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しおりを挟むクリスマスプレゼントも買って、クリスマスケーキも買って。
もう、準備なんてそれくらいじゃね?
いっぱいぐるぐるいろんな場所を回ったせいか、もう辺りは暗くなっていた。
そろそろ、こいつも待ち合わせあんだろ。
「リッキー、終わりか? 俺もう帰るzーー」
「まだだ。ほら、最後はこっち」
「え?」
プレゼントを持ってない方の手でグイッと腕を取られ、また歩き出す。
「ぇ、ちょっ、待ってリッキー何処にっ」
「ほら、黙ってついて来いよ」
ズンズン ズンズン歩かれて、もう着いて行くしかなくて。
そうして、たどり着いた先はーー
「っ、わぁ………」
待ち合わせ場所に使った、大きな大きなクリスマスツリー。
綺麗にイルミネーションが灯され、とてもキラキラしていた。
思わず、声もなく見上げる。
「なぁ、ショウ」
「ん、なに?」
「もし、好きな奴から告白されるなら、お前は何て言われたい?」
「…………は?」
一瞬、何を言われてるのかわからなくて。
やっと理解した瞬間、カッ!と一気に頭へ血が上った。
お前……何考えてんだ!?
そんなもん自分で考えやがれ!
自分が好きになった相手だろうが!!
何でそんなのっ、俺に聞くんだよ!?
血が上って、どうしようもなく泣きそうになって。
でも、スゥッと引いていく。
多分…今日のクリスマスは、神様が俺にくれた時間だったんだ。
行事なのにリッキーと一緒に出かけれて。
プレゼントやケーキを選んで、綺麗なイルミネーションまで見れて。
はは、まるで恋人みたいじゃん。
そんな、最後の最後の時間だった。
これから、リッキーはこのツリーの下で好きになった子に告白するんだろう。
そして、その子と晴れて恋人同士になる。
っ、くそ……っ。
女の子なんか、大概このイケメン顔に「愛してる」やら「好きだ」やら言われれば、直ぐに落ちるだろう。
でも…でも、そうだなぁ……
もしも、もしも俺が
リッキーに告白されると、したらーー
「名前を、呼んでくれて……
ひと言〝好きだ〟って言ってくれたら、もう最高かなぁ……っ」
発した声が震えてしまって、慌てて口を閉じる。
自分の言葉を自分で聞いて、じんわりと涙が溢れてきて。
……っ、くそ。
こんなの痛すぎる、最悪じゃん。
「そうか。分かった」
「っ、うん……」
俺の意見を参考にして、これから告白するのだろうか?
あぁ本当、何て残酷。
クリスマスツリーも、チョコレートケーキも、プレゼントも、全部全部嫌いになってしまいそう。
「っ、じゃぁ、俺もう行くから。 頑張れよリッキー」
もう直ぐ此処へ来るであろうリッキーの好きな人を、見たくない。
涙を隠しながら足早に去ろうとする俺の腕を、また知ってる体温にグイッと取られる。
「ちょ、なんだよ!!
こっからは自分で頑張れy」
「ーー翔太(ショウタ)。 好きだ」
「ーーーーっ、ぇ………?」
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