上 下
899 / 953
戦いの準備

お肉狩り

しおりを挟む
むう‥

ここまで美味いと素材の味をそのまま活かした方が‥

しかしそうなると、また焼肉になってしまうな。

う~む‥

はっ!
ちょっと待て。
アースドラゴンより美味い肉?

もしかして、この肉をミミウさんに食べさせると狩りの対象がアースドラゴンからオークエンペラーに変わったりしないか?

遭遇する事自体滅多にないようなモンスターを対象にしてしまって大丈夫だろうか‥?

う~ん‥

考えようによってはアースドラゴンより、オークエンペラーの方が人に害を与えそうだしな‥

それに滅多に遭遇しない方が、お肉持って帰ってくる確率も少なくなるかな‥

よし。
なるようになれだな。

今回のオークエンペラーは量も多いから、色んな料理にしてみるとしよう。

とりあえずお肉の味をそのまま味わえるステーキに、オークカツ、それに角煮とかもしてみよう。

調味料はホット商会から出てるのがあるし。
ありがとうキリーエさん。

それぞれの部位を切り落とし、部位に見合った料理にしていく。

同時進行でそれぞれの料理の下準備をする。
うなれ、俺の高速思考。
持ってないけど。

まずは簡単なステーキから作り、出来上がり次第『スペース』から出したテーブルに乗せていく。

『スペース』から物を出すたびに、ガッツォさんたちが驚いているが、それは後回し‥「マ、マルコイ‥それはどこから出して‥」後回しだ!

今は過酷な戦いの真っ最中だ。
余計な事に思考を向ける暇はない。

テーブルに置いた料理が、置くと同時に消えていく。

「ふぁ~、オークエンペラーさん美味しいですぅ!」

ふむ。
それはよかった。

角煮を煮込み、オークカツを揚げていく。
ラケッツさんが指を咥えながらこちらを見ているが、あと1時間は君たちには回ってこないので、涎を飲み込みながら待っていてください。



「ふぁ~、どれも美味しいですぅ!マルコイさんの料理はやっぱり1番ですぅ!」

そうだろうそうだろう。

俺が料理をするようになったのはミミウに食べさせてやりたいからだったからな。

「うおっ!なんだこの肉は!これが本当にオーク種の肉なのか?今まで食べたオークとは比べものにならないぞ!」

ガッツォさんがステーキを食べながら絶賛している。

ミミウさんが2時間くらい食べ続けてから、他の人にも料理が届くようになったみたいだ。

まあミミウさんも他の人にも食べさせてやりたいから、少しペースを遅くしただけみたいだけど。

まだ食べてるし。

「ミミウ決めたです!次はアースドラゴンさんじゃなくて、オークエンペラーさんを探すです!」

あ、やっぱりそうなりますか。

「お嬢ちゃん‥?その言い方だとアースドラゴンを食べるために倒してたみたいに聞こえるぞ‥」

モブキャが俺の飛び蹴りから復活して、オークカツを食べながらミミウに問いかけている。

「アースドラゴンさんは美味しくてたくさんいるですけど、オークエンペラーさんも負けないくらい美味しいですぅ。だからオークエンペラーさんとアースドラゴンさんを交互に捕まえるですぅ!」

アースドラゴンってたくさんいるのか‥?

モブキャが俺とミミウを交互に見ている。
俺が大きく頷くと、モブキャの顔が引き攣った。

よかっただろう、俺に飛び蹴りされてて。
お肉関係でミミウを怒らせたら、君は今そこに座ってなかったからな。

鼻歌を歌いながら、オークの角煮を頬張るミミウを見てそう思う俺だった‥




「それじゃあ村に報告して戻るとするか。」

ミミウの食事もひと段落したため、帰りの準備をする事にした。

「ミミウはオークエンペラーさんを探しに行ってくるですぅ!」

ミミウは俺たちの別行動をするようだ。

「ミミウ。獣人国は特に何も問題なさそうなのか?」

「う~ん‥あっ!アキーエさんとかギルマスさんがエルフさんがなんとかって言ってたですぅ!」

ふむ。
エルフかぁ‥
確かトールルズの王様が気にかけてくれって言ってたな‥
特に問題なさそうだから、すっかり忘れてたけど‥

「捕まえたらお家で待ってるですぅ!」

うむ。
それはエルフの事じゃなくて、オークエンペラーの事ですよね?
帰ってエルフが捕まってたら、ちょっと怖いんですけど‥

しかし家に帰ったら、また戦いがあるわけだな。
家には恵もいるだろうから、巻き込むとしよう。


オークエンペラーのお肉で作ったお弁当をたくさん持ったミミウは、ノームたちと何か話をした後に、ノームが地面に掘った穴に入って行った。

俺はミミウが消えた穴に近寄ってみたが、人が1人入るくらいの穴で他に繋がっているような感じはない。

ここからどうやって移動しているのだろうか‥

ミミウの謎は深まるばかりだな‥



気を取り直して、荷物を『スペース』に入れて村に向かって歩き出す。

「マルコイ。魔王と戦うって事だが、俺たちはマルコイについてきていいのか?」

「ああ。とりあえず獣人国に戻るよ。それからエルフの国に行くのか、魔族の大陸に行くのか決めてないけど、今度はこっちから攻めようと思ってるんだ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉

Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」  華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。  彼女の名はサブリーナ。  エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。  そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。  然もである。  公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。    一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。  趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。  そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。 「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。  ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。  拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。    

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

処理中です...