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都内で食料品等の買い占めが行われるのは、都知事やメディアの伝え方が悪かったから

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都内で食料品等の買い占めが行われるのは、
買い占めする人達の問題というより、
都知事の伝え方および報道の伝え方に問題あり。

都知事が今週末の外出自粛要請を行った事に伴い、
都内のスーパーなどでは、食料品等の買い占めが行われている。
自分も、昨日の夜にスーパー寄って見たら、あらゆるものが品薄。

この状況に対して、Twitter等で買い占めする人達への批判が相次いでいるが、
買い占めする人達が悪いというより、都知事の伝え方および報道の伝え方に
問題があります。

何が問題なのかというと、伝えてることがアバウトすぎる事です。

『不要不急の外出を自粛するよう強く要請 』と伝えられても、
『不要不急』という言葉自体が、抽象的すぎます。
『急ぎではない外出を控える』とも伝えられてますが、
『急ぎではない』という表現も抽象的すぎます。

具体的に明確に、何が良くて何がダメなのか?
そこもセットで伝えないと、アバウトな伝え方になってしまうと、
伝えられた側は、個人の主観で受け止めてしまう。

テレビでは連日、海外で外出自粛されてる地域の映像を流してる。
人が誰もいない状況ばかり映し、まるで一歩も外を出てはいけないように見える。
それが、都知事のアバウトな外出自粛要請と
メディアのアバウトな伝え方によって、買い物も含めて、
一歩も外を出てはいけないと思い込ませてしまって、
それで、買い占めに走る人が急増したんだと思う。

不要不急とか急ぎではないって表現を使うのであれば、
補足として、どういう用事なら外出していいのかを伝えればよかった。
こういう伝え方をすればよかったんだと思う。


不要不急(急ぎではない)の外出は控えてください。
ただし、以下の場合は外出を行っても問題ありません。

①病院など通院が必要な場合。
②食料品や生活必需品などのお買い物。
 ただし遠出せずに、近所のスーパーやコンビニまで。
③徒歩圏内の公園などでのお散歩
上記に当てはまらない外出は自粛対象になります。


こういう事まで伝えておけば、買い物は行っていいのであれば、
買い溜めしておく必要はないなって思えるわけです。

この伝え方なら、できる事が明確なので、できる事の範囲で
人々は過ごし方を考えると思うんです。

そういう明確な事を伝えずに、
不要不急(急ぎではない)の外出は控えてくださいだけだと、
基準がよく分からないので、個人の感覚で動かれちゃうんです。


もし首都を封鎖する場合も、ただ単に自粛要請だけを伝えるのではなく、
物流は止めませんよ、だけど個人の行き来はダメですよというふうに、
許容範囲をちゃんと伝えておいた方がいいかなと思います。

物流は止めませんよと、あらかじめ伝えておけば
買い占めは防げる。
それを伝えなかったら、いろんなデマ情報が発生して、
買い占めが起きやすくなる。

デマが発生しやすくなる要因は、伝える情報が不足してるからです。
最初の段階で、できる事、できない事を伝えておけば、
そういうのも未然に防げるわけです。


東日本大震災の時に物流が止まったのは、工場や倉庫が被害を受けて
稼働ができなかったり、道路自体が通れなくなって、物理的に動けなかったから。
今回の騒動は、そういう事ではなく、単なる自粛要請なので、
首都が封鎖されても、物流まで止める事は考えにくいかなとは思います。



とにかく、安心できる情報を全く伝えずに、不安になる情報だけ伝えれば、
人は、不安な感情のまま行動をしてしまうのは当たり前です。
安心できる情報も含めたうえでの伝え方なら、そこまでの混乱は招かない。
混乱を招くのは、不安になる事だけしか伝えないからです。


そこまで細かく言う必要があるのか?
知事がそこまで言わなくても、個人で考えれば分かるだろ?

そう思う人がいると思いますが、そこまで言う必要があるんです。
みんなが同じ認識を持ってもらう必要があるから。


これって、仕事でも同じですから。
自分も仕事で管理職をやっていて、スタッフに何かを伝える時、
全ての人に伝わるような配慮が必要なんですよ。

例えば能力の低い人に仕事を教える場合も、
その人に分かるような教え方が必要なんです。


皆さんも、仕事とかで経験した事があると思います。
これくらいの事も分からないのか?
こんな事まで言わないといけないのか?
他人に対して、そんなふうに思ってしまう事ってあると思うんです。

でも、みんなが同じ認識を持ってもらう必要があるから、
みんなが同じスキルを持ってもらう必要があるから、
細かく丁寧に伝える必要がある。


人に伝える時、『能力が低い人』を基準に考えます。
『能力が低い人』を基準に考えて、丁寧に伝えておけば、
『能力が低い人』も『能力が高い人』にも、幅広く伝わる。
『能力が高い人』を基準にすると、『能力が高い人』にしか伝わらない。

組織の中って言うのは、いろんな人がいるので、
いろんな人に伝わるような配慮が必要なんです。

自分で考えれば分かるだろ?
それは、能力が高い人を基準にしちゃってる考えで、
そういうふうに考えてしまうと、広い範囲では伝わらずに、
一部の人にしか認識してもらえなくなっちゃうんです。

そんな事まで考えるの面倒くさいと思うかもしれないけど、
組織の中で管理職やるのって、そういう能力も必要なんですよね。

組織の中の管理職って、自分基準じゃダメなんです。
言い方悪いけど、自分よりも能力が低い人を基準に考えて、
人に分かるようにしないといけないので。
それができるかどうかが、管理職としての能力が左右されるところ。


だから僕は、政府や都知事、メディア等の伝え方って、
そういう能力がない伝え方だなって思うんです。


仕事でもそうだけど、多くの人に重要な事を伝える場合、
アバウトで抽象的で曖昧な表現ではなく、
具体的に明確な情報を伝える必要があります。

これは、情報を伝えるうえでの基本中の基本です。
伝える側が伝えてるのに、人々が違う行動をしたり、違う捉え方をするのは、
基本的に伝える側が、伝わるような努力ができてないからです。

クラスターとかオーバーシュートとか、日常的に使うことのない言葉を、
こういう時に急に使い出すのもそうです。
不特定多数に幅広く老若男女に重要な事を伝える必要があるのなら、
老若男女に伝わるような言葉を使うべきで、そういう表現を選ぶべきです。


情報を伝えるプロであるべき人達が、プロフェッショナルな伝え方ができてない。

プロフェッショナルな仕事ができてくれてないと、
有事の時、本当にやばいんだなって、改めて思った。

そういう人達を逆に反面教師にして、個人個人が冷静に、
自分でいろんな情報を入手して、自分で考えて対応するしかないかなって思う。


仕事でもそうだけど、ハプニングが起きた時に、
責任ある立場の人達が、そのハプニングにそのまま流されるのって、
本当にダメなんですよ。
そういう人達が、一番しっかりしておかないといけなくて、
そういう人達が、一番冷静じゃないといけないわけだから。
『管理職』って、『管理』をやらないといけないから『管理職』なので。
そういう有事がある時のために、存在しているようなもんだし。
そういう時に機能できてなかったら、その役職就くなよって話です。


日本だけでなく、世界各国の混乱ぶりを見ても、
責任ある立場の人たちって、頼りにならないなって思う。

個人がしっかりするしかない時代かなって思う。
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