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追憶:保育士として子ども達とのやりとり 他

▫️本音

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部屋が殺伐としている。
造形コーナーでは積み木やカプラなどが無造作に散りばめられ
おままごとコーナーの主達は、食器を下げる前に逃走
机の周りには切り刻んだ画用紙や段ボール、
机上には色鉛筆やマーカーが放り出されている。
LaQコーナーも酷いことになっている。

時間にはまだ早かったが、現状について子ども達に問おうと奮起し
サークルタイムを始める。

な「では始めます。」
一同「よろしくお願いします」
な「早速ですが、今の部屋の中についてみんなはどう思う?」

周囲を見渡す子ども達。
ぼそぼそっとした声が漏れたり
私の顔を伺う子
反対に絶対に私と目せんと合わせようとしない子
そもそもサークルタイムに不満がありそうな子
など、
その反応はまさに十人十色と言ったところ。

g「ぐちゃぐちゃになってる…」
b「汚い、かなぁ…」
g「片付け…」
b「やばい」

改めて見まわした部屋の状況と
私の顔色を見て察した様子で、場は静まり返る。

な「えーとね。なんで使ったら片付けるんだっけ?」

そう問うと

g「出しっぱなしだと、次の子が使えないから」
b「転んだりしたら、危ないから」
g「おもちゃが壊れちゃうかもしれん」
b「なくなるかも」
g「ものは大事にしないといけないから」
b「あとは…」

な「みんなの言っていること、全部正解○だよ。
    使おうと思って行ってみたら、グチャグチャだったどんな気持ち?」
b「嫌な気持ちになる」
な「そうだね。」
な「いい気持ちと、嫌な気持ち。みんなはどっちが好き?」
一同「いい気持ち」
な「先生も同じ。大事なおもちゃが壊れたり、無くなっちゃうとやっぱり嫌な気持ちになると思うの」
な「それにb君が言ってくれたみたいに、もし転んじゃって積み木が目や鼻、口に入ったらどうしよう?」
g「きっと痛いと思う」
b「病院行かなあかんと思う」
な「病院までは絶対とはいえないけど、痛いのはきっとあるよね…」
一同「…うん」

な「最後にもう一つだけ」
な「この部屋、どうしよう?」
b「綺麗にする」
g「片付ける」



その後、みんなで大片付け開始。
片付けている最中に数名にこっそりと質問した。

な「なぁなぁ、なんで(あそびが)終わった時に片付けしなかったの?」
子「え。だってめんどくさいやん。」
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