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愛別離苦
アキーエの予想外の出来事
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マルコイたちと別れた後にアキーエはキリーエと共に冒険者ギルドに向かっていた。
「キリーエ、わたしが外で衛兵に声をかけてひきつけるわ。その間にギルドマスターに報告をお願い。」
「わかったわ。そやけど、アキーエちゃんは向こうに顔が割れてるんやから、気をつけてな。マルコイさんも言うてたけど、危ない時は遠慮せんとぶっ飛ばしてええと思うから。」
「そ、そんな事ないわよ。だ、だってわたしそんなに魔法使ってないし、目立ってないわよ。だからわたしの事なんて別に警戒してないはずよ。」
キリーエは肺の中の空気を全て吐き出すほど長いため息をつく。
「はぁぁぁ~‥アキーエちゃんは本気で言うてるんやもんね‥まだ自分の事を常識があると思うてるから‥ほんま似たもん夫婦や‥まあええよ。とにかく遠慮なくぶっ飛ばしてええからね。」
「似たもの夫婦なんて‥もう‥まあ似てるのは納得いかないけど、夫婦って‥」
アキーエはもじもじと身をよじっている。
「はいはい。それはもうええから。とにかく気をつけるんよ。」
「わ、わかったわ。そんな事はないと思うけど、心に留めておくわ。」
2人は冒険者ギルド前に辿り着く。
そこには以前来たときよりも多くの衛兵が待機していた。
「前より多いわね。何かあったのかしら?もしかして王様の事がばれたとか‥?」
そう言いながら、アキーエは一歩踏み出す。
すると1人の衛兵と目が合う。
「い、い、いたぞ!撲殺女だ!取り囲め!」
ギルド前にいた衛兵が一斉に動き出す。
「な、な、なによ!わたしが何したって言うのよ!」
「だから言うたやん。とにかく遠慮せんとぶっ飛ばすんやで。ほなうちは行くから。」
キリーエは存在感を消して冒険者ギルドに向かう。
アキーエは迫ってくる衛兵に背を向けて今来た道を走り出す。
「な、な、なんでこうなるのよ!」
アキーエの叫び声はプリカの空に吸い込まれていった‥
キリーエは衛兵の殆どがアキーエを追いかけたのを見て冒険者ギルドの中に入る。
外からアキーエの叫び声が聞こえるが、叫び声の後に爆発音が響く事になるだろうから心配はしていない。
正直自分達のパーティが規格外しかいないのをよくわかっている。
以前はその中で自分は戦闘では全く役に立たない事はわかっていた。
それでも全然よかった。
もともと自分の夢は商人で成功する事だったから。
そんな中で気持ちが少し変わったのは、自分の命が狙われてマルコイにスキルを譲渡されてからだった。
自分の身を守る程度のつもりだったけど、自分のスキル【高速思考】が【並列思考】になり、隠密のレベルがアップしたから余計に気持ちが強くなった。
(戦闘でも役に立ちたい)
それは高望みだと思っている。
それにマルコイたちは自分のおかげでパーティが成立しているとまで言ってくれている。
それでもマルコイたちが冒険に行っている間に待つのも、他のメンバーに護られているだけなのも辛かった。
スキルが【並列思考】になり隠密に長けた事で戦闘で護られる事はなくなった。
でも規格外のメンバーが戦っている相手に自分は何もできない。
これが普通の冒険者パーティであればキリーエはパーティの中心になれるくらいの力を持っていた。
だけどパーティ全員がSランク以上の強者で、相手もそれに準じた化け物ばかりだ。
ミミウが倒したモンスターを回収したり、負傷者にポーションを渡すくらいが精々だった。
それでも重要な役割だったし、満足していた。
みんなが喜んでくれるし、商会に卸せるような希少な素材も手に入った。
これでいい。
そう思い始めた時にマルコイから国宝を軽く超える力を持った魔道具をもらう事になった。
単純に嬉しかった。
でも怖いほどの力だった。
多分これだけで国を滅ぼせるほど。
弾がミスリルという燃費の悪さはあったが、それをカバーできる程度の資金はあった。
(まあそれすらもマルコイさんは解決してしまったんやけどね‥)
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近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
「キリーエ、わたしが外で衛兵に声をかけてひきつけるわ。その間にギルドマスターに報告をお願い。」
「わかったわ。そやけど、アキーエちゃんは向こうに顔が割れてるんやから、気をつけてな。マルコイさんも言うてたけど、危ない時は遠慮せんとぶっ飛ばしてええと思うから。」
「そ、そんな事ないわよ。だ、だってわたしそんなに魔法使ってないし、目立ってないわよ。だからわたしの事なんて別に警戒してないはずよ。」
キリーエは肺の中の空気を全て吐き出すほど長いため息をつく。
「はぁぁぁ~‥アキーエちゃんは本気で言うてるんやもんね‥まだ自分の事を常識があると思うてるから‥ほんま似たもん夫婦や‥まあええよ。とにかく遠慮なくぶっ飛ばしてええからね。」
「似たもの夫婦なんて‥もう‥まあ似てるのは納得いかないけど、夫婦って‥」
アキーエはもじもじと身をよじっている。
「はいはい。それはもうええから。とにかく気をつけるんよ。」
「わ、わかったわ。そんな事はないと思うけど、心に留めておくわ。」
2人は冒険者ギルド前に辿り着く。
そこには以前来たときよりも多くの衛兵が待機していた。
「前より多いわね。何かあったのかしら?もしかして王様の事がばれたとか‥?」
そう言いながら、アキーエは一歩踏み出す。
すると1人の衛兵と目が合う。
「い、い、いたぞ!撲殺女だ!取り囲め!」
ギルド前にいた衛兵が一斉に動き出す。
「な、な、なによ!わたしが何したって言うのよ!」
「だから言うたやん。とにかく遠慮せんとぶっ飛ばすんやで。ほなうちは行くから。」
キリーエは存在感を消して冒険者ギルドに向かう。
アキーエは迫ってくる衛兵に背を向けて今来た道を走り出す。
「な、な、なんでこうなるのよ!」
アキーエの叫び声はプリカの空に吸い込まれていった‥
キリーエは衛兵の殆どがアキーエを追いかけたのを見て冒険者ギルドの中に入る。
外からアキーエの叫び声が聞こえるが、叫び声の後に爆発音が響く事になるだろうから心配はしていない。
正直自分達のパーティが規格外しかいないのをよくわかっている。
以前はその中で自分は戦闘では全く役に立たない事はわかっていた。
それでも全然よかった。
もともと自分の夢は商人で成功する事だったから。
そんな中で気持ちが少し変わったのは、自分の命が狙われてマルコイにスキルを譲渡されてからだった。
自分の身を守る程度のつもりだったけど、自分のスキル【高速思考】が【並列思考】になり、隠密のレベルがアップしたから余計に気持ちが強くなった。
(戦闘でも役に立ちたい)
それは高望みだと思っている。
それにマルコイたちは自分のおかげでパーティが成立しているとまで言ってくれている。
それでもマルコイたちが冒険に行っている間に待つのも、他のメンバーに護られているだけなのも辛かった。
スキルが【並列思考】になり隠密に長けた事で戦闘で護られる事はなくなった。
でも規格外のメンバーが戦っている相手に自分は何もできない。
これが普通の冒険者パーティであればキリーエはパーティの中心になれるくらいの力を持っていた。
だけどパーティ全員がSランク以上の強者で、相手もそれに準じた化け物ばかりだ。
ミミウが倒したモンスターを回収したり、負傷者にポーションを渡すくらいが精々だった。
それでも重要な役割だったし、満足していた。
みんなが喜んでくれるし、商会に卸せるような希少な素材も手に入った。
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そう思い始めた時にマルコイから国宝を軽く超える力を持った魔道具をもらう事になった。
単純に嬉しかった。
でも怖いほどの力だった。
多分これだけで国を滅ぼせるほど。
弾がミスリルという燃費の悪さはあったが、それをカバーできる程度の資金はあった。
(まあそれすらもマルコイさんは解決してしまったんやけどね‥)
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