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3章 勇者との出会い
勇者御一行
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Dランクに上がり、数日だったある日。Dランク上位の討伐依頼をこなして、そろそろCランク依頼に取り掛かろうとギルドを訪れていた。
「マルコイ。ちょっといいか?」
するとバーントに声をかけられた。手招きされるのでカウンターに近づいていく。
「この前言っていた勇者御一行の件だが、近々王都に着くらしいぞ。この間も言ったが、くれっぐれも問題を起こすなよ。」
「バーントのなんで美女じゃないんだよおっさんよ。そんなに何回も言わなくても大丈夫だって。もうどっちかというと言われ過ぎて問題起こした方がいいのかなと思うくらいだよ。」
「当たり前のようにそんな名前で呼ぶなっ!すっごい名前の長い人みたいじゃないかっ!てか何回言われたとしても問題起こそうなんて思わないで!」
本当にこんだけ言われると逆に問題起こした方が面白いんじゃねとか思ってしまう。
「ところでその勇者様御一行はいつくらいにこっちに着くんだ?」
「早ければ今日明日にも着くらしいぞ。」
「は?じゃあもっと早くわかったんじゃ?」
「それが昨日の夕方にウルスートから早馬が来て、王家への手紙とその旨を伝えて帰って行ったらしい。」
「はあ?正式な訪問とかじゃないわけ?」
「勇者は平和の象徴でウルスート神聖国が直接関与するわけじゃないと。たまたまウルスート神聖国で現れたってだけでウルスート神聖国だけの勇者じゃないっ事なんだろ。」
なるほど。勇者はウルスート神聖国のものだが、表向きはどこにも属してないので国境超えてどこにでも行くし、どの国も支援をしろってことか。
なんともまあ面の皮の厚いこって。
たとえ唯一無二のスキル【勇者】を発現したとしても、そんな首輪をつけられるのであればお断りである。
「わかってるよ。俺も別に誰彼構わず突っかかるわけじゃないよ。俺が突っかかるのは、おっさんみたいな理不尽な存在だけだよ。」
「なぜに理不尽っ!」
「受付に座っているその存在自体がだ。」
勇者ね。模倣も出来そうにもないし面倒だから近づかない方がいいだろうな。
勇者が王都にいる間はなるべく依頼を受けて王都を離れるようにして会わないようにしとかないとな。
「ようやく見えてきたな。あれが王都セイウットか。」
「は~、ようやく野宿から開放されるわね。」
「ほんとだよ。野宿なんて眠れないし、とてもじゃないけど慣れるもんじゃないよ。この世界の人達は当たり前にやってるんだから感心するよ。」
「卓様、もう王都も近いので迂闊な発言は控えてください。」
「わかってるよガーノスさん。僕達が異世界人だって事はくれぐれも言うなってことでしょ。僕だって元の世界に戻りたいからね。昔読んだラノベみたいにもっとチートなスキル持ちで無双し放題なら考えるけど、スキルも貧弱だし自由もない。こんなとこ1日でも早く戻りたいからちゃんと言うこと聞きますよ。」
「それな。俺も勇者なんて言われてるけど、ウルスートの騎士団長が相手だと負けるしな。野宿も勘弁してほしいから、さっさと元の世界に返して欲しいぜ。」
「正人様も卓様も、この世界の常識から考えると逸脱したスキルを持たれていますけどね。わかっていただけたならよろしいです。」
正人達勇者はウルスート神聖国から半年程前に強制的に召喚されていた。
元々は日本の高校生で仲のよかった4人組だったが、放課後校舎に4人でいるところを召喚された。
最初こそラノベで読んだ事のあるような展開に喜んでいた。
力をつけて魔王を倒す。そこまではよかったのだが、異世界人であるとこを隠すことや、スキル確認のためにウルスートでギルドカードは作成したものの冒険者として活動することを禁じられたり、勝手が違うことに反発しウルスートから離反することを考えていた。
しかし元の世界に戻るためにはウルスート神聖国に従うしかなく、ガーノスという法皇の監視の元で勇者として仕方なく活動していた。
勇者である五十棲正人と賢者の財前卓はいざとなれば離反することもやむなしと思ってはいるが、一緒に召喚された聖騎士の鬼頭あやめと聖女の一ノ瀬恵は、元の世界にいる家族に会いたくて早く帰りたがっているし、一ノ瀬恵に関しては毎夜泣いているのを知っていたので無茶もできずにいた。
法皇と交わした約束として魔王を倒せば元の世界に返してもらえるらしい。
その約束を信じて今は強くなるために訓練をしていた。
「はあ~、やっと着いた。ところで入るのには身分証がいるみたいだけど、そこんとこ大丈夫なん?」
「法皇様より、ウルスート神聖国の身分証をいただいています。それを提示しますので大丈夫ですよ。」
問題なく王都に入った4人は今後の拠点とする宿を決める。
そして男女で別れた後に正人達の部屋に集まっていた。
「モンスター討伐は明日からでしょ?今日は自由行動でいいの?」
鬼頭あやめがガーノスに確認をする。
「そうですね。明日までは自由行動にしましょう。あやめ様はどうされるんですか?」
「ここは屋台とか色々と見て回る所があるんでしょ?最近恵が元気ないから2人で遊んでこようと思って。」
「お二人でですか?」
「【聖騎士】を持ってる私をどうにかできる男がいると思う?それにせっかく遊びに行くのにお供は連れて行きたくないもの。恵行きましょ。」
「いいの、あやめ?」
「いいって。せっかく大きな街に着いたんだから楽しみましょう。」
「ガーノスさん、いいですか?」
恵が申し訳なさそうにガーノスに問いかける。
「そうですね。あまり遅くならないようにお願いしますね。」
「はいはい。」「はいわかりました。」
そして2人は冒険者の衣装から普段着に着替えて王都観光に出かけることにした。
王都を見て回っていた2人は屋台のある西方広場に着いていた。
「見て恵!すっごいわね!これ縁日の出店よりたくさんあるんじゃない?」
「本当!こんなにすごいなんで思ってなかったよ。」
「ほら?ポテトもあるし!ハンバーガーやホットドッグはないのかしら?」
多くの屋台に感動していると、不意に近くから声が聞こえた。
「異世界の知識?」
そこには銀髪の少し眠そうな目をした同じ歳くらいの少年がいた。
「マルコイ。ちょっといいか?」
するとバーントに声をかけられた。手招きされるのでカウンターに近づいていく。
「この前言っていた勇者御一行の件だが、近々王都に着くらしいぞ。この間も言ったが、くれっぐれも問題を起こすなよ。」
「バーントのなんで美女じゃないんだよおっさんよ。そんなに何回も言わなくても大丈夫だって。もうどっちかというと言われ過ぎて問題起こした方がいいのかなと思うくらいだよ。」
「当たり前のようにそんな名前で呼ぶなっ!すっごい名前の長い人みたいじゃないかっ!てか何回言われたとしても問題起こそうなんて思わないで!」
本当にこんだけ言われると逆に問題起こした方が面白いんじゃねとか思ってしまう。
「ところでその勇者様御一行はいつくらいにこっちに着くんだ?」
「早ければ今日明日にも着くらしいぞ。」
「は?じゃあもっと早くわかったんじゃ?」
「それが昨日の夕方にウルスートから早馬が来て、王家への手紙とその旨を伝えて帰って行ったらしい。」
「はあ?正式な訪問とかじゃないわけ?」
「勇者は平和の象徴でウルスート神聖国が直接関与するわけじゃないと。たまたまウルスート神聖国で現れたってだけでウルスート神聖国だけの勇者じゃないっ事なんだろ。」
なるほど。勇者はウルスート神聖国のものだが、表向きはどこにも属してないので国境超えてどこにでも行くし、どの国も支援をしろってことか。
なんともまあ面の皮の厚いこって。
たとえ唯一無二のスキル【勇者】を発現したとしても、そんな首輪をつけられるのであればお断りである。
「わかってるよ。俺も別に誰彼構わず突っかかるわけじゃないよ。俺が突っかかるのは、おっさんみたいな理不尽な存在だけだよ。」
「なぜに理不尽っ!」
「受付に座っているその存在自体がだ。」
勇者ね。模倣も出来そうにもないし面倒だから近づかない方がいいだろうな。
勇者が王都にいる間はなるべく依頼を受けて王都を離れるようにして会わないようにしとかないとな。
「ようやく見えてきたな。あれが王都セイウットか。」
「は~、ようやく野宿から開放されるわね。」
「ほんとだよ。野宿なんて眠れないし、とてもじゃないけど慣れるもんじゃないよ。この世界の人達は当たり前にやってるんだから感心するよ。」
「卓様、もう王都も近いので迂闊な発言は控えてください。」
「わかってるよガーノスさん。僕達が異世界人だって事はくれぐれも言うなってことでしょ。僕だって元の世界に戻りたいからね。昔読んだラノベみたいにもっとチートなスキル持ちで無双し放題なら考えるけど、スキルも貧弱だし自由もない。こんなとこ1日でも早く戻りたいからちゃんと言うこと聞きますよ。」
「それな。俺も勇者なんて言われてるけど、ウルスートの騎士団長が相手だと負けるしな。野宿も勘弁してほしいから、さっさと元の世界に返して欲しいぜ。」
「正人様も卓様も、この世界の常識から考えると逸脱したスキルを持たれていますけどね。わかっていただけたならよろしいです。」
正人達勇者はウルスート神聖国から半年程前に強制的に召喚されていた。
元々は日本の高校生で仲のよかった4人組だったが、放課後校舎に4人でいるところを召喚された。
最初こそラノベで読んだ事のあるような展開に喜んでいた。
力をつけて魔王を倒す。そこまではよかったのだが、異世界人であるとこを隠すことや、スキル確認のためにウルスートでギルドカードは作成したものの冒険者として活動することを禁じられたり、勝手が違うことに反発しウルスートから離反することを考えていた。
しかし元の世界に戻るためにはウルスート神聖国に従うしかなく、ガーノスという法皇の監視の元で勇者として仕方なく活動していた。
勇者である五十棲正人と賢者の財前卓はいざとなれば離反することもやむなしと思ってはいるが、一緒に召喚された聖騎士の鬼頭あやめと聖女の一ノ瀬恵は、元の世界にいる家族に会いたくて早く帰りたがっているし、一ノ瀬恵に関しては毎夜泣いているのを知っていたので無茶もできずにいた。
法皇と交わした約束として魔王を倒せば元の世界に返してもらえるらしい。
その約束を信じて今は強くなるために訓練をしていた。
「はあ~、やっと着いた。ところで入るのには身分証がいるみたいだけど、そこんとこ大丈夫なん?」
「法皇様より、ウルスート神聖国の身分証をいただいています。それを提示しますので大丈夫ですよ。」
問題なく王都に入った4人は今後の拠点とする宿を決める。
そして男女で別れた後に正人達の部屋に集まっていた。
「モンスター討伐は明日からでしょ?今日は自由行動でいいの?」
鬼頭あやめがガーノスに確認をする。
「そうですね。明日までは自由行動にしましょう。あやめ様はどうされるんですか?」
「ここは屋台とか色々と見て回る所があるんでしょ?最近恵が元気ないから2人で遊んでこようと思って。」
「お二人でですか?」
「【聖騎士】を持ってる私をどうにかできる男がいると思う?それにせっかく遊びに行くのにお供は連れて行きたくないもの。恵行きましょ。」
「いいの、あやめ?」
「いいって。せっかく大きな街に着いたんだから楽しみましょう。」
「ガーノスさん、いいですか?」
恵が申し訳なさそうにガーノスに問いかける。
「そうですね。あまり遅くならないようにお願いしますね。」
「はいはい。」「はいわかりました。」
そして2人は冒険者の衣装から普段着に着替えて王都観光に出かけることにした。
王都を見て回っていた2人は屋台のある西方広場に着いていた。
「見て恵!すっごいわね!これ縁日の出店よりたくさんあるんじゃない?」
「本当!こんなにすごいなんで思ってなかったよ。」
「ほら?ポテトもあるし!ハンバーガーやホットドッグはないのかしら?」
多くの屋台に感動していると、不意に近くから声が聞こえた。
「異世界の知識?」
そこには銀髪の少し眠そうな目をした同じ歳くらいの少年がいた。
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