元カレに囲まれて

花宮守

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第2章 元カレ、また元カレ

第16話*

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 そうやって、真との恋が始まった。

 大学一年のゴールデンウィークは、高速を使って長野へ。キラキラ光る湖を中心に見てまわり、山の中に二泊した。
「彼女と旅行するのにどこがいいかなって、叔父さんに話したら、最近自分は行ってないからって別荘の鍵を貸してくれてさ。ついでに掃除してこいって条件付き」
 行ってみると、二人で泊まるには大きな一軒家で、少し歩くと小川がある。大自然の中で二人きり。話す相手も、目に入る姿も、お互いだけ。恋人同士なんだ、って実感した。
 山の夜は冷える。お風呂のあと、「思ったより寒いね」「そうだな」と言葉を交わして、身を寄せ合って。そこから先は、言葉はいらなかった。

 和室に敷いた布団の上で、後ろから抱きしめられて。うなじを、耳を、吐息が掠めていく。シャツの上から胸のふくらみを行き来する手が、突起を探し当てた。
「ん……はぁっ……」
 私の反応を確かめるように、突起を押しつぶす。
「あっ……」
 彼の硬くなったものを感じる。シャツの中に手が入ってきて、下の方にも……。静寂の中、衣擦れと二人の呼吸、そして水音。
「もう、こんなになってる」
「あっ、はぁ、んっ」
「待たせてごめん。衣純」
 ぐっしょり濡れたそこを、初めて触れる真の指が暴いていく。普段の彼からは想像もつかない激しい指使いが、興奮を伝えてくる。ほんとは早くこうしたかったよ、って……。
「好き、真……」
 言わずにはいられなかった。何でも分かってくれるから、それに甘えて口にしていなかった言葉。うなじに熱い唇が押し当てられた。
「こっち向いて」
「うん……」
 火照った顔で向き合った。前戯の間に私の下半身は露わになり、彼は着衣のまま、怒張を剥き出しにしている。首に腕を絡めて、額をこつんとくっつけた。
「焦ってるみたいでかっこ悪いけど、俺、もう……」
「ん、私も」
 腰を沈めて、ひとつになった。激しい突き上げ。乱れた私の髪や背を撫でる手は優しくて、愛されていることを感じる。

 二日目の夜、彼は私の上に満足そうに倒れ込み、秘密を打ち明けるように囁いた。
「高一の時から、好きだった」

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