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改めて君に※エイシオ視点

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「なんだ……お前達、婚約? だが……雄……と雄……」

 僕とアユムの間にいるザピクロス様が、鼻をスンスンと動かす。
 
「そうですが何か? ザピクロス様」

「ふぅん、別に。人間の道理など神には関係ない事だしな~~。じゃあ早う出発をするぞい」

「今は夜中です。ザピクロス様。それに旅なら準備も必要ですよ」

「アユムの言う通りです。用意は僕に任せてください。早めに準備致しますので」

「そうか……じゃあ頼む……」

 そういうとザピクロス様は、アユムの腕のなかで丸くなって目を瞑った。

「え、アユムと一緒に寝るつもりですか」

「無論……転移者殿から離れることはせん……すぴぴすぴぴ」

 アライグマのような姿ですやすやと眠りだしたザピクロス様……。
 破天荒な神様なのに、アユムは微笑んで頭を撫でている。
 くっ……う、羨ましい……!
 
「ザピクロス様……もう寝ちゃいましたね。神様なのに眠るんだ」

「アユム、僕の部屋で一緒に寝よう。ベッドで一緒が嫌なら、僕はソファに寝る」

「えっ……」

「神様ではあるが、何かあってはと心配になってしまうよ」

 朝起きたら、アライグマから人間みたいな姿にでもなっていたら困る。
 こっちは出来たてホヤホヤらぶらぶカップルなんだぞ!!
 
「そ、そっか……そうですね。では俺がソファに……」

「いや、二人と一匹でベッドで一緒に寝よう」

「えっ……は、はい」

 そうだった。アユムは遠慮する子だから、僕がグイグイいかないとダメだ。
  
「あの……アユム」

「はい」

「勢いで婚約と言ったけれど」

「あっ……は、はい」

「旅の途中で、しっかりとプロポーズするから」

「プ……!」

 僕だって、恥ずかしいわけじゃない。
 でも、こういう場でははっきり言わなきゃ。

「だから、一緒に僕の家へ……僕に着いてきてくれないか」

「……はい」

 手を伸ばせば、僕の胸にそっと寄り添ってくれるアユム。
 男同士でも、僕はアユムとずっと一緒にいたい。
 誰が認めなくても、僕はアユムと結婚するんだ……。

 旅の途中で綺麗な指輪も探そう。
 
「グウグゥ……グプィ! ……グウグゥ」

 うわ! すごいイビキだ!
 せっかく抱き締めあってるのに……このアライグマ、邪魔だなぁ~~~……。 
 
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