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魔王の影

アシュラ君再び

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「へぇマルコイ。あたし達もモンスター相手に結構場数踏んできたつもりなんだけど?訳の分からない魔道具を装着したくらいであたし達2人を相手にさせるなんて、大した自信じゃない。」

「ん?そうだな。お前ら2人相手にできるくらいじゃないと作った意味がない。いいから戦ってみろよ。」

「ふん。粉々にぶっ壊してやるわ!」

鼻息荒く槍を構えるあやめ。

「あ、兄貴。大丈夫っすか?」

おい、この間までの自信はどこに飛んでった?

「大丈夫だ、心配するな。あいつらと模擬戦はした事あるのか?」

俺がいない間に模擬戦くらいしてるとは思うけど、出会ってそれ程経ってないからな。

「そっすね。何とか勝てましたけど、地味に強いっす。いいスキル持ってるんだと思いますね。特にあやめさんについては、かなりセンスがいいんで1対1でもかなり苦戦するっす。」

「そうなのか?」

「はい。あのパーティで模擬戦すんのは、正人さんとあやめさんだけっすけど。流石兄貴が連れてきた客人だけあって強いっすよ。」

そっか。
あいつらには魔王を倒すためには訓練をしっかりするように言い聞かせていたからな。

まあそれはそれ。
これはこれ。

そんな勇者と魔王のお話なんて関係なく、俺の魔道具がどこまで強いのか試したいのだよ。

あ、そういえば作った目的は魔王討伐のためだった気がするので関係なくもないか。

「まあ大丈夫だろ。その魔道具は自動で敵の攻撃を防いでくれる。あとはノギスが攻撃に専念すれば、2人相手にしても勝てるはずだ。」

そう勝てるはずだ。
多分‥

「わかりました!兄貴の作った魔道具なら信頼できるっす!てか兄貴魔道具も作れたんすね?」

うむ。
ノギスには伝えてなかったな。

「うん。」

面倒なので説明は省く。

「さすが兄貴だ!」

ノギスは単純で助かる。

「それじゃあ行くぜ!」

ノギスはアシュラ君を起動させて、あやめたちに突っ込む。

正人とあやめは武器を構えて待ち構える。

ノギスの上段の攻撃を正人が防ぐ。

その隙にあやめが横から槍で突きを放つ。

しかしその攻撃はもちろんアシュラ君が防ぐ。

驚きの表情を浮かべるあやめ。

しかしすぐに切り替えてノギスに向かって連続して刺突を繰り出す。

おお、凄いな。

あやめは槍を使い出したのは、この世界に来てからと聞いている。

それであれだけ槍を扱えるとは大した物だ。


だがそんなあやめの努力を無効にするのが俺のアシュラ君だ。

あやめの攻撃その全てをアシュラ君は弾く。

攻撃を無理矢理弾かれて後退させられるあやめ。

そこにノギスが追撃を仕掛ける。

それをさせまいと正人がノギスに横薙ぎの剣を振るう。

一瞬ノギスは反応するが、魔道具を信頼しているのか、正人の攻撃を無視して突っ込む。

優秀なアシュラ君は正人の攻撃を弾き、ノギスはそのままあやめに攻撃する。

あやめは武器で何とか防ぐが武器ごと吹っ飛ばされる。

「くっそ!ずりぃじゃんそれ!チート武器じゃんか!」

正人が何やらぼやいている。

アシュラ君の素晴らしさを思い知ったかい?

すると家から卓が走り出てきた。

「ほあっ!何ですかあの装備は!凄い!素晴らしすぎる!是非見せてもらいたいっ!」

ふふん。
素晴らしいだろう。
この素晴らしさがわかるとは、なかなか目の付け所がいいね君は。

あ、そういえば賢者の模倣するの忘れてた。
この後に模倣しておこうかね。

そんな事を考えていると、正人がノギスから離れてあやめに駆け寄る。

「大丈夫かあやめ?まだ行ける感じ?」

「いけるわよっ!しかしマルコイのやつ、ふざけた武器を作ったわね!」

あやめは此方を睨んだ後、正人に何か言って再度ノギスに向かって走り出した。

「おい、あやめ!‥‥もうしょうがない。マルコイさんもいるからどうにかなるっしょ。」

ふふふ。
何をするかわからないが、アシュラ君に通じるかな?
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