676 / 953
力戦奮闘
アキーエの防衛戦?⑤
しおりを挟む
今倒した魔族が今回プリカを攻めた群れのトップだったみたいね。
倒したらモンスターの統率が明らかに乱れたわ。
残りのモンスターもアレカンドロが竜巻みたいに薙ぎ倒してるから特に問題なく討伐できるでしょ。
「な、なんで自分のとこには強い相手が来ぬのだぁ!」
アレカンドロ。
そんな台風みたいな所に飛び込んでくる奴なんていないわよ‥
でもこれで魔族のプリカ侵攻は防げだんじゃないかな‥
危ないところもあったけど完勝って感じよね。
あとはわたしがプリカのお偉いさんに壁を壊した事を謝れば任務完了ね。
キリーエについて来てくれるようにお願いしなきゃ‥
「ぐ‥」
その時気絶していた魔族が目を覚ました。
「くはははは!遠い血縁といえ、俺と連なるものを倒すとはな!やはり勇者、一筋縄ではいかぬようだな。」
急に魔族の雰囲気が変わった。
嫌な感じがしたので少し距離を取る。
魔族が上半身を起こす。
「ふむ。かなりダメージを受けているな‥まったく勇者とは恐ろしいものだ。種族的に大きく劣るくせに我ら魔族相手だと身の丈に合わない程の力を有する。それほどまでに我らを滅したいのか女神よ‥我らも女神が作りし者だと言うのに‥」
先程まで話していた高圧的な態度ではなく、物静かな話し方だ。
「対魔族に特化した勇者か‥世界にいる人の持つ悪意が魔王だというのに‥それを倒して解消させ、また溜まったら魔王として放出する‥それがシステムだったとしても魔王や勇者、それに巻き込まれる人の事など微塵も考えていない‥そう思わないか勇者よ?」
魔族の男はこちらを見ながらそう問いかけてきた。
「戦わなければいいだろうが、【魔王】というスキルに逆らえんのだよ。スキルが言うのだ、お前ら他種族を滅ぼせとな。」
突然豹変した男の真っ赤な目に映っているのはわたしだ。
男は真っ直ぐこちらを見ながら言葉を続ける。
「だからこそ俺は考えた。魔族が‥我らが生き残る術をな。だがまさか勇者が俺を上回る知力を持っているとは思わなかったぞ。」
魔族はプリカの街を見る。
その表情は少し悔しそうに見える‥
「まさかあれだけ目立つ形で戦争をしかけていたのに、それを罠だと気づきトールルズに来るとはな。どちらかと言えばこちらの方が本命だったが‥まあいい。トールルズを落とせなかったのは残念だが、鬱陶しい神聖国は落とす事ができた。これでお前たち勇者を最も支えて来た国が無くなったぞ。」
魔族はゆっくりと立ち上がる。
わたしが攻撃した顔は徐々に治りつつある。
少しずつ逆再生のように顔の皮膚が再生されていく‥
「後は廃墟と化した神聖国に向かうだけだが‥その前に現時点の勇者の力を確認させてもらおうか?まあ血縁者とはいえ、この身体では3割程度の力しか出せん。勝てぬだろうが、お前達の力を測るにはこの程度で十分だろう。」
魔族が魔力を練る。
それだけで空気が震える。
明らかにこれまでの魔族とはレベルが違う。
「ちょっと確認したいんだけど?」
わたしは気になることと伝えたい事があり、魔族に声をかける。
「なんだ勇者よ?」
「貴方は魔王でよかったのかしら?」
「‥‥ふは、ふはははは!そうだすまぬかったな!俺とした事が自己紹介がまだであったな。そうだ。余が魔王ジェズアルドだ。お前たち勇者とはこれから何度か相対する事になるだろうな。だがこの身体は我が血族のデュワインのものだから今度改めてお前らの前に出てくるとしよう。」
やっぱり‥
どんなカラクリかわからないけど、今目の前にいるのはさっきまでの魔族とは違い、魔王本人と思った方がよさそうね‥
まさかこんな形で対面するとは思わなかったわ。
あとは‥
このままほっとくわけにはいかないわよね‥
「それともう一つ確認と言うか報告なんだけど。」
「む?なんだ、言ってみろ。」
「わたしは勇者じゃないわよ。」
「‥‥ふは!ふはははははは!は?」
倒したらモンスターの統率が明らかに乱れたわ。
残りのモンスターもアレカンドロが竜巻みたいに薙ぎ倒してるから特に問題なく討伐できるでしょ。
「な、なんで自分のとこには強い相手が来ぬのだぁ!」
アレカンドロ。
そんな台風みたいな所に飛び込んでくる奴なんていないわよ‥
でもこれで魔族のプリカ侵攻は防げだんじゃないかな‥
危ないところもあったけど完勝って感じよね。
あとはわたしがプリカのお偉いさんに壁を壊した事を謝れば任務完了ね。
キリーエについて来てくれるようにお願いしなきゃ‥
「ぐ‥」
その時気絶していた魔族が目を覚ました。
「くはははは!遠い血縁といえ、俺と連なるものを倒すとはな!やはり勇者、一筋縄ではいかぬようだな。」
急に魔族の雰囲気が変わった。
嫌な感じがしたので少し距離を取る。
魔族が上半身を起こす。
「ふむ。かなりダメージを受けているな‥まったく勇者とは恐ろしいものだ。種族的に大きく劣るくせに我ら魔族相手だと身の丈に合わない程の力を有する。それほどまでに我らを滅したいのか女神よ‥我らも女神が作りし者だと言うのに‥」
先程まで話していた高圧的な態度ではなく、物静かな話し方だ。
「対魔族に特化した勇者か‥世界にいる人の持つ悪意が魔王だというのに‥それを倒して解消させ、また溜まったら魔王として放出する‥それがシステムだったとしても魔王や勇者、それに巻き込まれる人の事など微塵も考えていない‥そう思わないか勇者よ?」
魔族の男はこちらを見ながらそう問いかけてきた。
「戦わなければいいだろうが、【魔王】というスキルに逆らえんのだよ。スキルが言うのだ、お前ら他種族を滅ぼせとな。」
突然豹変した男の真っ赤な目に映っているのはわたしだ。
男は真っ直ぐこちらを見ながら言葉を続ける。
「だからこそ俺は考えた。魔族が‥我らが生き残る術をな。だがまさか勇者が俺を上回る知力を持っているとは思わなかったぞ。」
魔族はプリカの街を見る。
その表情は少し悔しそうに見える‥
「まさかあれだけ目立つ形で戦争をしかけていたのに、それを罠だと気づきトールルズに来るとはな。どちらかと言えばこちらの方が本命だったが‥まあいい。トールルズを落とせなかったのは残念だが、鬱陶しい神聖国は落とす事ができた。これでお前たち勇者を最も支えて来た国が無くなったぞ。」
魔族はゆっくりと立ち上がる。
わたしが攻撃した顔は徐々に治りつつある。
少しずつ逆再生のように顔の皮膚が再生されていく‥
「後は廃墟と化した神聖国に向かうだけだが‥その前に現時点の勇者の力を確認させてもらおうか?まあ血縁者とはいえ、この身体では3割程度の力しか出せん。勝てぬだろうが、お前達の力を測るにはこの程度で十分だろう。」
魔族が魔力を練る。
それだけで空気が震える。
明らかにこれまでの魔族とはレベルが違う。
「ちょっと確認したいんだけど?」
わたしは気になることと伝えたい事があり、魔族に声をかける。
「なんだ勇者よ?」
「貴方は魔王でよかったのかしら?」
「‥‥ふは、ふはははは!そうだすまぬかったな!俺とした事が自己紹介がまだであったな。そうだ。余が魔王ジェズアルドだ。お前たち勇者とはこれから何度か相対する事になるだろうな。だがこの身体は我が血族のデュワインのものだから今度改めてお前らの前に出てくるとしよう。」
やっぱり‥
どんなカラクリかわからないけど、今目の前にいるのはさっきまでの魔族とは違い、魔王本人と思った方がよさそうね‥
まさかこんな形で対面するとは思わなかったわ。
あとは‥
このままほっとくわけにはいかないわよね‥
「それともう一つ確認と言うか報告なんだけど。」
「む?なんだ、言ってみろ。」
「わたしは勇者じゃないわよ。」
「‥‥ふは!ふはははははは!は?」
10
お気に入りに追加
557
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる