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3、依頼人は同級生

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カランコロンと、店のドアが開いた。
「あの、探偵事務所の・・・。」
「はい、クローバームーンで・・・。」
私は言葉を失った。依頼人は、高校の親友、坂巻真子だった。
「真子・・・。どうしてここに来たの?」
「陽菜がこのお店を経営していることを、倉林さんっていう人から伺ったの。お願い、母を助けて!」
倉林・・・絶対にエマに違いないだろうと、私は確信を持った。
「お母さんが、どうかしたんですか?」
訪ねたのはゆかりさんだ。
「母が、一昨日から目を覚まさなくなってしまいました。私は大人ながらに、どうすることもできなくなりました。家は母一人子一人の家庭だったので、助けも呼べず、途方に暮れていたんです。」
真子はゆっくりと話した。
「霊能者、占い師には一応話しました。お金はどうにかしますから、どうか、お願いします!」
「そうなの・・・。じゃあ、お母さんの普段の生活について、できる限りのことを話して。」
そう私が言うと、真子も大きくうなずいた。
「母はいつも元気で、仕事は大人気のホラー小説家です。なので、お金にはそこまで困りませんでした。私も高校生からバイトをしていた事もあり、いろんな人に相談することができましたが、たいしたヒントは見つかりませんでした。私のとって母は、家事をてきぱきこなして、お料理も上手で、頼もしい存在でした。」
そこで、会話は途切れた。
「では今から、お母さんのもとへ向かいましょうよ。」
小声でささやいたのはゆかりさんだ。
「はい・・・。じゃあ、今から伺っても大丈夫?」
「私は全然。よろしくお願いします。」
 
 そして、ゆかりさんと2人で真子の家に向かった。二人暮らしの割には、大きな家だった。
「おじゃまします。お母さんの部屋へ案内してもらっていい?」
私がそう言うと、真子もうなずいた。
「失礼しまーす・・・。」
お母様の光景を見て、ゆかりさんも言葉を失った。
「だ、大丈夫なんですか?病院に連れて行きました?」
ゆかりさんが慌てた様子で真子に尋ねる。
「近くの病院には、近所の方と一緒に連れて行きました。医者からは、あと何日もつかわからないから、家で見てほしいと言われました。」
そこで、私は目についたものがあった。上品な部屋に全く合わない、金属バットを見つけた。そこにはうっすら、赤い跡がある気がする・・・。
「お母さんが倒れた時、私は友達と遊んでいたので、家にはいませんでしたよ。もともと病弱だったし、しょうがないとは思っていますが・・・。」
もともと病弱・・・?
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