転生ババァは見過ごせない! 元悪徳女帝の二周目ライフ
かつて世界を征服しようとした女皇帝がいた。
名をラウラリス・エルダヌス。
長きに渡り恐怖と暴力によって帝国を支配していた彼女は、その果てに勇者との戦いによって息絶える。
それから三百年の月日が流れた。
実はラウラリスは世界の為に悪役を演じていただけであり、その功績を神に認められた彼女は報酬として新たなる(若返った)肉体としがらみをもたない第二の人生を与えられることとなる。
これは悪役を演じきったババァの、第二の人生譚である。
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久しぶりに見たババアを見たババアを見たババア。
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まあ、どのみち商会は終わり。
これ、ババアを殺せない限り、どう転んでも商会とギルドは潰れる運命ですね。
今回の件で『不都合な人物』に『不当な指名手配』をしていますから。
ババアはあくまでもフリーランスの賞金稼ぎ的一般人。
本来ギルドが指名手配する筈の無い人物であり、これまで非公式とはいえギルドのみならず、あちこちで治安維持に貢献し、ケイン達王家の犬に協力したり、街の衛兵隊の教官をしたり、武力を持つ大規模宗教の最高権力者達とも縁を紡いできた人なのです。
大々的に指名手配なんぞ掛けてしまったいま、彼等は表だっての抗議こそ慎重でしょうが、裏で事情を調べ始めるでしょうし、圧力も掛けるでしょう。
ギルド指名手配の原則/規約に反する、恣意的な手配である事はすぐにバレてしまいます。
ババアが討ち取られでもすれば別ですが、企みが潰えれば、世間に大々的にギルド側の不正が喧伝される事になり、その黒幕である商会は全ての信用を失います。
やらかした本人の首だけではすみませんよ?
商売は信用第一。
そして、信用を失った間抜けにいつまでもくっついている程、間抜けな商人はいません。
昨日の友は、今日の他人。
取引先なんか、あっという間に無くなります。
ギルドの活動がこれ程広域に認められている要因の一つとして、『公正である』事があります。
元勇者肝いりの外部治安維持政策でもあった訳ですし、金銭その他で無辜の民を指名手配してはならないという原則があるから、多少の権限拡大や優遇が認められているのですから。
こちらも指名手配を認めた人物の首くらいでは収まりませんよ?
亡国の支部と馬鹿一族の商会が一緒に潰される予感。
喧嘩を売る相手は選ばないといけない。
下手に腕に自信があるから、見誤る。
ババアからすれば、『ここ最近で見た中では上位の部類に入る』程度なんだけどねぇ……
怪我をさせずに無力化は面倒だけど、縛りが無いなら、そんなに難しい相手じゃない。
因みに面目→名目ですね。
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