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愛別離苦
反撃準備
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「ところでどうした?今からこの鉱山は調査が予定になっている。今後しばらくは鉱山に入る事を禁じていたはずだぞ。」
「いえ、それがこの2人が先程鉱山から出てきまして‥」
「ん?今中に入っている奴はいないのではなかったか?」
「いえ、それが中に入っている時にヘルハウンドに襲われたらしく‥」
ダリックはカルロさんたちを足元から頭までじっくりと見つめる。
「ふむ。それでヘルハウンドは今何階にいる?腹は減らしているか?どうせならお前達が喰われて腹一杯になっていればよかっのだがな。」
うわぁ‥
最低貴族のやつだ。
やっぱりヨエクのような奴には、似たような奴が仲間になるんだな。
「いえ、それがこの2人がヘルハウンドを討伐して戻ってきたそうです。これが討伐証明です。」
衛兵がダリックにヘルハウンドの牙を渡す。
「なんと!これは素晴らしい。お主達で倒したのか?」
「はい。仲間が2名犠牲になりましたが‥」
「そうか!たった4人でヘルハウンドを倒すとは素晴らしいではないか!その死んだ2人はもったいない事をしたが、まあヘルハウンドを倒すために必要だった犠牲ということだろう。そうだな、生き残ったお主達には褒美として我が国の騎士団に入る事を許そう。お主達のような粗暴な冒険者にとっては夢のような事であろう。どこぞの宿で身なりを綺麗にしてから私を訪ねてくるがいい。」
カルロさんの手から血が滴っている。
拳を強く握りすぎたせいだろうか‥
「私を助けてくれたのは4人の冒険者だった。4人はもともとパーティではなかったようだが、私を助けるために協力してくれたのだ。そのうち2人はモンスターとの戦いで帰らぬ者となった。私の事をカルロとパレラに託してな。僅かな期間であったとしても共に戦った仲間なのだ。あのような言われ方をしてはカルロ達が怒るのは無理はない。」
俺の横にいる王様がそう告げる。
カルロさんが俺たちに向かって手で合図をする。
「ありがとうございます!これで死んだ2人も報われると言うものです!ですが、せっかくヘルハウンドを討ち取ったのです。調査よりも鉱石を集めた方がいいのではないでしょうか?」
「そうだな‥調査は鉱石を集めながらでも出来るだろうな。よし、お前達探鉱者を直ぐに集めろ。調査はもちろん行うが、この鉱山にいるとは思えん。それならば鉱石を一緒に集めた方がヨエク様も喜ばれるはず。私の懐もあったまるしな。」
「はっ!」
ダリックと一緒に来ていた男たちはすぐに来た道を戻り、探鉱者を集めに行ったようだ。
まあ鉱山に戻ってきても何もないんだけどな。
俺たちはその様子を眺めながら、宙に作った階段で建物の外に向かうのだった。
2人のおかげで無事に衛兵に見つかる事なく外に出る事ができた。
「イェルンさん、この後はどこに向かいますか?」
「とりあえず朝までいた教会に戻りましょう!そして冒険者ギルドや協力してくれる貴族に声をかけます。そこから反撃を始めましょう!」
「わかりました‥」
本音を言うと、あの駄女神がいるところに戻りたくないんだけどね。
でもあそこが1番潜伏するには適していると思う。
多分ヨエクは王様が潜伏していると思う場所は一通り探したはずだ。
もちろんあの教会も。
一度探した場所にいるとはそうそう思わないだろうからな。
「それじゃあ早速行きましょう。アキーエとキリーエは2人で冒険者ギルドに向かってくれ。アキーエは衛兵に絡まれたとでも言って注目を集めてくれ。その間にキリーエはギルドマスターに報告を頼む。もしかしたらアキーエはまた絡まれるかもしれないけど、その時は実力行使で抜けてもらっていいぞ。王様もこっちにいるから、遠慮なくいっていいからな。」
「わかったわ!任せといて!」
とても素敵な笑顔を見せるアキーエ。
あれ?
ちょっと言いすぎたかな?
イェルンが頭を抱えている。
でも王様とイェルンさんもこっちにいるんだ。
自重するのもほどほどでいいんじゃないか?
----------------------------------------------------------------------
近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
https://ogicon3777.com
「いえ、それがこの2人が先程鉱山から出てきまして‥」
「ん?今中に入っている奴はいないのではなかったか?」
「いえ、それが中に入っている時にヘルハウンドに襲われたらしく‥」
ダリックはカルロさんたちを足元から頭までじっくりと見つめる。
「ふむ。それでヘルハウンドは今何階にいる?腹は減らしているか?どうせならお前達が喰われて腹一杯になっていればよかっのだがな。」
うわぁ‥
最低貴族のやつだ。
やっぱりヨエクのような奴には、似たような奴が仲間になるんだな。
「いえ、それがこの2人がヘルハウンドを討伐して戻ってきたそうです。これが討伐証明です。」
衛兵がダリックにヘルハウンドの牙を渡す。
「なんと!これは素晴らしい。お主達で倒したのか?」
「はい。仲間が2名犠牲になりましたが‥」
「そうか!たった4人でヘルハウンドを倒すとは素晴らしいではないか!その死んだ2人はもったいない事をしたが、まあヘルハウンドを倒すために必要だった犠牲ということだろう。そうだな、生き残ったお主達には褒美として我が国の騎士団に入る事を許そう。お主達のような粗暴な冒険者にとっては夢のような事であろう。どこぞの宿で身なりを綺麗にしてから私を訪ねてくるがいい。」
カルロさんの手から血が滴っている。
拳を強く握りすぎたせいだろうか‥
「私を助けてくれたのは4人の冒険者だった。4人はもともとパーティではなかったようだが、私を助けるために協力してくれたのだ。そのうち2人はモンスターとの戦いで帰らぬ者となった。私の事をカルロとパレラに託してな。僅かな期間であったとしても共に戦った仲間なのだ。あのような言われ方をしてはカルロ達が怒るのは無理はない。」
俺の横にいる王様がそう告げる。
カルロさんが俺たちに向かって手で合図をする。
「ありがとうございます!これで死んだ2人も報われると言うものです!ですが、せっかくヘルハウンドを討ち取ったのです。調査よりも鉱石を集めた方がいいのではないでしょうか?」
「そうだな‥調査は鉱石を集めながらでも出来るだろうな。よし、お前達探鉱者を直ぐに集めろ。調査はもちろん行うが、この鉱山にいるとは思えん。それならば鉱石を一緒に集めた方がヨエク様も喜ばれるはず。私の懐もあったまるしな。」
「はっ!」
ダリックと一緒に来ていた男たちはすぐに来た道を戻り、探鉱者を集めに行ったようだ。
まあ鉱山に戻ってきても何もないんだけどな。
俺たちはその様子を眺めながら、宙に作った階段で建物の外に向かうのだった。
2人のおかげで無事に衛兵に見つかる事なく外に出る事ができた。
「イェルンさん、この後はどこに向かいますか?」
「とりあえず朝までいた教会に戻りましょう!そして冒険者ギルドや協力してくれる貴族に声をかけます。そこから反撃を始めましょう!」
「わかりました‥」
本音を言うと、あの駄女神がいるところに戻りたくないんだけどね。
でもあそこが1番潜伏するには適していると思う。
多分ヨエクは王様が潜伏していると思う場所は一通り探したはずだ。
もちろんあの教会も。
一度探した場所にいるとはそうそう思わないだろうからな。
「それじゃあ早速行きましょう。アキーエとキリーエは2人で冒険者ギルドに向かってくれ。アキーエは衛兵に絡まれたとでも言って注目を集めてくれ。その間にキリーエはギルドマスターに報告を頼む。もしかしたらアキーエはまた絡まれるかもしれないけど、その時は実力行使で抜けてもらっていいぞ。王様もこっちにいるから、遠慮なくいっていいからな。」
「わかったわ!任せといて!」
とても素敵な笑顔を見せるアキーエ。
あれ?
ちょっと言いすぎたかな?
イェルンが頭を抱えている。
でも王様とイェルンさんもこっちにいるんだ。
自重するのもほどほどでいいんじゃないか?
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