続続源太捕物帖

推薦

徳士が、英語を、ネイティブ並に、習得した時、
柏木幸助は、考えた。

、、、、、
、、、、、

此奴は、外交官に、進むべきだ、と。
日英国間の。

色々、コネクションと、知己を、通じて、
英国、ロンドン、通商大使の、椅子を、
持って来た。柏木幸助は、徳士に、告げた。

英国に、行け。
通訳官として。

通訳官かぁ！
徳士は、感慨深い思いに、包まれた。
文明国、イギリス留学。
そして、通商大使に。

徳士は、感じる。
何て、俺は、運が、いいのだろう、と。

船が、出るのが、一か月後。
父に、詳細を、記した文を、送ると、
身支度して、出国を、待つ。

パスポートを、ひっくり返し、ひっくり返し、
観ている。当時は、珍しい、写真付き。
ことあるごとに、弄り回す。

日本国パスポート。

此れが、母国日本との、終生の別れに、なると、
夢想だにしなかった。

船が、出るぞー、
蒸気機関船は、長崎港を、離岸していった。