長が、蓐の儀をしたら夫婦と同じって」
あれ、なんか様子がおかしい。
「蓐の儀、したんですか!」
一緒に、寝てるだけなのに皆さんどうしたんでしょうか?
昨日も、2人で寝たよ。
「リリィ上手に挨拶ができたね」
フリーゲルが、従者とメイドさん達を引き連れての登場です。
「うっ、悪魔」「おっ鬼」「げっ」「……ひっひー」
皆さん何か言ってますが、小声で解りません。
「皆様、どうかなさったのですか?」
「リリィ皆さん仕事が忙しくて、疲れているんだよ。違うかな?」
「間違い在りません」
フリーゲルの副官は、素直に認めてる。
彼は、バランス感覚に優れ軍人という職業柄、危険察知能力が高いのだ。
「お仕事、お疲れ様です」
白百合の君の素直な笑顔と、言葉に癒しを感じてしまうが新たな危険も感じてしまうのだ。
「もう、行ってしまうの?」
「悪いな、良い子で待ってるんだ」
「はい」
「あのね、少しだけ時間を下さい」
私は少し離れた、カゼホ(東屋)迄進み、中央に立った。
小さなカゼホは、真っ白な大理石の造り。
彼等が来るのがもっと遅かったら、ここでサイラスと昼食をとる予定だった場所。
私は気を建て直し、カゼホの中央で正式なカーテシーをした。
だって、見て貰いたかったから。
白いカゼホは、ステキな舞台に見えたの。
百合、ランタナ、タチアオイ。
鮮やかな、花々に囲まれた夏の庭園の一角。
どうか、ご覧になって下さい。
姫君、お手を。
視線の先に、手が見えたの。
豆が潰れた後、皮が剥けて硬くなっているんだね。
大きな手。
剣を持って戦う人の手だね。
手を載せるよ。
サイラスの、温もりが伝わって来るように願い。
願いながら、指先迄、神経を張り積めるの。
青年が手を引き、幼女を立たせる。
「つつがなきようにお勤め下さい。ご帰還をお待ちしております」
4人の軍人達は、思考回路が停止した。
幼女が身体を傾けた時、垂れ下がる銀の髪からサラサラと音がするかと思った。
拙さが残る、カーテシーだが優美さが覗く。
本能が欲しいと告げる。
絶世の美幼女だが。
自分の性癖は違うはずだ。
副官は紫色の髪をした、貴公子の視線に気付き、我に帰る。
殺られると思ったのだ。
「中佐、そろそろ行きましょ。ねぇ」
この場から、逃げないといけない。撤退だ!
なのに、なぜ!上司の彼は未だに、幼女とイチャイチャしてるんだ。
ちくしょ__________________________!!
小さな森とは、対照的に彩り豊かに花々が豊かに咲き誇っています。
庭師さんの力作ですね。
サイラスの周りを、くるくる回ってしまいます。
こんな素敵な場所なのに、子供脳モードになってる自分で自分が悲しくなります。
「サイラス様、アルは本当に大丈夫?」
「リリィ……男には1人になる時間も必要なんだ」
アルは、部屋から出て来ないみたいなんです。
「私は、1人は嫌」
「大丈夫、1人にはさせない」
サイラスが、私を抱き上げてくれます。
「本当に?」
「誓う」
サイラスの首に、手を回して全てを委ねたくなります。
「お仕事、忙しい?」
「あぁ、だが、リリィを守る事に繋がる」
守ってくれるの?
ガサッ、ガサッ、ガサッ、ガサッ
「中佐、探しましたよ」
サイラスと、似たような軍服を着た人達が4人ほど近付いて来ます。
無性に不安になり、サイラスに抱きつく手に力が入ってしまったのが伝わったのかもしれません。
「大丈夫、俺の部下だ」
「もしかして、白百合の君ですか?」
「見るな!」
「そんな、酷いですよ。紹介して下さい」
「こいつ等は、俺の副官とその他で良い」
「白百合の君、初めまして」
皆さんが、私を見てます。今の状態では失礼です。
サイラスに、卸して貰うようにお願いします。
「皆様、初めまして。リィ・ブロンです。どうか良しなに」
腰を軽く卸して、ドレスも軽く摘まむ。
へり下り過ぎても良くない。でも、私より年上で、恐らく、一般兵では無いはず。副官さんは、特にね。
私は、サイラスを見てみる。優しい目だ。
間違っては無いみたいだ。
副官さんが、私の目線に合わせて屈んでくれます。
「白百合の君、お逢いできて光栄です」
彼は私の手を取り、手の甲にキスをしたのです。
解ってます。挨拶ですから。
「主人が何時もお世話になって下ります」
思わず、言ってしまった。
「リリィ誰から教わった挨拶なんだ!」
「メイド長が、蓐の儀をしたら夫婦と同じって」
あれ、なんか様子がおかしい。
「蓐の儀、したんですか!」
一緒に、寝てるだけなのに皆さんどうしたんでしょうか?
昨日も、2人で寝たよ。
「リリィ上手に挨拶ができたね」
フリーゲルが、従者とメイドさん達を引き連れての登場です。
「うっ、悪魔」「おっ鬼」「げっ」「……ひっひー」
皆さん何か言ってますが、小声で解りません。
「皆様、どうかなさったのですか?」
「リリィ皆さん仕事が忙しくて、疲れているんだよ。違うかな?」
「間違い在りません」
フリーゲルの副官は、素直に認めてる。
彼は、バランス感覚に優れ軍人という職業柄、危険察知能力が高いのだ。
「お仕事、お疲れ様です」
白百合の君の素直な笑顔と、言葉に癒しを感じてしまうが新たな危険も感じてしまうのだ。
「もう、行ってしまうの?」
「悪いな、良い子で待ってるんだ」
「はい」
「あのね、少しだけ時間を下さい」
私は少し離れた、カゼホ(東屋)迄進み、中央に立った。
小さなカゼホは、真っ白な大理石の造り。
彼等が来るのがもっと遅かったら、ここでサイラスと昼食をとる予定だった場所。
私は気を建て直し、カゼホの中央で正式なカーテシーをした。
だって、見て貰いたかったから。
白いカゼホは、ステキな舞台に見えたの。
百合、ランタナ、タチアオイ。
鮮やかな、花々に囲まれた夏の庭園の一角。
どうか、ご覧になって下さい。
姫君、お手を。
視線の先に、手が見えたの。
豆が潰れた後、皮が剥けて硬くなっているんだね。
大きな手。
剣を持って戦う人の手だね。
手を載せるよ。
サイラスの、温もりが伝わって来るように願い。
願いながら、指先迄、神経を張り積めるの。
青年が手を引き、幼女を立たせる。
「つつがなきようにお勤め下さい。ご帰還をお待ちしております」
4人の軍人達は、思考回路が停止した。
幼女が身体を傾けた時、垂れ下がる銀の髪からサラサラと音がするかと思った。
拙さが残る、カーテシーだが優美さが覗く。
本能が欲しいと告げる。
絶世の美幼女だが。
自分の性癖は違うはずだ。
副官は紫色の髪をした、貴公子の視線に気付き、我に帰る。
殺られると思ったのだ。
「中佐、そろそろ行きましょ。ねぇ」
この場から、逃げないといけない。撤退だ!
なのに、なぜ!上司の彼は未だに、幼女とイチャイチャしてるんだ。
ちくしょ__________________________!!
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