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海が見えた※アユム視点
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今回の温泉旅行の目的地は、海だ。
馬を少し休憩させて、また馬車は行く。
そして……、
「海だーっ!」
青空に、光り輝く海。
清々しい海風。
あぁカモメかなぁ?
鳥の声が聞こえる。
雲は、もう夏の雲になってきてる……!
「あ~海の香りだー! 俺、海なんて何年ぶりだろうってくらい久しぶりです!」
「そうなんだね、僕も久しぶりだよ」
まだ海水浴には早いかな。
まぁ海水浴なんか行かない陰キャだったけど……。
あっ俺! デコボコ道からずっとエイシオさんにくっついてた!
「す、すみませんっ」
「ん? 大丈夫だよ」
あああ~いっつも、エイシオさんの優しさに甘えてしまってる!
俺の馬鹿!
でも、なんだか安心してしまって自然にくっついてしまってた。
「また揺れては困るし、このままでいいんだよ」
見た感じ観光地だからか道はとても整備されている……けど
「はい……」
俺は、そのままエイシオさんに寄り添う事にしたんだ。
綺麗な景色。幸せな穏やかな時間。
でも、たまに怖くなる――もしも元の世界に、また戻ってしまったらどうしようって。
いや、今は幸せな旅行の時間。
考えるのはやめよう。
「今日の夕飯は、宿屋名物の刺し身にステーキに旬の野菜の天ぷら……楽しみだね」
「す、すごい豪華!」
異世界でこんなにグルメを堪能してバチが当たりそうなくらいだ。
「久しぶりの旅行だ。沢山食べて飲もう。アユムの元いた国と似た雰囲気の宿にしたからね」
この世界にも元いた世界のように様々な文化があるようなんだけど、
日本に似た文化もあって今回の宿はそこを選んでくれたんだ。
「ありがとうございます」
「いや、僕が楽しみたかっただけなんだ。一緒に来てくれてありがとう」
「俺もすっごく! 楽しいです!」
「良かったよアユム」
エイシオさんはすごく嬉しそうに笑う。
宿屋が近づくにつれて、行き交う人も多くなってきた。
俺はさすがに有名人で人気者のエイシオさんにくっついてたら迷惑をかける気がして水筒を取るふりをして離れた。
手を振ってくる綺麗な女の人も沢山いるんだよね。
ん……俺、今までは綺麗な女の人を見たら『お近づきになりたい』って憧れるような気持ちが生まれてたはずなのに、エイシオさんが気になってしまう。
女の人じゃなくてエイシオさんがどんな反応するのか気になってしまう。
それでエイシオさんが苦笑いしながら会釈しているのを見ると……
ホッとしてる……俺。
喜んでないって迷惑そうだって……ホッとしてる……?
「好き……かい?」
「えっ!?」
突然のエイシオさんの言葉に飛び上がりそうになった。
「え? アユムは温泉まんじゅうは好きかい……?」
「あ! あっ! はい! すごく」
「温泉に入る前に食べた方がいいらしいね」
エイシオさんの豆知識を聞きながら、俺は勘違いしたセリフをあんまり考えないようにした。
『(僕が)好き……かい?』
って……言われたのかと……。
だって、それは命の恩人だし、尊敬してるし……そりゃ好きに決まってるさ!
そうだ、そうだ。
尊敬してる人だもん。
おかしくない、おかしくない。
「もうすぐ着きやす」
御者さんに言われて、俺は大きな綺麗な宿だ~! って思ったらそこは通り過ぎて、更に更にめちゃくちゃ高級そうな宿に到着した。
馬を少し休憩させて、また馬車は行く。
そして……、
「海だーっ!」
青空に、光り輝く海。
清々しい海風。
あぁカモメかなぁ?
鳥の声が聞こえる。
雲は、もう夏の雲になってきてる……!
「あ~海の香りだー! 俺、海なんて何年ぶりだろうってくらい久しぶりです!」
「そうなんだね、僕も久しぶりだよ」
まだ海水浴には早いかな。
まぁ海水浴なんか行かない陰キャだったけど……。
あっ俺! デコボコ道からずっとエイシオさんにくっついてた!
「す、すみませんっ」
「ん? 大丈夫だよ」
あああ~いっつも、エイシオさんの優しさに甘えてしまってる!
俺の馬鹿!
でも、なんだか安心してしまって自然にくっついてしまってた。
「また揺れては困るし、このままでいいんだよ」
見た感じ観光地だからか道はとても整備されている……けど
「はい……」
俺は、そのままエイシオさんに寄り添う事にしたんだ。
綺麗な景色。幸せな穏やかな時間。
でも、たまに怖くなる――もしも元の世界に、また戻ってしまったらどうしようって。
いや、今は幸せな旅行の時間。
考えるのはやめよう。
「今日の夕飯は、宿屋名物の刺し身にステーキに旬の野菜の天ぷら……楽しみだね」
「す、すごい豪華!」
異世界でこんなにグルメを堪能してバチが当たりそうなくらいだ。
「久しぶりの旅行だ。沢山食べて飲もう。アユムの元いた国と似た雰囲気の宿にしたからね」
この世界にも元いた世界のように様々な文化があるようなんだけど、
日本に似た文化もあって今回の宿はそこを選んでくれたんだ。
「ありがとうございます」
「いや、僕が楽しみたかっただけなんだ。一緒に来てくれてありがとう」
「俺もすっごく! 楽しいです!」
「良かったよアユム」
エイシオさんはすごく嬉しそうに笑う。
宿屋が近づくにつれて、行き交う人も多くなってきた。
俺はさすがに有名人で人気者のエイシオさんにくっついてたら迷惑をかける気がして水筒を取るふりをして離れた。
手を振ってくる綺麗な女の人も沢山いるんだよね。
ん……俺、今までは綺麗な女の人を見たら『お近づきになりたい』って憧れるような気持ちが生まれてたはずなのに、エイシオさんが気になってしまう。
女の人じゃなくてエイシオさんがどんな反応するのか気になってしまう。
それでエイシオさんが苦笑いしながら会釈しているのを見ると……
ホッとしてる……俺。
喜んでないって迷惑そうだって……ホッとしてる……?
「好き……かい?」
「えっ!?」
突然のエイシオさんの言葉に飛び上がりそうになった。
「え? アユムは温泉まんじゅうは好きかい……?」
「あ! あっ! はい! すごく」
「温泉に入る前に食べた方がいいらしいね」
エイシオさんの豆知識を聞きながら、俺は勘違いしたセリフをあんまり考えないようにした。
『(僕が)好き……かい?』
って……言われたのかと……。
だって、それは命の恩人だし、尊敬してるし……そりゃ好きに決まってるさ!
そうだ、そうだ。
尊敬してる人だもん。
おかしくない、おかしくない。
「もうすぐ着きやす」
御者さんに言われて、俺は大きな綺麗な宿だ~! って思ったらそこは通り過ぎて、更に更にめちゃくちゃ高級そうな宿に到着した。
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