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しおりを挟む【貴方は、どうか生きてくださいーー】
「なぁ。夕焼けって、何色なんだろうな」
「え? んー……何色なんだろ、分かんないや」
「だよなぁ」
小さな小さな、物語にすら出てこないであろうとある村の病室の窓から、静かに外を見つめる。
今日は、年に一度の綺麗な夕焼けが見える日。
不思議だが、何故かこの日だけは朝から晩まで一晩中夕焼け色の空模様なのだ。
さっき「分からない」って言ったけど、僕の目には燃えるように綺麗なオレンジと赤と紫のグラデーションの空がはっきりと見えている。
でも、アルの目にはそれが映らない。
アルの瞳は曇りがかったグレー色で、色が映らないからだ。
アル…アルドと出会ったのは、僕が足を骨折して入院しなきゃいけなくなった時。
軽傷の人たちが入る病棟にはもう空きがなくて、目の病気を持ってる人たちが入る病棟に移動させられて。
その時同じ病室にいたのが、アルドだった。
『おっ、お前も〝カラーズ〟なのか?』
ニコリと出迎えてくれた、その笑顔と綺麗なグレー色のモノクロの瞳に
僕は、一目で恋に落ちたんだーー
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