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第二十四話 「魔女ドーラ」
しおりを挟む唐突に声を上げたのは、一人の凛々しい青年だった。
長い直剣を腰に携えて、防具として青いコートを身に纏っている。
見るからに戦闘に長けた人物だ。
おまけに彼の後方には数十人の仲間と思しき姿が見え、その全員が何かしらの装備をしている。
おそらく彼らが、森の魔女を捕らえに来た”冒険者”たちだろう。
こちらが先に魔女を攫おうとしている時に、運悪く鉢合わせになってしまった。
「……何しに来たの」
冒険者たちの姿を見た魔女が、ジト目になって睨みを利かせた。
対して青年冒険者は、凛々しい顔を貫いて魔女に返す。
「魔女ドーラ。森の焼き払いを進めるべく、お前にはこの森から即刻に立ち退いてもらう。と同時に、お前には地下牢への幽閉が言い渡されている。大人しく俺たちと一緒に来てもらおうか」
「……」
それを受けて、魔女は密かに眉を寄せた。
心なしか冷や汗も滲ませている気がする。
傍からそれを見ていた僕とリスカは、同時に首を傾げ、思わず顔を見合わせてしまった。
魔女ドーラ。この子がくだんの魔女というのはもう確定的だ。
冒険者の青年がそう呼んでいるのだし、対して彼女も苦い反応を示している。
しかしわからないことが一つある。森からの立ち退きを宣告されているのは理解できるが、地下牢への幽閉ってなんのことだ?
「森からの立ち退きだけじゃなく、地下牢への幽閉まで言い渡されてるって、お前いったい何したんだよ?」
僕は思わず魔女に尋ねてしまった。
すると奴は若干の膨れっ面になり、ジト目をこちらに向けて答えた。
「別に、悪いことは何もしてない。無理矢理森を追い出されそうになったから、魔法でちょっと抵抗しただけ」
「充分悪いことしてるじゃんか」
冒険者を魔法で迎撃したから、投獄刑を言い渡されているってわけか。
なるほど納得。
と、冒険者たちを差し置いて勝手に納得をしていると、当然彼らは僕たちに対して疑問を抱いた。
「ところで、お前たちはいったい誰だ? どうしてこの森に入っている?」
「ギクッ!」
すかさず黒マスクとフードを着用して顔を隠す。
そして慌てながら弁明を試みた。
「べべ、別に、怪しい者ではありませんよ」
「いや、見るからに怪しいのだが。まさか魔女ドーラの仲間か?」
「あっ、いえ、それだけは絶対にないです」
こいつの仲間と思われるのだけは絶対にごめんだ。
冒険者と敵対することになったとしても、それだけはなんとしても避けたい。
なんて呑気なことを思っていると、冒険者の一人がリスカに目を留めて、訝しい顔を浮かべた。
「んっ……? あっ、あいつ! 狂戦士リスカですよ!」
「ギクッ!」
「狂戦士リスカ? というと、ギルドで指名手配中の?」
「は、はい! 前に町の辺りで暴れ回っていた闇冒険者の一人です! 間違いありません!」
それを受けて、咄嗟にリスカはフードを目深にかぶった。
最大限体を小さくしているが、時すでに遅い。
リーダーと思われる青年冒険者は、リスカのことを耳にして、不意に微笑をたたえた。
「ふっ、まさかお尋ね者をここで二人も確保できるとはな。今日はついている。ということはそこの少年も、闇ギルドの関係者というわけか」
「ん~、まあ、そういうことになりますかねぇ」
魔女の仲間と思われるのは癪だ。
となれば闇ギルドの関係者ということを正直に話してしまった方がいい。
彼らと敵対するならそっちの方がまだマシだ。
なんて人知れずくだらない見栄を張っていると、青年冒険者が長剣を抜き、切っ先をこちらに向けて言った。
「お前たちも魔女ドーラと同様、大人しく俺たちについて来てもらうぞ。自分たちが犯した罪、その身をもって償ってもらう」
「うぅ~ん……」
……どうしたもんかなぁ?
冒険者たちに捕まるのは遠慮しておきたい。
同様に魔女を連れて行かれるのも、闇クエストを達成できなくなるので困る。
そもそも僕は、冒険者たちと顔を合わせないで依頼を終わらせるつもりだったんだけど。
少女を誘拐するところなんて人に見られたくはないし、何より見つかったらこうして面倒くさいことになる。
と、今さらああだこうだ言っても後の祭りだ。この場をどう乗り切るかを真剣に考えないと。
そうして密かに、冒険者たちと対立しながら頭を悩ませていると……
不意に別の方から少女の声が聞こえてきた。
「あぁ、もう……いちいちうるさい」
「んっ?」
「誰が悪者とか、罪を償うとか、そんなことどうでもいい。私の大切な”毒”を、みんなして寄ってたかって汚さないで」
それは、魔女ドーラと呼ばれた少女の声だった。
彼女はいつの間にか大杖を構えて、今までにないほど目を細くしている。
その姿に僕は、『毒は元々汚れているものだと思うのだが』というツッコミすら忘れて、呆然と目を奪われてしまった。
瞬間、魔女の杖が紫色に光る。
「『ポイズンミスト』!」
少女が叫びを上げると、どんな仕組みか杖の先端から紫色の煙が噴出された。
それは瞬く間に周囲に広がっていき、冒険者らと僕らを余さず包み込む。
「な、なんだこれ?」
紫の煙に包まれた最初は、僕は当然のように疑問符を浮かべてしまった。
が、すぐにその正体について悟る。
これはたぶん……
「リスカ!」
「――っ!?」
すかさず仲間の手を取って、煙の届かない場所まで走り出した。
と同時に後方で、青年冒険者の声も上がる。
「全員下がれぇーーー!」
その叫びを受けて、冒険者たちは一瞬遅れてその場から走り出した。
今のを聞いて確信が持てた。
やはりこの煙は”毒”。
あの魔女は、怒りに任せて周囲の人間たちを毒殺しようと目論んだのだ。
杖の先から出していたところを見ると、おそらく”毒魔法”だろうか?
森を追い出しに来た冒険者たちを魔法で迎撃したと言っていたが、たぶんこれを使ったのだろう。
その証拠して青年冒険者たちはこれの正体を知っていたようだが、驚いたあまり反応が遅れたみたいだな。
と毒煙の中から出ながら密かに思考を巡らし、リスカと共に煙が立ち込める景色を眺めた。
「あ……っぶなぁ! あのロリ魔女、大勢の前でなんてもん撃つんだよ。リスカは大丈夫だった?」
「は、はい。おかげさまで助かりました」
どうやらお互い毒状態にならずに済んだようだ。
ほっと胸を撫で下ろして煙の行方を見守っていると、やがてそれは徐々に薄れていった。
魔女の毒魔法もそれほど長い時間発生しているわけではないらしい。
完全に煙が消えたのを確認した後、僕とリスカは先ほどの場所まで戻ることにした。
すると……
「うっ……」
「ぐ……あっ……」
「はぁ……はぁ……」
逃げ遅れた冒険者たちだろうか。
数人の人間がぬかるんだ地面に倒れ込み、苦しそうに顔をしかめていた。
なかなかに強力な毒のようだ。
吸い込まなくてよかったぁと思いながら、何となしに視線を彷徨わせてみると……
冒険者たちが倒れる景色の中に、なぜか同じように倒れる”魔女”の姿を発見した。
「ア、アハハ……さいこぉ……」
「……」
……何してんのこいつ?
なんで倒した冒険者たちと一緒に、汚い地面に仰向けになって寝っ転がってんの?
そしてなんで恍惚とした表情を浮かべているの?
なんか怖い。なんなんだこのロリっ子魔女は?
顔をしかめながら倒れる魔女を見下ろしていると、同じくそれを見たリスカが不思議そうに言った。
「なんだか気持ちよさそうですね」
「うん、そうだね。なんでなのかあんまり考えたくはないけど」
この魔女はたぶん変な奴なのだ。
端的に言うとおそらく”変態”なのだ。
毒魔法を放った時、他の人と違って逃げる素振りを見せていなかったのは覚えている。
てっきり僕は、自身の毒魔法に何かしらの耐性があるのだと勝手に思い込んでしまった。
いや、事実こいつには毒の耐性が少なからずあるのだろう。他の連中と違って心底苦しんでいる様子は見受けられないし。
ただ、毒に耐性があると言っても、ちょっとした毒状態にはなってしまうのだ。
つまりこいつは今、他の冒険者たちと同じように毒状態に陥っている。
それでなお恍惚とした表情で気持ちよさそうにしている。
確かクロムさんに聞いた通りならば、彼女は毒を愛する稀有な少女だったはず。
毒を愛するとはまさに字のごとく。毒を愛し、毒状態になることを望んでいるということ。
となればおそらく、目の前に倒れている魔女ドーラは……
毒状態に並々ならぬ快感を覚える変態少女なのだ。
「……でもまあちょうどいいから、このまま闇ギルドまで連れて行くとしますか」
こいつが変な奴なのはもう充分わかった。
それはいいとして、それでも僕らはこの魔女を闇ギルドまで連れて帰らなければならない。
本当にどうしてこんな奴を闇ギルド側が欲しているのか、ますます理解に苦しんではいるのだが。
そう割り切った僕は、自らの毒で動けなくなっている魔女をお姫様だっこで抱え上げた。
これで後は帰るだけ。と思いきや、不意に後方から制止の声を掛けられた。
「ま、待てお前たち!」
「……?」
振り向くとそこには、先刻の青年冒険者がいた。
剣を構えながら、刃先をこちらに向けて敵意を露わにしている。
魔女の毒魔法からは辛うじて逃れることはできたようだが、戻ってくるのが少し遅かったな。
先に僕に魔女を取られて、彼は怒りに打ち震えている。
「魔女ドーラをどうするつもりだ!」
怒声でそう問われた僕は、なんて答えたものかしばし迷った。
この変人をどうするつもりなのか、こっちの方が聞きたいくらいなのだから。
まあそれはいいとして、とりあえず当たり障りのない答えを返しておいた。
「別にどうもしませんよ。ただ連れて行かなきゃいけない場所があるので、このままお持ち帰りさせていただきます。これでそちらも滞りなく森の焼き払いができますよ。よかったですね」
「いや全然よくない! このまま罪人を逃したとなれば一級冒険者の恥だ! ここで捕らえさせてもらう!」
やはり易々と帰してはくれないみたいだ。
ただでさえお尋ね者が二人もいて、僕自身も闇ギルドの関係者だと自白してしまったのだから。
こんなところで捕まるのは嫌だなぁ、なんて思っていると、魔女を抱える僕を庇うようにして、突然リスカが前に出た。
「アサトさんはこのまま、その子を連れて森から出てください」
「えっ? じゃあリスカは……?」
「私はここで冒険者たちの足止めをします。さすがに一人の女の子を抱えたまま、三人一緒に逃げ切るのは難しいと思いますので」
「……」
確かに、と思ってしまう。
このまま魔女を抱えて三人で冒険者から逃げるのは、あまり現実的とは言えない。
一応『隠密』スキルがあるけど、それを共有できるのは手をつないでいる人間だけだ。
身動きが取れない変態魔女が一人いるので、三人で姿を消すこともできない。
となると残された手は、リスカが提案したように一人による足止めだけだ。
「後で必ず追いつきます。ですので早く!」
「う、うん、わかった。それじゃあ先に行かせてもらうけど、リスカも気を付けてね。あっ、あと、自傷はほどほどにね。張り切りすぎて理性を飛ばしちゃダメだから」
「了解です!」
そうとだけ短く言葉を交わす。
正直先に行くのはかなり抵抗があるのだが、考えている時間もない。
何より僕は狂戦士リスカの力を信じているので、狂人化を抑えるようにと伝えただけで先に行くことにした。
彼女ならきっと大丈夫だ。というか、勢い余って皆殺しにしないか心配なくらいである。
という懸念も虚しく、リスカが暴れ始めた音を背中に受けながら、僕はその場から魔女を連れ去ったのだった。
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