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魔王の影
王様の提案
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「売らないといったのに、随分と嬉しそうですね?」
俺はエッケンさんに問いかける。
「そうだな。お主が獣王国に魔道具を売ると言ったら、残念だが私はマルコイを警戒する必要があった。お主が利益目的でそのような魔道具を売るような人物だったとな。」
「エッケンよ、言ったであろう。マルコイはそんな男ではないとな。ワシが気に入った男だぞ。」
「そうでしたな。しかしマルコイ‥個人的なら売ってくれるとの事だが、さっそくで悪いが1台売ってくれぬか?」
「あっ!狡いぞエッケン!ワシの方が先に買うぞ!そんな面白そうな魔道具は、王が先に使うべきだ!」
「何を言われますか!王が乗る前に試すのが家臣の役目です!先に私が乗って確かめるべきですぞ!」
おいおい。
いい歳したおっさん同士で喧嘩してるよ‥
「ちゃんとお2人分あるから心配しなくても大丈夫ですよ。」
「な、なんと!これ程の物がもう1台あると言うのか!全くマルコイよ、お主は何者だ?」
う~ん‥
何者?
とりあえず冒険者だとは思うけど‥
「それもこれも俺が持っているスキルのお陰なんです。」
「おお、そうじゃったな。お主のスキルか‥それを聞いてもよいのか?」
「そうですね。隠していたら動きにくいので‥」
俺は獣王様とエッケンさんを見る。
この2人なら教えても問題ないと思える。
「俺のスキルは【模倣】です。」
俺はスキル【模倣】について2人に話した。
『譲渡』と『譲与結合』については話をしていないけど。
この2つは必要な状況にならない限り話すつもりはないからな。
「‥‥また随分とデタラメなスキルじゃな‥しかしそうじゃな‥であれば‥エッケンよ。」
「はっ!」
獣王様とエッケンさんがまたコソコソと話をしている。
今度はなんですか?
「それはいい案かと。」
「であろう!ワシは冴えておるのぅ!」
「それはどうかと。」
「なぜにっ!」
目の前でおじさん2人が漫才やってるし‥
話し合いが終わったのか、獣王様がこちらに向き直る。
「マルコイよ。お主は爵位をやると言うたら、もらうか?」
爵位?
う~ん、昔だったら悩んだだろうな。
やっぱり実家を見返したいと多少は思っていたから。
でも今はいらないかな。
家族間の誤解は解けたし、今は実家に協力してもいい程度は和解したつもりだ。
しかし貴族か‥
身分の高い者にはそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある‥か。
はっきり言って義務だの責任だのは性に合わない。
だって好きな事もできないような枠には嵌められたくないものな。
「申し訳ございません。お断りさせてもらうと思います。」
「であろうな。そんな物をお主が欲しがるとは思っておらん。ならばワシらがお主に出来る事‥」
出来る事?
う~ん、お金が欲しいかも‥
「お主にスキルを模倣する場を提供するのはどうじゃ?」
えっ!?
それは‥‥
物凄く嬉しいんだけど!
「お主のスキルは他の者にあまりバレたくはないのでは?であればスキルを模倣するには手間と時間がかかったはずじゃ。さすがにワシも国民全員のスキルを把握しているわけではないが‥お主達が模倣するためのスキルを探すよりも効率的じゃと思うがどうかの?」
「いいんですか?」
俺としてはありがたいけど‥
「別にお主のスキルで模倣したからといってスキルがなくなるわけではあるまい。それに相手にバレないようにと言うのであれば、ワシの協力があった方が捗ると思うぞ。」
それは確かにそうだ。
今までスキルを聞き出したり、スキルが書いてあるギルドカードを見るための方法を考える必要がないからな。
「まずは騎士団からスキルの確認と称してカードを作らせる。騎士団の騎士であるから、武器スキルがほとんどであろう。お主の話では同じスキルは模倣できないとの話だが、それでも300からいる騎士団だ。お主の役に立つスキルはいくつかあると思うぞ。」
俺はエッケンさんに問いかける。
「そうだな。お主が獣王国に魔道具を売ると言ったら、残念だが私はマルコイを警戒する必要があった。お主が利益目的でそのような魔道具を売るような人物だったとな。」
「エッケンよ、言ったであろう。マルコイはそんな男ではないとな。ワシが気に入った男だぞ。」
「そうでしたな。しかしマルコイ‥個人的なら売ってくれるとの事だが、さっそくで悪いが1台売ってくれぬか?」
「あっ!狡いぞエッケン!ワシの方が先に買うぞ!そんな面白そうな魔道具は、王が先に使うべきだ!」
「何を言われますか!王が乗る前に試すのが家臣の役目です!先に私が乗って確かめるべきですぞ!」
おいおい。
いい歳したおっさん同士で喧嘩してるよ‥
「ちゃんとお2人分あるから心配しなくても大丈夫ですよ。」
「な、なんと!これ程の物がもう1台あると言うのか!全くマルコイよ、お主は何者だ?」
う~ん‥
何者?
とりあえず冒険者だとは思うけど‥
「それもこれも俺が持っているスキルのお陰なんです。」
「おお、そうじゃったな。お主のスキルか‥それを聞いてもよいのか?」
「そうですね。隠していたら動きにくいので‥」
俺は獣王様とエッケンさんを見る。
この2人なら教えても問題ないと思える。
「俺のスキルは【模倣】です。」
俺はスキル【模倣】について2人に話した。
『譲渡』と『譲与結合』については話をしていないけど。
この2つは必要な状況にならない限り話すつもりはないからな。
「‥‥また随分とデタラメなスキルじゃな‥しかしそうじゃな‥であれば‥エッケンよ。」
「はっ!」
獣王様とエッケンさんがまたコソコソと話をしている。
今度はなんですか?
「それはいい案かと。」
「であろう!ワシは冴えておるのぅ!」
「それはどうかと。」
「なぜにっ!」
目の前でおじさん2人が漫才やってるし‥
話し合いが終わったのか、獣王様がこちらに向き直る。
「マルコイよ。お主は爵位をやると言うたら、もらうか?」
爵位?
う~ん、昔だったら悩んだだろうな。
やっぱり実家を見返したいと多少は思っていたから。
でも今はいらないかな。
家族間の誤解は解けたし、今は実家に協力してもいい程度は和解したつもりだ。
しかし貴族か‥
身分の高い者にはそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある‥か。
はっきり言って義務だの責任だのは性に合わない。
だって好きな事もできないような枠には嵌められたくないものな。
「申し訳ございません。お断りさせてもらうと思います。」
「であろうな。そんな物をお主が欲しがるとは思っておらん。ならばワシらがお主に出来る事‥」
出来る事?
う~ん、お金が欲しいかも‥
「お主にスキルを模倣する場を提供するのはどうじゃ?」
えっ!?
それは‥‥
物凄く嬉しいんだけど!
「お主のスキルは他の者にあまりバレたくはないのでは?であればスキルを模倣するには手間と時間がかかったはずじゃ。さすがにワシも国民全員のスキルを把握しているわけではないが‥お主達が模倣するためのスキルを探すよりも効率的じゃと思うがどうかの?」
「いいんですか?」
俺としてはありがたいけど‥
「別にお主のスキルで模倣したからといってスキルがなくなるわけではあるまい。それに相手にバレないようにと言うのであれば、ワシの協力があった方が捗ると思うぞ。」
それは確かにそうだ。
今までスキルを聞き出したり、スキルが書いてあるギルドカードを見るための方法を考える必要がないからな。
「まずは騎士団からスキルの確認と称してカードを作らせる。騎士団の騎士であるから、武器スキルがほとんどであろう。お主の話では同じスキルは模倣できないとの話だが、それでも300からいる騎士団だ。お主の役に立つスキルはいくつかあると思うぞ。」
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