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第一章
第四話 追憶令嬢の作戦会議
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ごきげんよう。
座右の銘は平穏、穏やか、気楽な生活を!!を目指すちょっと変わった公爵令嬢ですわ。
昨日はマール公爵家で有意義な一日を過ごせて幸せでしたわ。人生で初めてピクニックに連れて行ってもらいました。伯父様のお膝の上で旅の話を聞き、リオと一緒に綺麗な泉に足をつけて遊び、伯母様に髪を綺麗に結い直してもらい楽しかったです。幸先良好ですわ。
私を送ってくれた伯母様は朝早くに出発されました。ルーン公爵邸にお泊りされたのですね。珍しいですわ。
伯母様は大丈夫とおっしゃいましたが、お説教を覚悟しておりました。
突然の訪問、お泊り、自己管理不足。恐ろしいですわ。
気が重いのを隠して朝食の席に着くと今朝はお父様とお母様はげっそりされている気がします。久々にお会いするからでしょうか。朝の礼をすませると静かに視線を向けられ頷くだけ。
お説教はなく無言の食事をすませ、礼をして退室しても呼び止められません。
お父様達がお仕事でお忙しく私にあてる時間がなかったことに感謝ですわね。
宰相夫妻は大変ですわね。
二日もお勉強をお休みしたので、今日は部屋から出られませんね。
恐怖のスパルタコースですね。きっと・・。覚悟を決めて待っていますがいつもは先生がいらっしゃいません。先生が遅れることは今まで一度もありませんでしたわ。
「シエル、今日の予定は」
「午後にダンスのレッスンです」
「あとは?」
「以上です」
あら?おかしいですわ。
いつもの日課の4分の1ですわ。
「予定が少なすぎます。もう一度確認してくれる?」
シエルの顔が青くなりましたが、大丈夫ですの?
「マール公爵夫人が奥様とお話しされて、お嬢様の予定が組み直されました。お伝え忘れて申しわけありません。今まで自由時間がほぼありませんでしたが、これからはお嬢様のお好きに過ごせますよ」
伯母様、女神様ですか!?癒しのウンディーネ様の化身でしょうか?
地獄のお勉強地獄から解放ですわ!!マール公爵家すばらしいです!!シエルが私を見て楽しそうに笑っておりますが嬉しいから目を瞑ってあげますわ。
「これからどうされますか?」
「日記を書きます。用があれば呼びますわ」
「わかりました。出かけるときは、お呼びください」
勝手に出て行かないように釘をさされました。シエルは私の味方ですが両親への報告を命じられています。邸でも相応しくない行動をすればお母様からお説教が待ってます。
シエルが出て行ったのを確認し日記を出します。
目標
第一は監禁回避!!
第二は王家に関わらない!!王太子との婚約回避!!
第三脱貴族!!
第一目標 監禁回避はまだ先なので保留です。シエルを守るためには強くならないといけません。うーん。走って体力作りはお母様に、はしたないと怒られそうですわ。リオに相談ですわ。
第二目標 王家に関わらない。まずは婚約回避からですわ。私以外にも噂では候補は七人いましたわ。私を含めて最有力候補は3人。誰も思い出せませんわ。確か、私が一番年下だった気がしますわ。殿下と初めてお会いする時に婚約は決まっていました。頻繁に呼ばれた王家のお茶会でアリア様に気に入られてしまったのが決定打でしょうか?周りにいたご令嬢よりもたくさん話しかけられた記憶があります。アリア様には近づかないようにしましょう。婚約者候補の確認はどうしましょう。成人しないと貴族名鑑にはのっておりませんし、お茶会で思い出すしかないでしょうか。婚約が決まるまで、あと五年?仮の婚約を8歳で、正式な婚約の儀式は10歳だった気がします。記憶が曖昧ですがたぶん・・。あの頃は必死にお勉強と社交で歳の感覚がありません。私のことはいいのです。
殿下が婚約候補者を好きになればいいのですが・・。私は恋はよくわからないから、誰かに相談ですね。
私が候補から外されれば一番ですが、成績や評判が悪いのはルーン公爵家として許されません。脱貴族まで最低限は守らないといけません。目立たないようにほどほどに調整ですわね。魔力はあるんでしょうか。
「水の精霊、ウィンディーネ」
魔力の発動を確認し取り消します。魔力なしは無理でしたわ。魔力隠ぺいは心の日記に刻みましょう。
日記に婚約者候補を思い出す。正妃様に近づかない。殿下の恋。成績、評判ほどほどにと書きたします。
第三目標 脱貴族。
リオの言う通りまずは自衛です。私が得意な魔法は治癒魔法。あとは学園で習う魔法。結界も作れますが自衛としては頼りになりません。
フラン王国に存在する精霊魔法の属性は地、火、水、風の四属性です。
攻撃に優れるのは火と風、防御に優れるのは地と水と言われています。
ルーン公爵家は水属性を守り治癒魔法に特化いた一族なので、生前はお父様より治癒魔法を教わっています。学園で習う簡単なものではないものを。
ただ治癒魔法だと役に立ちませんわ。
どうしましょうか。お母様は私の教育内容には、いれてくださらない。武術が得意な令嬢なんて聞いたことがありませんわ。
リオと一緒に訓練を受ける?保留です。
次に生活能力ですね。これはシエルに相談しましょう。
そしてお金を稼ぐ方法ですね。大道芸はこっそり練習するとして、これでは足りませんよね。
物を売る、売り物。
地魔法の使い手に生まれたかったですわ。木や大地を操る地属性の魔導士は家を作ったりできますもの。淑女の嗜みである刺繍の腕を磨きながら、他に何かできないか考えましょう。
日記に自衛能力。生活能力。お金を稼ぐ。刺繍を磨くと書き足します。
こんなものですかね。大事なことを書き忘れましたわ。
伯母様と仲良くするうぃ付け加えました。
ノックの音がしたので日記を片付けます。
「どうぞ」
シエルがお茶を持ってきました。
「日記は書き終わりましたか?」
「うん。書き終わった」
「見せてはくれませんのね。昔は書くたびに見て!見て!っとお可愛らしかったのに。ちょっと寂しいです」
「シエル?」
「成長とは早いものですね」
日記はつけてましたが、そんな記憶ないんですけど。寂しそうなシエルにごまかすように笑いかけお茶に手を伸ばし口をつけます。喉を潤し、口を開く。
「ねぇシエル、一人で生活するにはどうすればいいの?」
「どういうことですか?」
シエルの顔が笑顔から真顔になりました。これは私が何か企んでいると思ってる時の顔ですわ。昔、一人で部屋を抜け出して庭の泉で泳いだ時のことをまだ根に持っているんでしょうか。
「参考までにです。もし将来没落したときに困らないようにですわ」
「没落などしません。奥様に聞かれたら怒られますよ」
「戦争で負けたり、人生何があるかわからないです。その時に困らないためです。知識は宝ですよ」
「お嬢様?食べる物と眠る場所と健康な体と気力があれば、どこでも生きていけますよ」
「私はいざって時に一人で生きていけるようになりたいの。もし辺境伯に嫁いだら、屋敷のことは自分でやらないといけないでしょ?裕福なお家に嫁ぐとは限りませんわ」
「ありえないと思いますが、その時はお教えしますよ」
「シエルがお嫁に行ってたら、困ります。もしかしたら雇うお金もないかもしれないわ」
「お嬢様は想像力が豊かですね。私は必要ありませんか?」
「ずっとシエルには傍にいてほしいです。でも絶対に幸せになってほしいもの」
「お嬢様の傍にいるのがシエルの幸せです。お嬢様がいらないっておっしゃるまで傍にいますわ」
「シエルは欲がありません。シエルをいらないって思うことなんて一生ないわ」
「両思いですね。私は幸せ者です。私はこれでも欲深いので心配いりません」
「もし結婚したい人が現れたら教えてね。辺境伯に嫁いでも困らないように教えて。若いほうが覚えが良いってよく言うでしょ?」
「お嬢様が若いという言葉を使うのは早すぎですよ。王宮への行儀見習いはいかがですか?」
「王宮は絶対に嫌。王家にはできるだけ関わりたくないの」
シエルが頬に手をあて、一瞬困った子供をみるような目をしました。
「あらあら。奥様には内緒ですよ。行儀見習いが一番現実的ですが、ルーン公爵家の令嬢だと、候補先がほとんどありませんわね。料理、洗濯、掃除、整理、裁縫、園芸、・・・・。
どれもお嬢様にはさせられません。私的に孤児院にお手伝い?ルーン公爵令嬢にはさせられません。無理です。」
今度、お仕事の見学に行きましょう。孤児院のお手伝いか行儀見習い、お忍びで、か。
「シエル、ありがとう。あのね、お茶の淹れ方と身支度の整え方を教えてほしい」
「それなら奥様に内緒で、できますね」
悪戯っぽい笑みで答えてくれました。シエルも共犯者ですわね。あまりシエルを巻き込むと、シエルが怒られますから気を付けないといけません。今世はシエルが表情豊かですわ。
「シエル、調べてほしいことがありますが、頼めますか?」
「おまかせください」
紙に書いて渡します。
「急ぎではありません」
「かしこまりました」
さて、そこそこを目指してダンスのレッスンの準備をしましょう。
目指せ、ほどほど令嬢ですわ。
座右の銘は平穏、穏やか、気楽な生活を!!を目指すちょっと変わった公爵令嬢ですわ。
昨日はマール公爵家で有意義な一日を過ごせて幸せでしたわ。人生で初めてピクニックに連れて行ってもらいました。伯父様のお膝の上で旅の話を聞き、リオと一緒に綺麗な泉に足をつけて遊び、伯母様に髪を綺麗に結い直してもらい楽しかったです。幸先良好ですわ。
私を送ってくれた伯母様は朝早くに出発されました。ルーン公爵邸にお泊りされたのですね。珍しいですわ。
伯母様は大丈夫とおっしゃいましたが、お説教を覚悟しておりました。
突然の訪問、お泊り、自己管理不足。恐ろしいですわ。
気が重いのを隠して朝食の席に着くと今朝はお父様とお母様はげっそりされている気がします。久々にお会いするからでしょうか。朝の礼をすませると静かに視線を向けられ頷くだけ。
お説教はなく無言の食事をすませ、礼をして退室しても呼び止められません。
お父様達がお仕事でお忙しく私にあてる時間がなかったことに感謝ですわね。
宰相夫妻は大変ですわね。
二日もお勉強をお休みしたので、今日は部屋から出られませんね。
恐怖のスパルタコースですね。きっと・・。覚悟を決めて待っていますがいつもは先生がいらっしゃいません。先生が遅れることは今まで一度もありませんでしたわ。
「シエル、今日の予定は」
「午後にダンスのレッスンです」
「あとは?」
「以上です」
あら?おかしいですわ。
いつもの日課の4分の1ですわ。
「予定が少なすぎます。もう一度確認してくれる?」
シエルの顔が青くなりましたが、大丈夫ですの?
「マール公爵夫人が奥様とお話しされて、お嬢様の予定が組み直されました。お伝え忘れて申しわけありません。今まで自由時間がほぼありませんでしたが、これからはお嬢様のお好きに過ごせますよ」
伯母様、女神様ですか!?癒しのウンディーネ様の化身でしょうか?
地獄のお勉強地獄から解放ですわ!!マール公爵家すばらしいです!!シエルが私を見て楽しそうに笑っておりますが嬉しいから目を瞑ってあげますわ。
「これからどうされますか?」
「日記を書きます。用があれば呼びますわ」
「わかりました。出かけるときは、お呼びください」
勝手に出て行かないように釘をさされました。シエルは私の味方ですが両親への報告を命じられています。邸でも相応しくない行動をすればお母様からお説教が待ってます。
シエルが出て行ったのを確認し日記を出します。
目標
第一は監禁回避!!
第二は王家に関わらない!!王太子との婚約回避!!
第三脱貴族!!
第一目標 監禁回避はまだ先なので保留です。シエルを守るためには強くならないといけません。うーん。走って体力作りはお母様に、はしたないと怒られそうですわ。リオに相談ですわ。
第二目標 王家に関わらない。まずは婚約回避からですわ。私以外にも噂では候補は七人いましたわ。私を含めて最有力候補は3人。誰も思い出せませんわ。確か、私が一番年下だった気がしますわ。殿下と初めてお会いする時に婚約は決まっていました。頻繁に呼ばれた王家のお茶会でアリア様に気に入られてしまったのが決定打でしょうか?周りにいたご令嬢よりもたくさん話しかけられた記憶があります。アリア様には近づかないようにしましょう。婚約者候補の確認はどうしましょう。成人しないと貴族名鑑にはのっておりませんし、お茶会で思い出すしかないでしょうか。婚約が決まるまで、あと五年?仮の婚約を8歳で、正式な婚約の儀式は10歳だった気がします。記憶が曖昧ですがたぶん・・。あの頃は必死にお勉強と社交で歳の感覚がありません。私のことはいいのです。
殿下が婚約候補者を好きになればいいのですが・・。私は恋はよくわからないから、誰かに相談ですね。
私が候補から外されれば一番ですが、成績や評判が悪いのはルーン公爵家として許されません。脱貴族まで最低限は守らないといけません。目立たないようにほどほどに調整ですわね。魔力はあるんでしょうか。
「水の精霊、ウィンディーネ」
魔力の発動を確認し取り消します。魔力なしは無理でしたわ。魔力隠ぺいは心の日記に刻みましょう。
日記に婚約者候補を思い出す。正妃様に近づかない。殿下の恋。成績、評判ほどほどにと書きたします。
第三目標 脱貴族。
リオの言う通りまずは自衛です。私が得意な魔法は治癒魔法。あとは学園で習う魔法。結界も作れますが自衛としては頼りになりません。
フラン王国に存在する精霊魔法の属性は地、火、水、風の四属性です。
攻撃に優れるのは火と風、防御に優れるのは地と水と言われています。
ルーン公爵家は水属性を守り治癒魔法に特化いた一族なので、生前はお父様より治癒魔法を教わっています。学園で習う簡単なものではないものを。
ただ治癒魔法だと役に立ちませんわ。
どうしましょうか。お母様は私の教育内容には、いれてくださらない。武術が得意な令嬢なんて聞いたことがありませんわ。
リオと一緒に訓練を受ける?保留です。
次に生活能力ですね。これはシエルに相談しましょう。
そしてお金を稼ぐ方法ですね。大道芸はこっそり練習するとして、これでは足りませんよね。
物を売る、売り物。
地魔法の使い手に生まれたかったですわ。木や大地を操る地属性の魔導士は家を作ったりできますもの。淑女の嗜みである刺繍の腕を磨きながら、他に何かできないか考えましょう。
日記に自衛能力。生活能力。お金を稼ぐ。刺繍を磨くと書き足します。
こんなものですかね。大事なことを書き忘れましたわ。
伯母様と仲良くするうぃ付け加えました。
ノックの音がしたので日記を片付けます。
「どうぞ」
シエルがお茶を持ってきました。
「日記は書き終わりましたか?」
「うん。書き終わった」
「見せてはくれませんのね。昔は書くたびに見て!見て!っとお可愛らしかったのに。ちょっと寂しいです」
「シエル?」
「成長とは早いものですね」
日記はつけてましたが、そんな記憶ないんですけど。寂しそうなシエルにごまかすように笑いかけお茶に手を伸ばし口をつけます。喉を潤し、口を開く。
「ねぇシエル、一人で生活するにはどうすればいいの?」
「どういうことですか?」
シエルの顔が笑顔から真顔になりました。これは私が何か企んでいると思ってる時の顔ですわ。昔、一人で部屋を抜け出して庭の泉で泳いだ時のことをまだ根に持っているんでしょうか。
「参考までにです。もし将来没落したときに困らないようにですわ」
「没落などしません。奥様に聞かれたら怒られますよ」
「戦争で負けたり、人生何があるかわからないです。その時に困らないためです。知識は宝ですよ」
「お嬢様?食べる物と眠る場所と健康な体と気力があれば、どこでも生きていけますよ」
「私はいざって時に一人で生きていけるようになりたいの。もし辺境伯に嫁いだら、屋敷のことは自分でやらないといけないでしょ?裕福なお家に嫁ぐとは限りませんわ」
「ありえないと思いますが、その時はお教えしますよ」
「シエルがお嫁に行ってたら、困ります。もしかしたら雇うお金もないかもしれないわ」
「お嬢様は想像力が豊かですね。私は必要ありませんか?」
「ずっとシエルには傍にいてほしいです。でも絶対に幸せになってほしいもの」
「お嬢様の傍にいるのがシエルの幸せです。お嬢様がいらないっておっしゃるまで傍にいますわ」
「シエルは欲がありません。シエルをいらないって思うことなんて一生ないわ」
「両思いですね。私は幸せ者です。私はこれでも欲深いので心配いりません」
「もし結婚したい人が現れたら教えてね。辺境伯に嫁いでも困らないように教えて。若いほうが覚えが良いってよく言うでしょ?」
「お嬢様が若いという言葉を使うのは早すぎですよ。王宮への行儀見習いはいかがですか?」
「王宮は絶対に嫌。王家にはできるだけ関わりたくないの」
シエルが頬に手をあて、一瞬困った子供をみるような目をしました。
「あらあら。奥様には内緒ですよ。行儀見習いが一番現実的ですが、ルーン公爵家の令嬢だと、候補先がほとんどありませんわね。料理、洗濯、掃除、整理、裁縫、園芸、・・・・。
どれもお嬢様にはさせられません。私的に孤児院にお手伝い?ルーン公爵令嬢にはさせられません。無理です。」
今度、お仕事の見学に行きましょう。孤児院のお手伝いか行儀見習い、お忍びで、か。
「シエル、ありがとう。あのね、お茶の淹れ方と身支度の整え方を教えてほしい」
「それなら奥様に内緒で、できますね」
悪戯っぽい笑みで答えてくれました。シエルも共犯者ですわね。あまりシエルを巻き込むと、シエルが怒られますから気を付けないといけません。今世はシエルが表情豊かですわ。
「シエル、調べてほしいことがありますが、頼めますか?」
「おまかせください」
紙に書いて渡します。
「急ぎではありません」
「かしこまりました」
さて、そこそこを目指してダンスのレッスンの準備をしましょう。
目指せ、ほどほど令嬢ですわ。
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