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その後のネズミ
24.
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そうしていると辰彦か身を屈めてその手の甲に触れるだけの接吻をする。
ああ、この格子越しのやり取りも久しぶりだな。
ふふっと小さく笑うと、俺は辰彦を見据え、襟を掴んで強引に引き寄せた。
豹変した俺に驚いた顔をしている。
「辰彦様は俺が浮気すると思ってるんですか?」
実はちょっと怒っているのだ。
晴助と直末に会えて嬉しかったから、はしゃいでしまった自覚はあるが辰彦に叱られる筋合いも無ければ浮気もくそもない。
何も答えない辰彦に再度問う。
「辰彦様が嫉妬しただけですよね?」
とどめにニッコリと笑うと、辰彦は僅かに視線が泳いだ。
知り合ってすぐは分からなかったが、辰彦と一緒にいる時間が長くなったから顔色が読めるようになった。
座敷牢に閉じ込めたのはさすがにやり過ぎたくらいは思ってくれているのだろう。
だから、これ以上追い詰めるのは可哀想なので、この辺りで勘弁してあげようと握った襟を放した。
「俺、辰彦様に嫉妬されるの嬉しいですよ。だって俺のこと好きってことでしょ?」
「……そうだ。私は嫉妬したんだ」
「そんなの分かってましたけど。初めからそう言ってください。あいつらとは友人として会ってるんです。俺はこれからも辰彦様を裏切ったりしませんよ」
「ああ。私が勝手に嫉妬しただけだ」
拗ねている辰彦が可愛く思えて、俺は表情を緩めながら彼の頬を優しく撫でた。
こんな独占欲も、それだけ愛されているのだと実感できて俺は嬉しかった。
「ねぇ、早くここから出してください。格子越しじゃ仲直りの口付けも出来ないでしょう?」
辰彦は返事もせず牢の鍵を開けてくれたので、すぐに座敷牢から出ると、辰彦の首根に腕を回して接吻をした。
「フフッ、仲直りですね」
「すまなかった。お前のことになると頭に血が上る。昨日は酷く抱いてしまいそうだったから、私も頭を冷やしたかった」
俺は辰彦のことがもっともっと好きになる。
俺も、もっと辰彦を喜ばせたい。
そんな思いから、俺はまた一つ提案をした。
「昨晩独り寝をさせてしまったお詫びに……辰彦様がしたいなら、酷くしても良いですよ?」
「酷くしても良い、だと?ほんの少し酷くしただけで根をあげるお前がそんなことは言うものじゃない」
「俺も昨晩はここで一人で寝なきゃならなくて寂しかったんです」
「いびきをかいて寝ていたくせに寂しかったとはよく言う」
辰彦はクツクツと喉を鳴らして笑った。
結構遅くまで待っていたのにきっと俺が寝たのを見計らってから来て寝顔だけ見て帰ったとか、拗ねても良いよね?
「ここに来たのに起こしてくれなかったんですか?意地悪ですね」
「意地悪されたかったんだろう?」
愛を紡ぐように甘く囁くので身体から力が抜けて言葉に詰まる。
別に意地悪をされたかったわけではないけど、辰彦になら何でもされて良いと思えるくらいに俺は愛している。
辰彦は俺の耳朶に触れ、それから指で耳の輪郭をなぞりながら俺を煽った。
「そんな物欲しそうな顔をして。フフッ、本当に酷くしたくなるだろう。手始めに腹の中を綺麗にしようか」
ズクンと腹と奥が重くなり、ぞくぞくと背筋が粟立った。
俺は付き従い、風呂場へ向かった。
屈辱でしかなかった腸内洗浄も今では辰彦に与えられる快楽の一つとなった。いや、その先の快感に繋がっているのを知っているから好きなのかもしれない。
綺麗にされた俺の身体と胎内は、すぐにでも辰彦の雄を受け入れようと疼く。
辰彦は着ても着なくてもあまり変わらなそうな透ける着物を俺に着付けて自室へと移動した。
火のついた俺は早く辰彦に触れてほしくて、自ら辰彦の身体に擦り寄ったが部屋に行くまで待てと止められてしまった。
俺は早く挿れて欲しくて、腰をゆらゆらと揺らしながら辰彦の部屋へと入った。
「ふふっ、どうしたんだい?そんなに私を見つめて」
「辰彦様ぁ、もう待てません。抱いてください」
辰彦は俺の手首を掴んで引き寄せると、顔を近付けてきた。
「お前が可愛くて、酷くしてしまうかもしれないよ?良いのかい?」
「……はい。辰彦様の好きなようにして下さい」
「では好きなようにさせてもらおうか」
辰彦はそう言い、唇を貪るにように接吻をし舌を捩じ込んできたので俺はゆっくりと瞼を閉じた。
それからたっぷり口腔内を蹂躙されてから、布団に寝かされた。
背中の下には畳んだ掛け布団が入れられ、布団に寄りかかったぶん上半身が若干起き上がっている。
そして命令されるがまま脚を開くように両手で腿を持たされると、辰彦は縄で腿を縛り、両方の腿を繋ぐ縄を俺の首に掛けた。
これで手を離しても脚は開いたまま閉じられない。
手首も縛られて更に自由は少なくなった。
辰彦は楽しそうに俺の膝を撫でて、するりと内腿に手を這わせた。
俺は思わず身震いする。
そして、内腿に這わされた手は止まることなく、俺の陰嚢を持ち上げるように揉むとそのまま会陰をなぞって肛門に触れた。
俺は期待で身体を跳ねさせたが、肝心の場所に指が来ることは無く周りを撫で回すだけ。
焦らしながら後孔を掠めて、時々爪先で孔を引っ掻かれた。
そんなもどかしい愛撫に俺は思わず吐息を漏らす。
すると、辰彦はニヤリと笑って秘部から手を離したかと思うと今度は俺の股座に顔を埋めた。
先走りの汁をダラダラと流していた肉竿を口に含んだのだ。
俺はビクンと大きく身体を跳ねさせて反射的に太腿を閉じようとしたが、縄が軋み音を立てただけだった。
ああ、この格子越しのやり取りも久しぶりだな。
ふふっと小さく笑うと、俺は辰彦を見据え、襟を掴んで強引に引き寄せた。
豹変した俺に驚いた顔をしている。
「辰彦様は俺が浮気すると思ってるんですか?」
実はちょっと怒っているのだ。
晴助と直末に会えて嬉しかったから、はしゃいでしまった自覚はあるが辰彦に叱られる筋合いも無ければ浮気もくそもない。
何も答えない辰彦に再度問う。
「辰彦様が嫉妬しただけですよね?」
とどめにニッコリと笑うと、辰彦は僅かに視線が泳いだ。
知り合ってすぐは分からなかったが、辰彦と一緒にいる時間が長くなったから顔色が読めるようになった。
座敷牢に閉じ込めたのはさすがにやり過ぎたくらいは思ってくれているのだろう。
だから、これ以上追い詰めるのは可哀想なので、この辺りで勘弁してあげようと握った襟を放した。
「俺、辰彦様に嫉妬されるの嬉しいですよ。だって俺のこと好きってことでしょ?」
「……そうだ。私は嫉妬したんだ」
「そんなの分かってましたけど。初めからそう言ってください。あいつらとは友人として会ってるんです。俺はこれからも辰彦様を裏切ったりしませんよ」
「ああ。私が勝手に嫉妬しただけだ」
拗ねている辰彦が可愛く思えて、俺は表情を緩めながら彼の頬を優しく撫でた。
こんな独占欲も、それだけ愛されているのだと実感できて俺は嬉しかった。
「ねぇ、早くここから出してください。格子越しじゃ仲直りの口付けも出来ないでしょう?」
辰彦は返事もせず牢の鍵を開けてくれたので、すぐに座敷牢から出ると、辰彦の首根に腕を回して接吻をした。
「フフッ、仲直りですね」
「すまなかった。お前のことになると頭に血が上る。昨日は酷く抱いてしまいそうだったから、私も頭を冷やしたかった」
俺は辰彦のことがもっともっと好きになる。
俺も、もっと辰彦を喜ばせたい。
そんな思いから、俺はまた一つ提案をした。
「昨晩独り寝をさせてしまったお詫びに……辰彦様がしたいなら、酷くしても良いですよ?」
「酷くしても良い、だと?ほんの少し酷くしただけで根をあげるお前がそんなことは言うものじゃない」
「俺も昨晩はここで一人で寝なきゃならなくて寂しかったんです」
「いびきをかいて寝ていたくせに寂しかったとはよく言う」
辰彦はクツクツと喉を鳴らして笑った。
結構遅くまで待っていたのにきっと俺が寝たのを見計らってから来て寝顔だけ見て帰ったとか、拗ねても良いよね?
「ここに来たのに起こしてくれなかったんですか?意地悪ですね」
「意地悪されたかったんだろう?」
愛を紡ぐように甘く囁くので身体から力が抜けて言葉に詰まる。
別に意地悪をされたかったわけではないけど、辰彦になら何でもされて良いと思えるくらいに俺は愛している。
辰彦は俺の耳朶に触れ、それから指で耳の輪郭をなぞりながら俺を煽った。
「そんな物欲しそうな顔をして。フフッ、本当に酷くしたくなるだろう。手始めに腹の中を綺麗にしようか」
ズクンと腹と奥が重くなり、ぞくぞくと背筋が粟立った。
俺は付き従い、風呂場へ向かった。
屈辱でしかなかった腸内洗浄も今では辰彦に与えられる快楽の一つとなった。いや、その先の快感に繋がっているのを知っているから好きなのかもしれない。
綺麗にされた俺の身体と胎内は、すぐにでも辰彦の雄を受け入れようと疼く。
辰彦は着ても着なくてもあまり変わらなそうな透ける着物を俺に着付けて自室へと移動した。
火のついた俺は早く辰彦に触れてほしくて、自ら辰彦の身体に擦り寄ったが部屋に行くまで待てと止められてしまった。
俺は早く挿れて欲しくて、腰をゆらゆらと揺らしながら辰彦の部屋へと入った。
「ふふっ、どうしたんだい?そんなに私を見つめて」
「辰彦様ぁ、もう待てません。抱いてください」
辰彦は俺の手首を掴んで引き寄せると、顔を近付けてきた。
「お前が可愛くて、酷くしてしまうかもしれないよ?良いのかい?」
「……はい。辰彦様の好きなようにして下さい」
「では好きなようにさせてもらおうか」
辰彦はそう言い、唇を貪るにように接吻をし舌を捩じ込んできたので俺はゆっくりと瞼を閉じた。
それからたっぷり口腔内を蹂躙されてから、布団に寝かされた。
背中の下には畳んだ掛け布団が入れられ、布団に寄りかかったぶん上半身が若干起き上がっている。
そして命令されるがまま脚を開くように両手で腿を持たされると、辰彦は縄で腿を縛り、両方の腿を繋ぐ縄を俺の首に掛けた。
これで手を離しても脚は開いたまま閉じられない。
手首も縛られて更に自由は少なくなった。
辰彦は楽しそうに俺の膝を撫でて、するりと内腿に手を這わせた。
俺は思わず身震いする。
そして、内腿に這わされた手は止まることなく、俺の陰嚢を持ち上げるように揉むとそのまま会陰をなぞって肛門に触れた。
俺は期待で身体を跳ねさせたが、肝心の場所に指が来ることは無く周りを撫で回すだけ。
焦らしながら後孔を掠めて、時々爪先で孔を引っ掻かれた。
そんなもどかしい愛撫に俺は思わず吐息を漏らす。
すると、辰彦はニヤリと笑って秘部から手を離したかと思うと今度は俺の股座に顔を埋めた。
先走りの汁をダラダラと流していた肉竿を口に含んだのだ。
俺はビクンと大きく身体を跳ねさせて反射的に太腿を閉じようとしたが、縄が軋み音を立てただけだった。
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