婚約破棄の裏事情

夕鈴

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番外編 もしもの話

第一王子のやり直し6

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カローナ達はマグナ公爵夫妻と相談しながら臣下に下り、早急に婚姻する手回しを始めた。しばらくして国王に全ての許可をもらい本格的に第一王子とカローナの荒れた伯爵領への赴任と、婚姻準備が本格的に始まった。
夢の中の世界に対抗意識を燃やすカローナは婚姻衣装は王家御用達ではなく、マグナ公爵家御用達の職人を呼び寄せるつもりだったが、嬉々として立ち上がった二人がいた。

「お姉様、お姉様!!イナナにお任せください。お姉様にお似合いのものを!!」
「殿下の分は私が!!神にも見劣りしないものを、見立てて見せます。将来の義弟としてお手伝いさせてください!!」

カローナはイナナと将来の義弟が目を輝かせながら期待に満ちた顔貌で熱く見つめられ、圧に負けて頷いた。民達に祝福してもらえる盛大なものにさえしてもらえるなら任せるというカローナの声にイナナ達は力をこめて頷く。第一王子とカローナの婚礼準備はイナナ達の手により、準備が整えられているので、カローナは第一王子とともに味方をしてくれた貴族達に不満を持たれないように挨拶回りや伯爵領に引っ越す準備に専念した。やることはたくさんあるので、イナナ達が積極的に協力してくれるのは有り難く、ずっと第一王子の傍で動き回れる現状に感謝していた。



第一王子と一緒にいるため多忙なカローナはイナナに頼まれ一日だけ予定を空けた。

「イナナ?1着でいいんだけど」

目の前に並べられた大量のドレスに戸惑う姉にイナナが楽しそうに笑う。

「この中で一番お似合いな物を選びます。不要なものは商会におろして売り出しますのでご心配なく」

カローナはイナナとマグナ公爵夫人に着せ替え人形にされ、なぜか絵師が控えているのも見ないフリをする。楽しそうなイナナと母を見たら文句を言う気さえおきず笑みを浮かべて指示に従う。大事な家族よりも共にいたい存在ができたカローナは、残り少ない家族との幸せな時間にふんわりとやわらかく微笑みながらもドレスに着替える。イナナにとってカローナの一番好きな笑顔を見たイナナもつられて笑う。守りたかった小さかった妹が大きくなり幸せそうに笑う姿を見て、不器用で臆病な可愛い人を思い浮かべ、せっかくなので見惚れてもらえるようなドレスをとカローナもドレス論争に加わり始める。マグナ公爵夫人はたくましく成長した娘達に昔を思い出しこぼれる涙をそっと拭いながら盛り上がるドレス論争に加わっていく。


カローナと違い第一王子の衣装合わせはすぐに終わり、将来の義弟に渡された画集を受け取り、中身に目を奪われ赤面する。

「イナナに内緒ですよ。本番に着る物は描かれていません」
「ロナは何を着ても美しい」

トネリはカローナのドレス姿の画集を見て、義弟に賞賛の言葉をずっと溢す主が当日はカローナに見惚れて赤面して何も言えないのが想像がついていた。言葉に出なくても、顔に出るからいいかと笑みを浮かべる。本物の弟とはマトモな関係は築けなかったが、将来の義弟と親しそうに話す姿を温かく見守りながら、民の前では頼もしいが、カローナが絡むと頼りなくなる主の傍に仕えるのは楽しいと思い出に浸る。トネリはどんなに誘われても第二王子の手は取らなかった。平凡なトネリは狡猾な第二王子に仕えれば胃を痛める毎日しか想像できず、取り込まれたかつての友人に同情していた。


婚儀の日を迎え白いドレスに第一王子の瞳とそっくりな金糸で刺繍をいれたカローナが姿を見せると第一王子は赤面して固まる。

「フィン、似合うでしょ?」

ニコッと笑うカローナに第一王子は真っ赤な顔で頷く。

「フィンは何を着ても素敵ね。幸せだわ。フィンが私の物になるなんて。嫌がって言っても離してあげないから覚悟して、駄目だわ。聞こえてないけど民の前に出れば戻ってくるね。」

幸せそうに語るカローナは自分に見惚れて動かない第一王子に満足した笑みを浮かべ慣れた手つきで腕を抱き、足を進める。トネリは予想通りの展開に笑い、イナナは心の中でヘタレと罵る。

式典の前にカローナと第一王子は王族として最後の面会に立ち向かう。第一王子はようやく思考する余裕ができたが、頬の赤みは消えていない。輝かしい金髪を持つ美しい第一王子と腕を抱く漆黒の髪を持つ愛らしいカローナが幸せそうに笑う姿にすれ違う者は自分の役割を忘れ足を止め、思わず見惚れる。多くの家臣を職務放棄させ、魅了した二人は謁見に足を踏み入れると国王と二人の王子が待っていた。国王にとって王族で一番癒しのオーラを持つ挨拶を終えた二人を傍に置きたい国王は名残惜しそうに呟く。

「本当におりるのか・・」
「父上、お体にお気をつけてください。私は国のために励みます」
「陛下、長年かけて教えていただきましたことを生かし、国のために仕えます。いつまでもお元気でありますように」

国王の内心に気付かない第一王子は堂々と、気づいたカローナは敢えて無視して淑やかに笑みを浮かべて答えた。
国王は一度だけ怖い姿を見ても、やはり一番の癒しを手放したくなくても、全てに手を回され王命では留められなかった。隠居している両親にも二人を祝福するようにきつく命じられ、国王なのに何一つ思い通りにならない現実に打ちのめされながら祝福する。

「兄上、カローナ、おめでとうございます」
「ありがとうございます。」
「カローナ、一切の悔いはないのか?」
「第二王子殿下、私は初恋を叶い満足しております。私達なりに国のために励みます」
「そなたのが向いておる。」


瞳の笑っていない笑みを浮かべる狡猾な第二王子にカローナは極上の笑みを返す。第一王子は弟の挑発する視線を勘違いして、後悔の欠片もない純粋な笑みを向けて堂々と告げた。
第二王子は屈託ない笑みを向けられ、追い落とし勝ったはずなのに全く勝った気がしなかった。いつの間にか一つも思い通りに動かない第一王子達に憎らしい気持ちを隠して穏やかな笑みを浮かべる。

「兄上、カローナ、おめでとうございます。どうかお幸せに」
「帰国したか。」
「ありがとうございます。」

一瞬切ない顔をした第三王子に気付かず、二人は笑みを浮かべて答えた。
第三王子は複雑な気持ちを隠して祝福する。人形のような笑みしか浮かべなかった初恋の少女が幸せそうに笑っている。いつか救い出したかった少女は兄によって救われた。どうかこの笑顔がもう二度と奪われないように願い、もしも奪われるなら許さないという狂気を隠して笑みを浮かべる。
第一王子とカローナは王族からの祝福が仮初めのものでも気にしない。民や貴族達に祝福され、1週間程盛大に伯爵夫妻のお披露目の役目を果たしてたくさんの思い出のある育った王都を後にする。
二人は王都とは正反対の寂れた伯爵領に足を踏み入れる。カローナは第一王子に馬から降ろしてもらい、一人で楽しそうに軽やかにステップを踏んで跳び回る。

「フィンの新しい人生の始まり。この寂れた領地はきっと花が芽吹き優しい場所に変わるわ。」
「ロナ、危ない」
「フィンが守ってくれるもの。フィンさえいればお外で寝るのも悪くないわ」

初めて足を運ぶ若い伯爵夫妻に諦めや敵意、失望、蔑み様々な負の感情が向けられているのに、ニコリと手を振るカローナに馬をトネリに預けた第一王子は手を繋いで寂れた伯爵邸に足を運ぶ。王宮やマグナ公爵家に、比べられないほど古く簡素な建物でも掃除はきちんとされていた。第一王子は昔は何度もこの邸でカローナの姿を探した。

「カローナ」
「フィン?」

第一王子の声に視線を向けるカローナに嬉しくてたまらず、抱きしめる。カローナは震える夫の背に優しく手を回す。誰よりも優しい太陽にとって悲しい場所を選んだのは間違いだったかもしれない。それでも、忘れるのではなく乗り越えて欲しい。第一王子は弟王子達と違い不器用で逃げ方を知らない。嫌なことも人に投げ出さない。真摯に向き合う姿を知っていたから、第一王子の悲しい夢から気を逸らすのではなく、どんなに時がかかっても傍で見守ろうと。夢のカローナには負けたくない。カローナにとって夢の世界の話でも第一王子の胸に傷として残るなら現実である。カローナは第一王子が傍にいて幸せになれるなら夢でも現実でもどちらでもいい。辛いなら泣き叫んで、縋ってほしいと思っても、王族として育てられプライドの高い第一王子はできない。頑固で意地っ張りで不器用で誰よりも優しく温かい愛しい人の震えが止まるまで、カローナの第一王子にもらった温かい熱が伝わるように抱き締めた。




***

夜着に着替えたカローナは第一王子の部屋の扉を勢いよく開ける。
夫婦の部屋ではなく別々の部屋を用意するように手配した第一王子を睨みつける。

「ロナ?」
「フィン、夫婦なのに部屋が別なのはおかしい」
「成人してから」
「嫌。フィンがいるから兎を置いてきたの」
「取り寄せる。いや、すぐに取りに」

不機嫌に睨みつけるカローナに第一王子はどうすれば宥められるか悩む。

「せめてあと一年は・・」
「フィン、私にも譲れないものがあるの。さて、ご覧ください」

カローナはにっこり笑って小瓶を見せる。

「これを飲んだら甘美な夢を見れ、コウノトリが幸せを運ぶわ。無理矢理飲まされるのとどちらがいい?嫌なら私が飲んでもいいけど」
「ロナ、落ち着いて」
「落ち着いてるわ。大丈夫。しっかり学んだわ。殿方が抱かれる国もあるそうよ。フィンは私に身を委ねて」
「ロナ、私は」
「私は貴方に与えられるものがどんなものでも愛せるわ。嫌なものは言葉にする。フィンは私の嫌がることはできない。むしろ妻になったのに手を出されないほうが傷つくわ。身体改造の怪しい薬に手を出したらフィンの所為って覚えておいて。一応手に入れてあるんだけど、怪しいからまだ飲んでないのよね・・。もちろんこの媚薬はきちんと効能を調べたものだから安全性は保証済み」


ニッコリ笑うカローナが瓶を開けるので第一王子は取り上げる。カローナがポケットに手を入れて新たな瓶を取り出し口に含むのを第一王子が慌てて取り上げる。

「ロナ・・」
「フィン」

カローナは混乱し焦っている第一王子の足を蹴り、ふらついた体に体重をかけて押し倒す。極秘で第一王子のお爺様に押し倒し方を教わり練習していた。第一王子が床に頭をぶつけても、頑丈なのは知っているのて許容範囲でありお仕置きである。

「ロナ、怪我は」

押し倒されてもカローナを心配する第一王子に笑みを深め、手から瓶を取り上げ、蓋を開けて一気に飲み干し、そっと唇を重ねる。真っ青な顔が赤くなり、カローナは頬を緩ませ第一王子の服に手を伸ばすと大きい手を重ねられ止められる。不満そうに見るカローナに第一王子は赤面しながら、消えそうな声で呟く。

「わかった、せ、せめて、」
「逃げたら許さない」

潤んだ瞳で見つめられた第一王子はカローナを引き寄せて抱きしめる。体を起こし自分にしがみついているカローナを抱き上げベッドに連れて行く。笑みを浮かべるカローナに口づけられ、必死に理性と戦いながら自分の熱を求める愛しい少女が壊れないように優しく触れる。触れるたびに幸せそうに笑うカローナに思考を奪われ、理性が欠落しないように戦いながら。
無事に初夜をおえて、寝息が聞こえカローナはゆっくりと目を開ける。第一王子との行為に胸の高鳴りと熱い体に赤面し笑みをこぼし寝顔を見つめる。カローナは媚薬を飲んでいない。第一王子がカローナに手を出すのはカローナための状況しか思いつかなかった。カローナのまだ発育途中の体では第一王子を満足させられない。無理矢理な行為の自覚はあっても、カローナに触れようとして手を止め時々怖がる夫には荒療治が必要だった。第一王子が心底嫌がるならやめるつもりだったが、体は正直で浮かべる笑みも本物だった。カローナのハッピーエンドの夢が叶うまで、まだまだ遠い。せめて眠る愛しい人の見る夢が優しいものであるように願いを込めて額に口づけを落として、目を閉じる。


カローナは第一王子の部屋に住みついた。そして発育途中の体でも第一王子を誘惑できると気付いたカローナに翻弄され、気付くと肌を重ねている。

「カローナ、離れたくない」

カローナは第一王子の腕の中で眠ったフリをする。時々聞こえる悲しい声は起きたら口に出さずに胸の中に秘められる。朝になったら愛の言葉を捧げるか悪戯をしようか思考を巡らしながら溢される懇願に耳を傾ける。昼寝の習慣のお陰で、カローナはいつも第一王子の寝息が聞こえてから眠りにつく。

「ロナ」

第一王子の声に耐えられなくなったカローナはゆっくりと目を開ける。

「フィン、愛してる。ロナの太陽はフィンだけ」

太陽の瞳を見つめ微笑みまた目を閉じる。額に落とされる口づけに笑いを堪えて、ようやく聞こえた寝息に目を開けて、優しい夢が見れるようにと額に口づけを返す。
第一王子がカローナに自分から手を出すようになるのは翌年のカローナが15歳になってからだった。夢のように去らないカローナに安堵した第一王子が欲望に少しだけ忠実になる。
カローナはさらに夫の過去の夢に闘志を燃やす。第一王子は愛の言葉は口にしない。でも甘さを含んだロナと呼ぶ声、優しい仕草、繋いでくれる手と見つめられる瞳に愛情を感じるカローナには十分だった。愛情の形はそれぞれであり、ずっと隣で手を繋いでいるだけでも幸せである。カローナは幸せなので、夫が幸せになれるように頑張るだけである。神様に願っても夢を現実で叶えるのは人の力。カローナの太陽は太陽神ではなくフィンである。明るく世界を照らす太陽は平等であり、特別な力は持たない。何を信じるかも本人の自由であり、神様よりも頼りにしている夫を翻弄する先人たちの教えの手紙に視線を落とす。顔を上げると領民に武術を教える逞しく格好良い姿が目に入り笑みを溢す。
近い将来に立場が逆転するなど想像もしていないカローナは口元を弛ませ新たな作戦を練る。時々、カローナに視線を向ける夫に手を振り微笑むと嬉しそうに笑う無自覚の不器用な可愛い夫を愛でる日課がなくなるとは視野の広いと言われる元王妃候補にさえわからなかった。

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