379 / 953
対『カッカス』
決着
しおりを挟む
「新たなスキル?馬鹿げた事を言うな!そんな物最早神の所業ではないか。『あのお方』はその身体に先の大戦の仲間達のスキルを宿しているのだ。それを新たな僕である我らに分け与えてくださってるのだ。」
ほっ‥
よかった、とりあえず魔族版の爆殺の名を冠する者の影に怯えなくてもよさそうだな。
しかし‥先の大戦?
一体なんのことだ?
俺が産まれてからそんなに大きな戦いはあっていないはずだぞ。
もしかして先代の魔王でも生き残っているのか?
まさかそんなはずはない。
魔王が勇者に討ち取られたからこの世界はまた平和になったんだ。
「先の大戦とはどういう事だ?」
サントバルは少し考える様子を見せる。
「ふむ。少し話過ぎたようだな。先程言った通り『あのお方』なら例え屍からでもスキルを得る事ができる。たとえ相討ちになったとしても、俺を倒した事が伝わり相手を探し出してスキルを得ていただけるだろう。」
サントバルの歪だった両腕が2本とも剣を形取る。
「貴様はまだ強くなるのか?もしそうなら見せてくれ。貴様の力がそのまま『あのお方』の力になるのだ。これ程昂る事はない。」
まるで狂信者だな。
サントバルは此方に向かい駆け出した。
残念だが、お前にこれ以上付き合うつもりはない。もう終わりにしよう。
俺はエンチャントの暴風、爆炎、土塊、活水を同時に発動させる。
第一段階の全エンチャント発動と同じように俺の身体を白い光の膜が覆う。
俺のいる場所を中心に、力が波打つ。
やはりエンチャント第二段階の全発動は身体の負担が大きい‥
力が籠り過ぎて身体が震える。
すぐに力を解放しなければ身体が四散しそうだ‥
「これで最後だ。『エンチャント:万雷』!」
稲光が走る。
エンチャント:雷とは違い、俺自身の身体が雷になったように錯覚する。
サントバルが両手の剣を振り下ろしてくる。
その動きがとても遅く流れる。
俺だけが違う速度の世界にいるようだ。
一歩踏み出す。
周りの空気が身体にまとわりつく。
手に持つ剣をサントバルに振る。
その剣にすら空気が抵抗しているように感じる。
その空気を突破すると俺の身体はサントバルの横を通り過ぎていた‥
サントバルが此方を振り向く。
するとサントバルの身体から血飛沫が飛び散った。
サントバルの身体は胸の半分ほどが斬り裂かれていた。
「ふはははは‥まさかこれ程の力を持っていようとはな。」
サントバルの身体から溢れ出た血は地面で蠢いている。
身体に戻ろうとしているようだがある程度動いたところでその動きを止めた。
「くそ‥もうスキル操作もままならんか‥」
もうサントバルはスキルを操作する力もないようだ。
だがサントバルは魔族だ。
俺はとどめを刺すためにエンチャント:光を発動させる。
「ふん。それがガルヘアにとどめを刺した光の属性か‥だが俺には必要ない。」
「必要ない?お前は魔族だろう?悪いが光属性でとどめを刺させてもらう。お前をこのままほっておくわけにはいかないからな。」
「何を勘違いしているかしらんが、俺は魔族ではない‥俺はお前と同じ人間族だ。だから先程受けた傷で死ぬから心配するな。」
なんだと?
「はは!驚いたか!最後に貴様の驚いた顔を見れて俺は満足だ!勝手に俺の事を魔族と思ってたようだが残念だったな!『あのお方』の思想に感化されて『あのお方』について行こうとしているやつは魔族だけではない!人間族はもちろん獣人族もいる。エルフやドワーフもな!これからは魔族以外もお前を襲うだろうな!いや、俺を倒したんだ。それこそ他の四死天にも狙われるし『あのお方』にも狙われるんだ。お前に安息の日はないのだ!」
まさかサントバルが人間族とは思わなかった。
一体『あのお方』とは何者なんだ?
魔族だけではない?
それだけカリスマ性を持っている奴なのか?
ほっ‥
よかった、とりあえず魔族版の爆殺の名を冠する者の影に怯えなくてもよさそうだな。
しかし‥先の大戦?
一体なんのことだ?
俺が産まれてからそんなに大きな戦いはあっていないはずだぞ。
もしかして先代の魔王でも生き残っているのか?
まさかそんなはずはない。
魔王が勇者に討ち取られたからこの世界はまた平和になったんだ。
「先の大戦とはどういう事だ?」
サントバルは少し考える様子を見せる。
「ふむ。少し話過ぎたようだな。先程言った通り『あのお方』なら例え屍からでもスキルを得る事ができる。たとえ相討ちになったとしても、俺を倒した事が伝わり相手を探し出してスキルを得ていただけるだろう。」
サントバルの歪だった両腕が2本とも剣を形取る。
「貴様はまだ強くなるのか?もしそうなら見せてくれ。貴様の力がそのまま『あのお方』の力になるのだ。これ程昂る事はない。」
まるで狂信者だな。
サントバルは此方に向かい駆け出した。
残念だが、お前にこれ以上付き合うつもりはない。もう終わりにしよう。
俺はエンチャントの暴風、爆炎、土塊、活水を同時に発動させる。
第一段階の全エンチャント発動と同じように俺の身体を白い光の膜が覆う。
俺のいる場所を中心に、力が波打つ。
やはりエンチャント第二段階の全発動は身体の負担が大きい‥
力が籠り過ぎて身体が震える。
すぐに力を解放しなければ身体が四散しそうだ‥
「これで最後だ。『エンチャント:万雷』!」
稲光が走る。
エンチャント:雷とは違い、俺自身の身体が雷になったように錯覚する。
サントバルが両手の剣を振り下ろしてくる。
その動きがとても遅く流れる。
俺だけが違う速度の世界にいるようだ。
一歩踏み出す。
周りの空気が身体にまとわりつく。
手に持つ剣をサントバルに振る。
その剣にすら空気が抵抗しているように感じる。
その空気を突破すると俺の身体はサントバルの横を通り過ぎていた‥
サントバルが此方を振り向く。
するとサントバルの身体から血飛沫が飛び散った。
サントバルの身体は胸の半分ほどが斬り裂かれていた。
「ふはははは‥まさかこれ程の力を持っていようとはな。」
サントバルの身体から溢れ出た血は地面で蠢いている。
身体に戻ろうとしているようだがある程度動いたところでその動きを止めた。
「くそ‥もうスキル操作もままならんか‥」
もうサントバルはスキルを操作する力もないようだ。
だがサントバルは魔族だ。
俺はとどめを刺すためにエンチャント:光を発動させる。
「ふん。それがガルヘアにとどめを刺した光の属性か‥だが俺には必要ない。」
「必要ない?お前は魔族だろう?悪いが光属性でとどめを刺させてもらう。お前をこのままほっておくわけにはいかないからな。」
「何を勘違いしているかしらんが、俺は魔族ではない‥俺はお前と同じ人間族だ。だから先程受けた傷で死ぬから心配するな。」
なんだと?
「はは!驚いたか!最後に貴様の驚いた顔を見れて俺は満足だ!勝手に俺の事を魔族と思ってたようだが残念だったな!『あのお方』の思想に感化されて『あのお方』について行こうとしているやつは魔族だけではない!人間族はもちろん獣人族もいる。エルフやドワーフもな!これからは魔族以外もお前を襲うだろうな!いや、俺を倒したんだ。それこそ他の四死天にも狙われるし『あのお方』にも狙われるんだ。お前に安息の日はないのだ!」
まさかサントバルが人間族とは思わなかった。
一体『あのお方』とは何者なんだ?
魔族だけではない?
それだけカリスマ性を持っている奴なのか?
10
お気に入りに追加
557
あなたにおすすめの小説
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる