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愛別離苦

内乱

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鍛治がひと段落したので、他国の情報を確認するためにギルドに寄る事にした。

本当は獣人国のギルドにはあまり近寄りたくなかったんだけどね。
ウサミミマスターに会うと戦いよりも疲れるもんな‥

ギルドの中に入ると、いつもよりざわついている。
ギルド職員が走り回っており、受付業務も滞っている。

「何かあったのか?」

俺は近くの職員をつかまえて問いかける。

「申し訳ありません。今はお伝えする事が‥!マルコイ様!すみませんマルコイ様。ギルドマスターが話をしたい事があるというなので、応接室まで来ていただいてよろしいでしょうか。」

「構いませんけど‥」

なんだなんだ?

俺はギルド職員に連れられてギルドの応接室に入る。

「あら~ん、マルコイちゃん!今ちょうどマルコイちゃん達を呼びに行かせたところなのよ!ちょっと早急に伝えたい事があって。」

ずずいとイザベラさんが近寄ってくる。
もちろん俺はずずいと離れる。

「んもう!大事な話があるって言ってるのに!」

離れていても話は出来るはずだ。
あまり近いと、怖くて話が頭に入ってこないので非効率的だ。

「それで話ってのは?」

「本当はみんなが揃って話をしようと思ってたんだけど‥」

みんな‥?
俺たち以外にも呼んでるのか?

「とりあえずマルコイちゃんには先に伝えておくわ。マルコイちゃん達が防衛したプリカで内乱が起こったわ。」

「なに!?」

「プリカのヨエク将軍が起こした内乱で、そのままヨエク将軍が王になったと宣言されたわ。」

ヨエク将軍‥
まさかそこまでするとは思わなかった。

「それで王様は無事なのか?」

俺は王様の事が気になり、イザベラさんに問いかける。

「王様の安否は不明よ。その場で殺されたという報告は上がってきてないけど、行方不明になってるみたいね。」

くそっ‥
だがもしかしたら生きているのかもしれない。
だとしたら‥

「それじゃあ今から冒険者集めてプリカの奪還の依頼って事か?」

「いいえ。冒険者ギルドは他国の事情には関与しないわ。正式に依頼が有れば受けるのは自由だけど、ギルドからの依頼はしないわよ。」

「なっ!なんでだ?プリカが襲われた時は助けに行っただろ?」

「それは相手がモンスターだったからよ。人相手、それに国の問題で有れば、その国で解決する必要があるし、基本ギルドが国に干渉する事は禁じられてるから。」

そ、それはそうだが‥

くそっ‥
それならそれで俺たちだけでもプリカに行ってやる‥

「はぁ‥マルコイちゃんったら‥随分とプリカの王様の事を気に入ったみたいなのね。私嫉妬しちゃうわ。それじゃあ今から独り言を言うわね。」

独り言?

「プリカが混乱していて、プリカにある冒険者ギルドと連絡が取れなくなってるの。誰かに依頼して冒険者ギルドの状態を確認してもらわないといけないわ。ただ内乱が起きて危険な状態だから、高ランク冒険者が確認に行ってくれると助かるんだけど‥もし行ってくれるなら、プリカ行きの大義名分もできるし向こうに怪しまれる事もないと思うんだけど‥」

くそっ!
イザベラさんがいい女に見えるぞ!

しかしイザベラさんにはお見通しってわけか。

上手く乗せられた気もするけど、俺としては願ったり叶ったりだ。

「わかった。その依頼、俺たちで受けよう。」

「あら?ありがとうマルコイちゃん。そんなに報酬も渡せないのに危険な依頼だから、受けてくれる人を探すのに苦労しそうだったのよ。助かるわ。チュッ!」

恐ろしい投げキッスが飛んできた。

俺は背骨が折れんばかりの勢いで反り返ってそれを避ける。

「んもうっ!マルコイちゃんのいけず!」

冗談じゃない。
そんな呪いをまともに受けてたまるか。

さて後はアキーエたちにも確認しないとな。

多分本来は俺たちも関与しない方がいいのだろう。

俺も国ことなんてどうでもいい。


俺はただ、自分が助けたいと思った人を助けに行くだけだ。






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近況にも書いてますが、ブログ始めました。
遊びに来ていただけたら嬉しいです!修正している本編や、書いている時に考えてた事などを載せてます!
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