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2章 王都への旅立ち
昇格試験②
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「よし。ミミウもDランク昇格だ。」
「ふぁ~やったですぅ。」
オーウットさんには今度お酒でも奢ろう。
これで残るはアキーエだけだか‥
はっきり言ってアキーエもかなり規格外になってるので心配はしていない。
「次はアキーエだな。アキーエは後衛だから得意な魔法を見せてもらう。」
そう言ってバーントは練習場に人型の的を用意した。
「あの的に向かって得意とする魔法を放ってもらう。そしてその結果をDランク冒険者に判断させる。もちろん公平になるように俺も判定には入るがな。」
「わかったわ。それじゃはじめるわね。」
すると魔法発動に集中するアキーエ。
膨大な魔力がアキーエの周りに集まり、編み込まれていく。
「爆炎球!」
轟音とともに的に向かって直径1メートルはあろうかという火の玉が凄まじいスピードで飛んでいく。
そして的を跡形もなく蒸発させる‥
「‥‥‥‥。」
Dランクの魔法使いの人もバーントも言葉を失っている。
アキーエは【属性魔法:火】を伸ばすために努力はしていたが壁にぶつかっていた。
そしてアキーエはなかなか強くなれない自分が、パーティで役に立つために【判別】を伸ばす事にしたのだ。
【判別】のレベルを上げて冒険中の危険を少しでも減らせればと思っての事だった。
そしてある時【判別】のレベルが上がり、ふと自分の【属性魔法:火】の火球を判別したらどうなるのかと思い判別したらしい。
アキーエ曰く、俺たちが吸っている息の中に燃える空気があるらしく、それが燃えて火になるらしい。目に見えないものだから、言われても理解はできなかったが、アキーエには【判別】した事で正確に理解できたらしい。
そして魔法はイメージだそうで、自分の火球の仕組みを知った事でイメージが明確になり、火球の威力向上と新たな魔法の取得に至った。
それが結果として【属性魔法:火】のレベルアップに繋がったらしい。
しばらくして後衛担当のDランク冒険者が口を開く。
「‥‥‥バーントさん。なんですかあれ?」
「いや、俺もわからん。と、とにかくアキーエも合格だ‥」
Dランク冒険者でもやはりアキーエの魔法は規格外らしい。
「昇格試験の結果は追って伝えるつもりだったが、火を見るよりも明らかだな。結果は全員合格だ。3人ともDランク昇格だ。」
全員合格できるとは思っていたが、実際に結果がでるとやはり嬉しい。
「それではランク設定はこちらでしておく。設定が終わり次第、お前達のスキルカードのランクがDになるからな。多分今日中には終わると思うから、明日からDランクとして活動してくれ。」
俺たち3人は全員が無事にDランクに上がるのとができた。
ホッとしてギルドに戻ると、ギルドマスターである
サベントさんがフロントにいた。
「マルコイさんたちちょうどよかった。少し話がありますので、お時間いいでしょうか?」
「はい。別に大丈夫ですよ。綺麗な女性からのお誘いは基本お断りしませんので。」
マルコイは満面の笑みを浮かべて答えるが、すぐに苦悶の表情に変わる。
「うぐっ、久しぶりだと結構応える。」
マルコイの右の腹にアキーエの腕が突き刺さっていた。
「おかしい‥スキルの効果で身体能力も上がっているはずなのに、何故か躱せない。」
「調子にのるからよ。」
「相変わらず仲がいいんですね。すぐ終わるので応接室で話をしましょうか。」
そのまま3人はサベントについてギルドの応接室に入る。
「紅茶でいいですか?」
「はい。すいません、ありがとうございます。」
マルコイがアキーエの強さの秘密を考えていると、サベントが人数分の紅茶を持って戻ってきた。
「マルコイさん達に伺いたかったのが、先日討伐されたキラーベアの件なんです。」
「確かに討伐しましたが、何かおかしな事がありましたか?」
「キラーベアなんですが、年齢などで個体差がかなりあって、大きなものになるとDランクでも討伐失敗する冒険者が続いてまして。ランク自体をCランクに上げるよう検討していたのです。それが先日、Eランクパーティで、それもメンバーが最小の3人で討伐したと聞きました。」
「俺たちが討伐したのが小型だったんですか?」
「いえ、出していただいた討伐部位の爪と牙を確認させましたが、どちらかというと規定より少し大きいくらいでした。」
「一応キラーベアは討伐ランクCに変更になりましたけど、その個体が怪我などがあり弱かったのか、今までの討伐失敗に別の事情があったのか‥それともCランクに変更せざる必要があったモンスターをEランク冒険者が倒せる理由があったのか‥」
そこまで言って、こちらを見るサベントさん‥
「とても気になりましたので‥」
おう‥サベントさんの笑顔が何か怖い。
別に隠す事でもないが、俺のスキルが知られるのは、俺がもっと強くなってからと思っている。
「俺たちが強かったからだと思いますよ。でも理由はまだ言えません。もっと強くなって、それこそAランクやSランクになるつもりなんで、その時に教えますね。」
「やっぱりマルコイさん達は何か秘密があった訳ですね。ん~気になりますが話してくれるまで待つとしましょう。これからも期待してますね。」
「楽しみにしといてください。」
そういうと妖艶に笑うサベントさん。
心配しなくても仲間とスキル【模倣】ですぐに駆け上がってみせますよっ!
「ふぁ~やったですぅ。」
オーウットさんには今度お酒でも奢ろう。
これで残るはアキーエだけだか‥
はっきり言ってアキーエもかなり規格外になってるので心配はしていない。
「次はアキーエだな。アキーエは後衛だから得意な魔法を見せてもらう。」
そう言ってバーントは練習場に人型の的を用意した。
「あの的に向かって得意とする魔法を放ってもらう。そしてその結果をDランク冒険者に判断させる。もちろん公平になるように俺も判定には入るがな。」
「わかったわ。それじゃはじめるわね。」
すると魔法発動に集中するアキーエ。
膨大な魔力がアキーエの周りに集まり、編み込まれていく。
「爆炎球!」
轟音とともに的に向かって直径1メートルはあろうかという火の玉が凄まじいスピードで飛んでいく。
そして的を跡形もなく蒸発させる‥
「‥‥‥‥。」
Dランクの魔法使いの人もバーントも言葉を失っている。
アキーエは【属性魔法:火】を伸ばすために努力はしていたが壁にぶつかっていた。
そしてアキーエはなかなか強くなれない自分が、パーティで役に立つために【判別】を伸ばす事にしたのだ。
【判別】のレベルを上げて冒険中の危険を少しでも減らせればと思っての事だった。
そしてある時【判別】のレベルが上がり、ふと自分の【属性魔法:火】の火球を判別したらどうなるのかと思い判別したらしい。
アキーエ曰く、俺たちが吸っている息の中に燃える空気があるらしく、それが燃えて火になるらしい。目に見えないものだから、言われても理解はできなかったが、アキーエには【判別】した事で正確に理解できたらしい。
そして魔法はイメージだそうで、自分の火球の仕組みを知った事でイメージが明確になり、火球の威力向上と新たな魔法の取得に至った。
それが結果として【属性魔法:火】のレベルアップに繋がったらしい。
しばらくして後衛担当のDランク冒険者が口を開く。
「‥‥‥バーントさん。なんですかあれ?」
「いや、俺もわからん。と、とにかくアキーエも合格だ‥」
Dランク冒険者でもやはりアキーエの魔法は規格外らしい。
「昇格試験の結果は追って伝えるつもりだったが、火を見るよりも明らかだな。結果は全員合格だ。3人ともDランク昇格だ。」
全員合格できるとは思っていたが、実際に結果がでるとやはり嬉しい。
「それではランク設定はこちらでしておく。設定が終わり次第、お前達のスキルカードのランクがDになるからな。多分今日中には終わると思うから、明日からDランクとして活動してくれ。」
俺たち3人は全員が無事にDランクに上がるのとができた。
ホッとしてギルドに戻ると、ギルドマスターである
サベントさんがフロントにいた。
「マルコイさんたちちょうどよかった。少し話がありますので、お時間いいでしょうか?」
「はい。別に大丈夫ですよ。綺麗な女性からのお誘いは基本お断りしませんので。」
マルコイは満面の笑みを浮かべて答えるが、すぐに苦悶の表情に変わる。
「うぐっ、久しぶりだと結構応える。」
マルコイの右の腹にアキーエの腕が突き刺さっていた。
「おかしい‥スキルの効果で身体能力も上がっているはずなのに、何故か躱せない。」
「調子にのるからよ。」
「相変わらず仲がいいんですね。すぐ終わるので応接室で話をしましょうか。」
そのまま3人はサベントについてギルドの応接室に入る。
「紅茶でいいですか?」
「はい。すいません、ありがとうございます。」
マルコイがアキーエの強さの秘密を考えていると、サベントが人数分の紅茶を持って戻ってきた。
「マルコイさん達に伺いたかったのが、先日討伐されたキラーベアの件なんです。」
「確かに討伐しましたが、何かおかしな事がありましたか?」
「キラーベアなんですが、年齢などで個体差がかなりあって、大きなものになるとDランクでも討伐失敗する冒険者が続いてまして。ランク自体をCランクに上げるよう検討していたのです。それが先日、Eランクパーティで、それもメンバーが最小の3人で討伐したと聞きました。」
「俺たちが討伐したのが小型だったんですか?」
「いえ、出していただいた討伐部位の爪と牙を確認させましたが、どちらかというと規定より少し大きいくらいでした。」
「一応キラーベアは討伐ランクCに変更になりましたけど、その個体が怪我などがあり弱かったのか、今までの討伐失敗に別の事情があったのか‥それともCランクに変更せざる必要があったモンスターをEランク冒険者が倒せる理由があったのか‥」
そこまで言って、こちらを見るサベントさん‥
「とても気になりましたので‥」
おう‥サベントさんの笑顔が何か怖い。
別に隠す事でもないが、俺のスキルが知られるのは、俺がもっと強くなってからと思っている。
「俺たちが強かったからだと思いますよ。でも理由はまだ言えません。もっと強くなって、それこそAランクやSランクになるつもりなんで、その時に教えますね。」
「やっぱりマルコイさん達は何か秘密があった訳ですね。ん~気になりますが話してくれるまで待つとしましょう。これからも期待してますね。」
「楽しみにしといてください。」
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