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『血も涙もない人間として最低な男』

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人は  人の幸せを喜ぶ
人は  人の不幸を悲しむ
まるで自分のことのように

僕は  人の幸せに興味がない
人の幸せな姿を見るほどに
僕の心は落ち込んでいく

僕は人の不幸を悲しめない
人の死さえも興味を抱けない
僕は人として最低な心の持ち主

人は  僕のことを優しい人だという
ただ単に  人あたりがいいだけで
人は  僕のことを優しい人だという

今まで  自分のことばかり考えて
生きてきた人達が
急に人の幸せを喜んだり
急に人の不幸を悲しんだり
急に世間が騒いだり

今までその事に触れた事もないのに
いかにもファンだったそぶりをして
いかにも好きだったそぶりをして
急に喜んだり  悲しんだり  騒いだり

僕は  周りの人達の急な変化に
どこかついていけなかったり
どこか疑問を抱いたり
僕はいつも冷めた目で見ていた

いつも不思議に思う
人はなぜ  いなくなってから
大きく騒ぐのだろう
人はなぜ  辞めてしまってから
興味を抱くのだろう

生きてる時は  さほど興味を示さず
頑張ってる時は  見向きもせず
苦しんでる時は  助けようともせず
それなのに人は  死んでからいつも
いかにも心配していたそぶりをする

だから僕は思う事がある
きっと僕のことも死んでから
人は興味を持つのかな?
僕が死んでから  きっと
いかにも心配していたそぶりをするのかな?

僕が死んでも
僕の事を話題にしないでくれ
僕が死んでも
僕の事に触れないでくれ
僕が死んでも
悲しまなくていいよ
僕が死んでも
涙を流さなくてもいいよ
生きてる時に興味を抱いてないのに
死んだ時だけ偽りの涙を見せられても
僕は  こいつら卑怯だなとしか思わないから

僕は知ってるよ
僕が死んでも  
時が経てば忘れ去られていくことを
僕は知ってるよ
僕という存在が  
誰にとっても重要ではないことを
そんなことないよという言葉さえも
心にもない言葉だと僕は知ってる
誰にとっても
価値のある存在ではないことを
教えてもらわなくても分かってる

僕は人として最低な人間
僕は人として最低な心の持ち主
血も涙もないクズな人間

人の幸せを喜べない人間
人の不幸を悲しめない人間
人のために笑顔になれない人間
人のために涙を流せない人間
僕は良い人を演じれない人間
自分に嘘をつけない人間

そんな人間が嫌いなら
僕から離れればいいさ
そんな人間が嫌いなら
僕と縁を切ればいいさ
独りぼっちには慣れてるから
今さら独りぼっちになったところで
何も淋しくはない

一人で生きて
一人で死んでいく
それが僕の人生だから
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